政治

小池都知事の人工知能(AI)発言は、議事録が無い事を誤魔化すためのフェイク

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出典:tokyonews jp

小池都知事が8月10日の定例記者会見にて、

「それはAIだからです。(中略)最後の決めはどうかというと、人工知能です。人工知能というのは、つまり政策決定者である私が決めたということでございます」

と発言した事がネットを震撼させている。

「意味不明」「AIならばログを残す」「Pepper以下の性能」「A(アテクシが)I(言ったから)」「小池都知事がAIならば電磁記録なので、公開請求が可能」

とまあフルボッコである。

私も小池都知事誕生以降で最高にアホらしい発言だと思うし、初めて(?)エンジニアとしての本領を発揮して、ブログでAIの何たるかを解説してやろうかとも思った。

しかし、冷静に考えるとAI発言そのものには大した意味が無い事に気づいた。AI発言の真の問題は、「豊洲・築地両立案」がデタラメ過ぎて、議事録を残せなかった事にあるのだ。


小池都知事・都民Fにとって「文書が存在しない」事は絶対のNG

改めて、小池都知事のAI発言が出てきた経緯を確認すると、

「豊洲と築地と双方に市場機能を残す方針について、財源や運営費など検討した記録が都に残ってない」

「最終判断が知事と顧問団による密室で下されて、情報公開という知事の方針に逆行するんじゃないか」

との記者の指摘に対して飛び出した回答である。冷静に考えてみると、「文書が存在しない」時点で小池都知事はアウトなのである。

小池都知事は就任以来、情報公開を「1丁目1番地」と公言し、これまでの都政を「ブラックボックス」であると徹底的に批判してきた。

昨年の11月には盛り土問題で、「議会で事実を異なる答弁をした」と正確な情報を公開しなかった事を理由に18人も減給処分にしている。退職者まで含めており、違法の可能性が高い悪質なものであった。

さらには豊洲市場の移転問題を巡る百条委員会では東京ガスとの移転交渉の記録が残っていない事を徹底的に批判し、元部からと証言が食い違うとして浜渦武生元副知事と赤星元理事の2人を偽証認定している。

さらには小池都知事が選挙期間中に代表を勤め、都議選で圧勝した都民Fは「情報公開」を大原則としている。基本原則の2番「のり弁をやめます」では、「黒塗りの公文書を改め、徹底的に情報公開をします」としている。

つまり、6月20日に発表した「豊洲・築地両立案」が密室で決定され、議事録が存在していない事は、小池都政と都民Fの根本に関わる失態なのである。

小池都知事はそんな痛い部分を指摘されたので、何とか誤魔化そうとしたのだろう。干されながらも甲斐甲斐しくAI発言を擁護して大炎上中の音喜多都議がブログで書いたように、直前に参加したフォーラムのテーマが「IoTとAI」なので、ついつい頭に残っておりとっさにAIと発言したのかもしれない。

つまり、AI発言そのものには大した意味は無い。大事な打ち合わせに連絡無く遅刻をした理由を聞かれて、とっさに「通勤途中に今にも赤ちゃんが産まれそうで苦しんでいる妊婦さんがいまして、一緒に病院まで付き添ったので」と嘘の言い訳をしたようなものだ。

「何だと、妊婦さんだと。何時何分だ?どんな人だ?どこの病院に行った?」

と妊婦さんの詳細を掘り下げても仕方が無い。「なぜ事前に連絡をしなかった?」「本当の遅刻の理由と改善策は何だ?」と一番の問題点を注意し、再発を防ぐようにするのが最も重要だ。

つまり議事録を残さなかった事が一番の問題であり、重要なのはその本当の理由と再発防止である。なので、嘘の理由が何であってもそこに意味は無い。AIだろうが、PCの故障だろうが、うっかりだろうが、どうでも良い。

ではなぜ小池都知事は議事録を残さなかったのであろうか?

