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いま語ろう!大企業の配属あるある

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出典:写真AC

前回の記事に引き続き、今後の会社員生活に不安を感じている新入社員にアドバイスを送りたい。

今回は「配属」について語りたい。

どんな企業に入社したとしても、新人は1年以内に会社の中に複数ある部署・チームのいずれかに配属される。特に大企業の場合は多くの部署があるため、新入社員は入社時点でエンジニア・営業・法務といったある程度の職種は決まっているものの、どこの部署に配属されるかは全くわからない。

そして配属された部署が違うと、別の会社に入社したのではと思うくらい仕事の文化・組織風土が違ったりする。

特に私は入社後の配属で東京から大阪に飛ばされ、しかもそこはブラック部署であったという悲劇を経験している。私の悲劇を参考にしながら、大企業の配属あるあるを語りたい。


新人の配属希望はかなり考慮される

まず、大企業の新入社員は、入社時点で配属が決まっていない。そこで、入社後に配属希望のアンケートを取る。私の場合は、第1から第7希望までの事業部を記載するというものであった。

流石に大企業だけあって、エレキエンジニアとして活躍できる事業部だけでも5個はあった。残りの2個を埋めるのは苦労したが、法務・知財とか経営企画とか、どうせ通りそうに無い専門外の人気事業部を書いた。

この配属希望だが、実はかなり考慮される。

「どうせ一新入社員の希望なんて通らない」と諦めモードになる必要は無い。確かに人事部は不人気事業部を含めて、全ての部署に新人を送り込まなければいけない。しかし、全く希望しない配属にした場合、新人に辞められるのを非常に恐れている。

なんだかんだ言っても、新卒が1〜2ヶ月で会社を辞めた場合、転職は容易である。「希望部門に配属にならなかった」というのは正当な理由だし、まだ若いのでもう一度新卒採用されるのはたやすい。就職氷河期終盤の2005年でもそうだったのだから、人手不足の昨今ならますます容易だろう。「てるみくらぶ」の内定者が良い例だ。

そのため、人事は新人の希望をできるだけ考慮する。しかし、不人気事業部にも何とか人を配属したい。そこで出てくるのが「第7希望まで」という大掛かりなアンケートだ。

第7希望まで書けと言われても、ほとんどの人はそこまで思いつかない。なので、深く考えずに不人気事業部を下位に書いたりする。

それこそが、人事の狙いなのだ!

本心では全く行きたくない部署に配属されたとしても、下位とはいえ自分で希望に書いてしまったら、「まあ、仕方ないか」と思ってしまうものだ。

私がいた元メーカーでは、ある生産部門が恐ろしく不人気だった。そのため本人の学歴などは一切考慮せず、何位でも良いからどこかにその事業部名を書いた新人が全員配属されるという、蟻地獄みたいな部署があった。大学の先輩や寮の先輩を通じて、ある程度の新入社員はその情報を知っていたが、知らない新入社員が餌食になったのだ。

こうして、私と一緒に大阪大学から入社した、私より遥かに優秀だったYは蟻地獄部署行きになった。

新入社員のみんな、アンケートは下位希望まで慎重に記載しよう。

人気部署は出世できない

さて、新入社員が気になるのは「どこの部署なら成長し、出世できるか」だろう。

まず言うと、成長と出世は全く関係無い。納得できない人は、東芝やシャープの会長を思い出して欲しい。

そして、どこの部署ならば出世できるかであるが、これはかなり予想できる。

まず、経営企画・商品企画・プロジェクトマネージメントといったマネージメント系の部署に配属されたら出世は早い。大企業で評価される成果とは、どんな凄い技術を開発したか、どれだけの金額を稼いだか、では無い。「どれだけ多くの人を動かしたか」で決まる。
そのため、マネージメント系の部署は当然の如く有利である。35歳になって主任にもなれない同期がいる中、35歳を前に管理職になる人も多い。

次に昇進が早い部署は、「先輩が少ない部署」である。

大企業の人事評価は相対評価であるため、同世代のライバルが多ければ多いほど相対評価で不利となる。部署に同期は一人だけ、次に年齢が上の先輩は10歳離れているというような部署だったら、人事評価で超有利だ。先輩も出世しており資格が違うため、評価の対象が被らない。普通に与えられた仕事をこなしているだけで、相対評価でトップを取り続け、Aランク連発間違いなしだ。

