キャリア

元事務次官・前川さんに学ぶフリーランスの「ダメよ〜、ダメダメ」 Part.2

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出典:YouTube 日本エレキテル連合

Part.1はこちら

大企業(大組織)出身フリーランス業界にデビューした大型新人・前川喜平・前文部科学事務次官から学ぶ、フリーランスの「ダメよ〜、ダメダメ」。

前回の記事では、「違法行為はダメよ〜、ダメダメ」「嘘はダメよ〜、ダメダメ」について書いたが、まだ書き足りない。そのくらい前川氏のこれまでの実績、記者会見、テレビでの発言には反面教師として学ぶことが多すぎる。

今回は前川氏がやらかしてしまっているさらに3つの「ダメよ〜、ダメダメ」を勉強したい。


捏造はダメよ〜、ダメダメ

加計学園に獣医学部を新設することが決まった背景に、「総理のご意向」と記録された文書があると朝日新聞が報じたのが5月17日である。

前川氏はその1週間後の5月25日に記者会見し、「文書は本物である」と大々的に証言したわけだ。

ただ、この文書をマスコミ各社に持ち込んだのが前川氏本人であると言われている。これは記者会見の前日の5月24日に和田政宗参院議員がブログで明らかにしたことだ。(今はイニシャルMになっているが、最初は実名で記載されていた)

他のマスコミの取材でも同様の確認がなされているので、かなり確証が高い情報だ。

和田議員はブログの中で、「文科省内の調査で文書は存在せず、すなわちM氏が持ち込んだ文書は自らが作成した可能性が濃厚となりました」と記載している。つまり、「総理のご意向」との記録文書は前川氏の自作自演の可能性があるということだ。

確かに元事務次官ならば、文科省内で使用されていそうな文書を作成するのは容易いだろう。実際、文書はマスコミ各社に持ち込まれたが、裏が取れないために朝日新聞以外は掲載を見送ったと思われる。

この前川氏が記録文書をマスコミ各社に持ち込んだ事は、あらゆる意味でアウトな行動である。

もし推測通り記録文書が前川氏の自作自演であるならば、「出会い系バーに通っていたのは女性の貧困調査のためだ」とは比較にならない「ダメよ〜、ダメダメ」である。公文書偽造で逮捕とまでは行かないかもしれないが、自身のフリーランス生命を一発で終了させる致命傷である。

かつて永田メール事件というものがあった。民主党の永田寿康議員が、国会で堀江貴文氏と武部勤自民党幹事長と金銭のやり取りがある、その証拠メールを入手したと追求したが、後にその証拠メールが捏造であると判明した。その結果、永田氏は議員辞職し、民主党執行部は総退陣に追い込まれた。さらにはショックを受けた永田議員は、その3年後に自殺してしまった。

実際、この記録文書を巡って国会も紛糾している。国会で議論されている問題の証拠を捏造するのは、政党の存続を揺るがし、人を自殺に追い込むまでの破壊力を持っている。決して個人の功名心や復讐心などで正当化される行為では無い。

もし、記録文書が前川氏の自作自演であるとするならば、それはフリーランスとか以前に、人として決して許されないダメな事なのである。

機密情報を持ち出しちゃダメよ〜、ダメダメ

さて、では前川氏がマスコミに持ち込んだとされる記録文書が本物であった場合はどうであろう?

「やっ やったッ!! さすが前川! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!」

ってなるわけが無い。

もし記録文書が本物であった場合、それは「国家公務員の守秘義務違反」である。

国家公務員法第100条では、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」とされている。現役の官僚はもちろん、退職しても公開されていない職務上の文書をマスコミに渡すのは犯罪である。

この守秘義務違反は国家公務員法第109条で、「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」と規定されている。過去には有名な西山事件で、外務省の女性事務官が懲役6ヶ月執行猶予1年の刑を受けている。

この事はもちろん前川氏は承知の上の行動であろう。記録文書が本物であった場合、罪に問われたとしてもそれを補って余りある社会的意義、個人的満足が得られると考えているのかもしれない。

だが、このような前川氏の考えは多くのフリーランスにとっては極めて危険であり、決して真似してはいけない。

大企業(大組織)出身フリーランスの場合、前川氏同様、前職で入手した貴重な情報をたくさん持っている。フリーランスとして活躍してくために、その情報を活用していきたい気持ちはわかる。だが、私は自らの脳に叩き込んだ知識・経験以外に、前職の情報に頼ってはいけないと考える。

それは、前職の情報は必ず枯渇するからだ!

