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裁判

「ツイートのスクショの著作権侵害」でツイッター社(TWITTER,INC.)への発信者情報開示請求を自分で行う方法「ひな型ファイル有り」

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僕は2020年11月のアメリカ大統領選を契機に、トランプ信者や自称フェミニスト、維新信者などの匿名アカウントから数々の誹謗中傷を受ける様になりました。

内容は本当に酷い物で「お前も日本から出ていけ」「お前の顔が妖怪」「ブスオスすぎ」など、民族差別、容姿への誹謗といった完全な侮辱と名誉棄損です。民事訴訟を行えば、確実に多額の損害賠償金を支払わさせる事ができる内容です。侮辱罪・名誉棄損罪で刑事告訴も可能でしょう。

この様な悪質な匿名アカウントはミュートするなり、ブロックするなりしてスルーする事は簡単です。しかしそうするだけでは悪質な匿名アカウントは新たな獲物を探して誹謗中傷を繰り返し続けます。

しかし発信者情報開示請求を行って住所氏名を特定するためには100万円以上もの費用が必要です。こんな匿名アカウントを甘やかす構造が木村花さんの様な悲劇を生んでいると僕は思っています。

そのため僕は、「発信者情報開示を自分で行って安く済ませよう。その方法を皆で共有する事で悪質な匿名アカウントに対抗しよう」と自分でツイッター社への発信者情報開示仮処分を行い、何度も成功させています。そのノウハウをまとめたのがこちらの記事です。

ツイッター社(TWITTER,INC.)への発信者情報開示請求を自分で行う方法「ひな型ファイル有り」

しかし同時にわかった事は発信者情報開示のハードルの高さです。特に「侮辱」による発信者情報開示は「受忍限度がある」と裁判官が認定するため、相当の侮辱発言でなければ開示は認められません。

そのため非常に悪質な匿名アカウントなのに、開示ができず誹謗中傷が止まらないという理不尽な事態に直面し続けています。しかし連中は所詮は匿名の陰に隠れてでしか何も言えない臆病で卑怯者の集団です。

仮に多額の損害賠償を獲得できないとしても、発信者情報開示請求に成功し、住所氏名を明らかにするだけで匿名アカウントの誹謗中傷は止むはずです。

そんな「侮辱による不法行為と認定まではされないけど、執拗に誹謗中傷を続ける」匿名アカウントに対抗するために、僕は画期的な方法を発見しました。

それが「ツイートのスクショという不法行為(著作権侵害)で発信者情報開示を行う」事です。

誰もが当たり前の様にやっているツイートのスクショの投稿ですが、これはTwitter規約に違反する著作権侵害行為なのです。この著作権侵害という不法行為を根拠に、匿名アカウントの発信者情報開示を成功させる事ができるのです。

この記事にはツイッター社への著作権侵害での発信者情報開示に必要な流れ、ひな型ファイルが全て載っています。また「ひな型だけではわからない」という人のために随時、実際の事件で使用した書類も追加していきます。

この記事の手順通りにツイッター社への著作権侵害での発信者情報開示仮処分の申立てを進めていただければ、かなりの高確率で仮処分に成功できると思います。匿名アカウントの悪質な誹謗中傷に負けないためにも、是非とも「自分で訴えて安く済ませる」という選択肢が有る事も知って欲しいです。

※もちろんですが、この記事は発信者情報開示仮処分の成功を保証するものでは有りません。確実に成功させたい方は「ネットに詳しい弁護士」に依頼する事をおススメします。

※この記事は「2021年3月時点」での発信者情報開示仮処分の手順を紹介しています。現在、新型コロナ禍によってEMS(国際スピード郵便)に支障が生じており、新型コロナ以前の仮処分と手順が変わっております。また、現在新たな発信者情報開示制度を総務省が検討中です。

ツイートのスクショの投稿は著作権侵害である

これはまだまだ知らない人も多いと思いますが、この記事を機会に是非とも知ってください。他人のツイートのスクショを投稿する事は著作権侵害で不法行為なのです。

ツイートのスクショの投稿は今や誰もが当たり前の様に行っています。正直、僕自身も行っていた事が多数有ります。なぜなら引用RTで批判的なコメントをするとすぐにブロックされてしまうからです。

