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頑張れ就活生!君たちの個性はリクルートスーツの中

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出典:写真AC

6月6日、脳科学者で知られる茂木健一郎氏が、

今日の夜、東京のある駅の近くを歩いていたら、全く同じようなリクルートスーツをきた学生の集団が数十人、騒ぎながら通り過ぎていた。画一性。没個性。この国は、本当に終わっているんだなあ、と思った。経団連のお墨付き。

ツイートした。

何というか、聞いた方が恥ずかしくなるテンプレート感満載の若者批判である。茂木氏に言いたい事は山のようにあるが、言っても意味が無いので皮肉を込めてこう呟いておいた

今日の夜、ツイッターをふと覗いていたら、全く同じような若者批判のコメントが数年前から、全く変わり映えせず通り過ぎていた。画一性。没個性。この国のおっさんは、本当に終わっているんだなあ、と思った。脳科学者のお墨付き。

とは言うものの、「実際、俺たちって周りに流されて就活してるし、個性無いのかな」と不安に思っている若者もいるだろう。そんな若者たちに私は声を大にして言いたい。

最初から個性のある人間なんてほんの一握り。個性はこれから育てていけば良い。


個性溢れるリクルートスーツの時代なんて無かった

さて、茂木氏がリクルートスーツの若者たちに遭遇したのは、6月1日に就職活動が解禁され、若者が一斉に動き出したためだ。新卒採用なんて昭和初期からある慣行であり、現在の若者だけが特別に没個性だなんてちゃんちゃらおかしい話である。

ただし、現在のリクルートスーツは黒を基調としたベーシックなものが定番になっている。その歴史はかなり浅い。1980年代のリクルートスーツは色もバラバラで、かなり個性的に見える。2000年に入ったあたりから、現在にも通じる黒のリクルートスーツが基本になっているようだ。

確かに、大量の若者が黒のリクルートスーツを着ているとなかなか違いがわからない。「没個性」と言う単語が頭をよぎる。

だが、もちろん黒のリクルートスーツが流行った理由は若者の没個性マインドでは無い。

自分が就職活動をした2004年の事を思い出したり、1980年代に就職活動した先輩の話を聞いたりすれば、すぐにわかる。

カラフルなリクルートスーツも、黒のリクルートスーツも、単純にその時代の流行であったというだけである。

バブル時代のJJを見れば、当時のリクルートスーツがその時代のファッションと似ている事がよくわかる。1988年のリクルートスーツとか、平野ノラを見ているみたいだ。確かに今の時代に着れば目立つかもしれないが、当時は極々平凡な格好だ。

現在、黒のリクルートスーツが流行っているのはそもそも現役のサラリーマンがビジネスカジュアルの流行のためスーツはあまり着ない事、そのためにスーツファッションのトレンドが存在しないからであろう。

実際、私も前職のメーカー時代や現在もスーツを着て出勤した事はほとんど無い。ボタン付きシャツとスラックスという、とても定義が幅広いビジネスカジュアル生活を続けている。

私のスーツは、入社式のために母親に洋服の青山で買ってもらった、黒の6万円オーダースーツがまだ現役である。

大人のスーツ離れが進んだので、スーツの流行が廃り、基本である黒のリクルートスーツ以外の選択肢が少ないという事ではないか。

いつの時代も、若者は流行を追っているだけである。

参照:「80年代-00年代『JJ』におけるリクルートスーツの変遷」「黒のリクルートスーツ」が定番化したのはいつから?

現代は心優しい若者の時代

私がこの手の若者批判をする連中に聞きたいのは、

「じゃあ、いつが理想の若者に溢れてた時代だったんだよ」

である。

ちなみに茂木氏は1962年生まれである。少年犯罪の統計によると、茂木氏が新卒となる1984年は少年犯罪の総数が30万1,252人と、凄い数である。直近の1983年が31万7,438人と史上最高であったので日本の少年犯罪がピークの時代である。確かに悪い意味で個性的な時代だったとは言えるかもしれない。

ちなみに確認できたところによると、2015年の少年犯罪は3万8,900人と、少子化の影響はあれど、1/8近くと凄まじく減少している。

少なくとも、どちらの時代に暮らしたいかは明らかだろう。私は犯罪を犯す事が個性だなんて全く思わないし、そんな個性はノーサンキューなので、心優しい若者が溢れている現代が好きだ。

現代の就職活動を生きる若者は、同世代で個性的な犯罪が起きまくっていたおっさんや、酷い場合は学生運動なんてテロリズムに走っていたおっさんの戯言には耳を貸す必要は無い。

個性は今はリクルートスーツの中。仕事を通じてレベルUPだ

ただし、私も就職活動をしている学生と話をしたりする事はあるが、彼らを個性的だと思った事はあまり無い。将来やりたい事とか、どの会社に入りたいとか、学生時代に何を頑張ったとか、大体似たり寄ったりな回答が返ってくる。

だが、それは若者に個性が無いからでは無い。まだ個性が育っていないだけである。

ダルビッシュとか、田中マー君とか、羽生結弦とか、錦織圭とか、20代前半から個性を発揮し、ベテランを圧倒する若者なんて両手で数えられるほどしかいない。年末ジャンボ宝くじ一等7億円の本数が68本なので、個性溢れる若者なんて宝くじ当選者より少ないのだ。

私たちベテランが、若者を見て「似たような事言うな」と思うのは、それだけ経験を積んだからである。自分たちが新卒の頃も似たような事しか言えていない。まあ、そうじゃ無いと言う奴は大体、自分の都合の良いように記憶を改変しているものだ。

例えるなら、サラリーマンとして10年以上経験を積めば、カーブ・フォーク・スライダー・シュート・シンカー等々、様々な球種をマスターする。新卒はストレートしか投げないから同じように見えてしまう。だが、それはまだ伸びしろがあると言う魅力である。

それに、よーく見ればストレートの中にも個性がある。若者を個性が無いと批判するのではなく、これから成長する小さな個性を見つけて上げることこそ、おっさんの仕事である。

黒のリクルートスーツに身を包んだ若者よ。自信を持って自分の夢に向かって邁進して欲しい。そして、仕事を通じてレベルUPし、個性を磨いていって欲しい。

もし個性が無いと悩でいるなら相談してくれ。おっさんが頑張って見つけて上げるよ。

-キャリア

author : 宮寺達也

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