当たり前の話だが、もう前の会社や組織は辞めているのだから、貴重な情報はこれ以上増える事は決してない。もし前職の情報を暴露したり、横流しする事で一時の仕事やお金を得たとしても、どんどん次の情報を出すのがしんどくなる。先細りになる一方だ。

例えば前川氏の場合、今後の仕事で「総理のご意向の記録文書」を超えるインパクトをもう一度再現する事ができるだろうか。まず無理だろう。

しかし、周囲は勝手に期待し「よし も──1回!! も──1回!! ハイハイ ハイハイ 前川君のちょっといいトコ見てみたい───♪」と祭り上げるだろう。

そのプレッシャーに負けてしまうと、どんどん批判が先鋭化し、雨が降っただけでも文科省の陰謀にしてしまったり、新たな文書を捏造してしまったりと暴走してしまうかもしれない。

そしてリスキーダイスで大凶を引くが如く、いずれはそれまでの大吉分がチャラになるほどの不幸に陥るだろう。そう、報道ステーションを降板した古賀茂明さんのようにね。

味方を信じちゃダメよ〜、ダメダメ

そして、最後の「ダメよ〜、ダメダメ」であるが、このように自分に勝手に期待し、祭り上げる無責任な味方を信じてはいけないという事だ。

今回の前川氏の記者会見を受けて、様々な人が前川氏を擁護している。

ゆとり教育の失敗で悪名高い元文科省官僚の寺脇研氏が「前川喜平は本当に優しい人で弱い人を助ける人! 弱い人を助ける為に力をつけた」と、タレントの尾木ママが「前川さんは教育関係者に信頼されている」と、加計学園の問題で安倍政権を追及している民進党は、野田幹事長が「権力を告発しようとする人が出てくると、みんなで潰そうという国になってきている」と様々に擁護している。

彼らは安倍政権の批判の材料として前川氏を擁護しているだけで、状況が変わればコロッと手の平を返して前川氏を批判し始めるだろう。

また、今回の前川氏の行動には、「元事務次官の私が政権を批判すれば、政権に不満のある現役の官僚が味方になってくれる」と考えている様子がある。だがこれは大きな勘違いだ。

大企業(大組織)出身フリーランスが決して勘違いしてはいけない事が、「味方は自分一人である」という事だ。

特に前職で非常に優秀で、周囲からも信頼されていた人は、独立する前に散々こういう事を言われているだろう。

「〇〇さんなら絶対に成功します。俺も応援しますよ」
「〇〇さんが独立しても、一緒に仕事をしたいです」
「〇〇さんがピンチになったら、必ず助けます」

等々。

別に彼らは嘘を言っているわけではない。優秀で人柄も良いあなたの事を心から尊敬し、可能ならば力になりたいと本気で思っているだろう。

だが、はっきり言って、それが可能になるシチュエーションは限りなく少ない。応援の言葉くらいならタダなので幾らでも声を掛けてくれるだろう。だが、会社が「〇〇とは仕事をするな」と言ったら決して逆らわない。あなたより、自分の事が大事なのが当然だからだ。またあなたがピンチになっても、1万円貸してくれと言ったらまず断るだろう。

良くも悪くも家族以外の人間関係なんてそんなものである。

私も独立する前、散々に「お前なら独立しても絶対に成功する」と言われたものだが、実際には転職活動に失敗して窮地に陥ったりもした。もちろん、そこで自分の独立を応援した人間を責める事もないし、窮地で力を借りる事も無い。

フリーランスは、良い時も悪い時も、全部自分で責任を取れる。これこそが醍醐味である。

良い時は自分の手柄、悪い時は周りのせいと言った甘えは許されない。これを理解せずに、良い時にだけチヤホヤしてくれる味方を信じたら、必ず悪い時にドツボにハマり、そこで終了する。

「嘘だッ!」と思う人は、まさにこの記事のサムネイル画像になっている2014年の流行語大賞受賞の日本エレキテル連合が今どうしているか、思い出して欲しい。

おい……見てるか古賀……お前を超える逸材がここにいるのだ……!!

まあ、2回に渡って書いてきたように、前川氏の実績、記者会見、テレビでの発言は大企業(大組織)出身フリーランスにとって本当に反面教師だ。

フリーランスとして頑張っているみんなも、これからフリーランスになろうと考えているみんなも是非とも勉強して欲しい。

しかし、とは言うものの、元事務次官というインパクトは凄い。しばらくは陰謀業界で活躍していくだろう。

しかし、そうなると心配になるのが今まさに陰謀業界で活動中の古賀茂明氏だ。自分を超える大型新人のデビューに自分の活動の場が奪われるのでは無いかとさぞかし心細いだろう。

そう思っていたら、「前川・前文科事務次官の乱は“平成の忠臣蔵” 大石内蔵助の登場は?」と全く危機感のかけらも感じない怪文書を発見してしまった。

そんな古賀氏には是非ともこの言葉を送りたい。

「元大組織出身の俺の経験からみて 今のおまえに足りないものがある

危機感だ

おまえ もしかしてまだ 自分が一発屋じゃ無いとでも思ってるんじゃないかね?」

-キャリア

author : 宮寺達也

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