こうして、35歳で課長も夢じゃ無い。ただ、問題は部署に未来が無いことだ。こういう部署は長年赤字を垂れ流し続けていたり、どんどん外部委託が進んでいたりと、部署全体で会社のお荷物とみなされている。

そのため、近い将来の撤退が既に決まっていたりする。人が入って来ないのでは無く、そもそも入れようとしていないのだ。昇進したは良いが、部署ごとリストラされたなんてならないように気をつけよう。

そして、会社で最も売れている主力商品を設計・開発している人気部署に配属された場合、これが一番昇進が遅い。

会社によっては、その部署だけが黒字を確保しているといった最重要な部署でありながら、中で働く社員の待遇は酷いものである。理由は先に書いた通り、大企業の人事評価は相対評価であるためだ。

最重要な部署は当然、配属される人数も多い。20人程度の課やチームに同期が2人以上配属され、先輩を見ても1代も途切れることなく所属している。こういった部署で人事評価で高得点を出すのは非常に難しい。

仮に同期や先輩の10倍の成果を出したとしても、1%人事評価が上がるといったところが限界だ。昇給額にして、500〜1000円違うというところか。

これは上司が成果を出した人の評価を上げたいとしても、そのために他の社員の評価を下げなければいけないためだ。成果を10倍出したといっても、他の社員も別にミスをしているわけではない。特別に評価を下げる理由が見つからない。そのため、成果を出した社員の評価UPは雀の涙になる。

私は新人時代に大阪のブラック部署に配属され、それから本社の花形事業部に異動した。そこで驚いたのは、ずっと花形事業部で頑張っていた同期が私より2年昇進が遅かったことである。さらには、尊敬してやまないS先輩が私より2年遅く係長に昇格した。

私は自分の昇進が早かったとは決して思ってはいないが、入社以来、数兆円も稼いできた超・主力商品を支えてきた同期や先輩が冷遇されている現実は受け入れ難かった。退職を決意した理由の一つである。

しかし、エンジニアとしてはやはり主力商品に向き合って来た花形事業部のメンバーの実力は非常に高いものがあった。なので私は新入社員には、出世はできないかもしれないが、エンジニアとして成長するために花形事業部を希望することをオススメしている。

成長できるかは運と努力

もちろん花形事業部で成長できるといっても、確実なのは「その会社では通用する」レベルまでである。「どこの会社に行っても通用する」「世界に名を轟かす」レベルに成長できるかどうかは、どこの部署に行ったかではなく、どんな人と仕事をしたかで決まる。

私はいわゆる「意識高い系」であったので、配属の希望用紙の第1希望には花形事業部を書かず、「まだシェアは少ないが、今作っている新商品でC社に勝つ」と言っていた「意識高い事業部」を第1希望に書いた。

その結果、騙されて大阪のブラック部署に配属されたというわけである。しかし、そこで尊敬するKさんや親友Yに出会えたことで、私は大きく成長できたと思っている。

もし、最初から花形事業部に配属されていたら、平凡なエンジニアになっていたかもしれない。少なくとも特許を100件取ったり、会社を辞めたり、今こうして記事を書いているということは無いだろう。

これからの時代、必要になるのは一つの会社での出世でなはく、どこの会社でも通用するスキルだ。そのスキルの習得を左右するのは部署の差では無く、置かれた場所で努力する姿勢だ。新入社員のみんなは、仮に希望していない部署に配属されたとしても、努力を諦めないで欲しい。

ちなみに蟻地獄部署行きになった、私と一緒に大阪大学から入社した私より遥かに優秀だったYは、蟻地獄部署で食堂のお姉さんからラブレターを貰いそのまま結婚した(蟻地獄部署には珍しい、爽やかメガネ君だったからだろうか)。Yは本当に優秀で、同世代のエレキエンジニアとしては日本で5本の指に入るほどの天才だった。

最初はあんな天才を蟻地獄部署行きにするなんてなんて勿体無いと憤慨したものだが、私と同じくモテナイコンビだったはずのYは、その蟻地獄部署に行ったことで結婚し、幸せに暮らしているとのことだ。

Yを見ていると、人生何が起こるかわからない、時には運を天に任せてみるのも一興かなと思う。

-キャリア
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author : 宮寺達也

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