議事録は残さなかったのではなく、残せなかった

なぜ議事録が無いのか。小池都知事の回答からAIやら人工知能といった邪魔なワードを除いてみると、一応の理屈が出てくる。

「あちこちから、いろいろと考え方を聞いてまいりました」

「いくらお金がかかるかということについては、各種の数字が出てきております。その試算は既に公表されています」

「最後の決めは、政策決定者である私が決めたということでございます。一言で言えば、『政策判断』です」

となっている。つまり、

これまでに公表された議事録で豊洲市場移転についての十分に情報は出揃っており、最後に選択肢から選ぶだけの状態であった。選ぶだけならば、それに新たな議論や情報は必要無い。私の頭の中の問題であり、責任である

というところだろう。実際、大炎上中の音喜多都議のブログでも、

一方で今回の移転決断において、小池知事はあり方戦略本部に至るまでの公的会議はすべてオープンに行っています。

それらの専門家の意見を踏まえた上で、「自分自身が政策判断した」と言い切ったのは、自ら「決定責任はすべて取る!」と明確にした意思表示であり、これまでの都政の意思決定へのアンチテーゼだったのはないでしょうか

と擁護している。

しかし、これは明確に間違っている。発表された「豊洲・築地両立案」は簡単にまとめると、

・追加対策工事を実施し、豊洲市場に仮移転する

・築地は売却せず、5年後をめどに再開発し、再移転

・豊洲市場は、ITを活用した総合物流拠点とする

・環状2号線は五輪前に開通させる

というものだった。

で、小池都知事や音喜多都議が言うところのオープンな会議とは、

「市場のあり方戦略本部」

「土壌汚染対策等に関する専門家会議」

の事である。まず間違っているのは、

市場のあり方戦略本部の第1回は非公開である

事だ。全くオープンになっていないじゃないか。

さらには、市場のあり方戦略本部の最終回(第4回)で示されたのは、

・豊洲市場に移転し、単独での収支改善案

・築地市場を単体で存続での、築地市場再整備案

である。どこにも「築地は守る、豊洲を活かす」「5年後に築地に一部の市場機能を戻す」「築地に食のテーマパーク」「豊洲市場は物流センター」なんて出てこない。

さらには専門家会議の最終回では「豊洲市場の追加対策工事の2案」が示されたが、示された追加対策工事は異なる内容であった。

小池都知事が発表した「豊洲・築地両立案」は、オープンになっている情報からは絶対に導き出す事のできない結論である。どんなAIであっても、この入力から「豊洲・築地両立案」という出力は出てこない。

多くの有識者が指摘するように、「豊洲・築地両立案」は直後の都議選を睨んで、政治的争点をボカすことに専念したものであり、都民の事なんか全く考えていないデタラメなものだ。だから、2兆円もの損失が出てしまうのだ。

つまり、「豊洲・築地両立案」を決めた会議の議事録は残さなかったのではなく、内容と目的がデタラメ過ぎて、とても内容を公表できないため、残せなかったのだろう。

人口知能(AI)発言は喋る阿呆に庇う阿呆

このように、小池都知事のAI発言は、それそのものはどうでも良い。本質である「議事録が残っていない事は、小池都政の大方針に反する」「豊洲・築地両立案がデタラメで、2兆円の損失をもたらす事」を引き続き、厳しく追及するべきだ。

小池都知事からすると、デタラメな政策を発表した詳細を公開する事も、情報公開の大方針に反すると批判される事も、どっちも嫌であろう。だが、自業自得としか言いようが無い。

「一部のドンと呼ばれる政治家が、東京都政を私物化し、自己の利益のためにこっそりと悪事を働いている。だから全てのやり取りをオープンにし、都民ファーストで都政を行う」
が小池都政であり、都民Fであるはずだ。だが、「デタラメな豊洲・築地両立案」も「その決定の議事録が無い」事はどっちも小池都政や都民Fが批判してきた古い都政そのもの、いやもっと悪質な何かだ。

ここまで豊洲市場を弄び、豊洲に風評被害をもたらし、オリンピック準備をめちゃくちゃにした事から逃げられるはずがない。これらの問題を少しづつ解決していくためにも、まずは「デタラメな豊洲・築地両立案」について、全ての情報をオープンにしなければいけない。

しかし、いくら自分に不都合な質問だったからと言って、「議事録が無い。それはAIだからです」とはもっとマシな回答があっただろう。全く擁護しようが無くネットでは批判の嵐、まさに失言だ。

小池都政や都民Fにとって、「常に誰かを批判し、自分たちは批判されない」事は唯一の政治的生命線である。それは情報公開といった政策よりもはるかに重要だ。えてして、こういったポピュリズム政党は「ささいな失言」から瓦解していくものである。

その危機感もなく、AI発言をした当事者からは反省の弁も無く、支援者(都民F)は甲斐甲斐しく擁護する。まさに喋る阿呆に庇う阿呆ではないか。

参照:平成29年8月10日 小池知事 定例記者会見産経新聞都民F公式サイト毎日新聞ITmedia

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author : 宮寺達也

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