ブロックされてしまう事自体は仕方ないのですが、ブロックされてしまうとその僕のツイートを読んでいる多くの読者には「このツイートはありません。」と表示されてしまいます。それでは僕が意図している内容が読者に伝わりません。

そういう事態を避けるために、「こいつ、ブロックしそうだな」とか既にブロックされているアカウントのツイートに対してコメントする時は引用RTではなく、ツイートのスクショを用いる事が多かったです。

ツイッターでも良く「消せば増える」なんて言われて、削除した不適切なツイートが拡散し続けたりしていますよね。

そんな中、僕は2020年12月~2021年1月頃に「暇人」というとある維新信者から、毎日の様に執拗に、過去に削除したツイートを張り付けたリプライをされるという事が続いていました。

その時に思ったのです。「これだけ大量に僕のツイートを勝手にスクショするって、著作権侵害で違法じゃないのか?」と。

そして調べてみた所、数に関わらずツイートのスクショの投稿は著作権侵害で違法であると判明したのです。それはTwitter規約に明記されていました。

Twitterサービス利用規約

ユーザーは、当社の開発者契約および開発者ポリシーに同意するものとします。ユーザーは、本サービスまたは本サービス上のコンテンツの複製、修正、これに基づいた二次的著作物の作成、配信、販売、移転、公の展示、公の実演、送信、または他の形での使用を望む場合には、Twitterサービス、本規約またはhttps://developer.twitter.com/en/developer-termsに定める条件により認められる場合を除いて、当社が提供するインターフェースおよび手順を使用しなければなりません

フェアユースポリシー

著作物の特定の利用がフェアユースにあたるかどうか、最終的に判断するのは裁判所です

Twitter規約に記載されている「当社が提供するインターフェースおよび手順」とはRT、引用RT、ブログへの埋め込み等、ツイッター社が提供するツイートを利用する機能の事です。当然にスクショはWindows、iOS、Android等の機能を用いてユーザーが勝手に行っている事であり、ツイッター社が提供する機能では有りません。

また、「ツイートをスクショするくらいフェアユース(正当な著作物の使用)の範囲だろ」という点についてはツイッター社は一切の判断を行っていません。各国の裁判所の判断に委ねています。

そして日本の著作権法と著作権侵害における裁判所の運用は、「引用」での著作物利用は認めていますが、それ以外の方法での利用は認めていません。

引用と認められるためには「出典(URL)を明記する」「引用した著作物がサブで、メインのコンテンツは自分の著作物である事」などという要件をクリアする必要が有ります。

しかしツイートのスクショの多くは、出典(URL)の明記を行わず、またスクショした他人のツイートがメインコンテンツになっています。これでは引用とは認められず、著作権侵害で違法なのです。

著作権侵害で発信者情報開示が可能かどうか、確認する

そして発信者情報開示を定めているプロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)は、開示を認める条件を第4条1項の1号と2号でこの様に定めています。

第4条1項1号 「侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。」

第4条1項2号 「当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。」

つまり名誉棄損や侮辱という誹謗中傷以外でも、他のどんなものでも「権利の侵害」を明らかにすれば開示が認められます。そしてもちろん、著作権の侵害は立派な「権利の侵害」です。

そのため1つでも自分のツイートを無断でスクショして投稿されていれば、発信者情報開示請求によってその投稿者の住所氏名を明らかにする事ができるのです。

もちろん、自分が描いたイラスト、撮影した写真、ブログ記事、小説等、自分の著作物を無断でツイッターに投稿されていれば著作権侵害で発信者情報開示請求を行い、その投稿者の住所氏名を明らかにする事ができます。

この記事では著作権侵害によるツイッター社への発信者情報開示仮処分の流れ、必要となる書類のひな型ファイルが全て載っています。また「ひな型だけではわからない」という人のために随時、実際の事件で使用した書類も追加していきます。

この記事の手順通りにツイッター社への発信者情報開示仮処分の申立てを進めていただければ、かなりの高確率で仮処分に成功できると思います。匿名アカウントの悪質な誹謗中傷・著作権侵害に負けないためにも、是非とも「自分で訴えて安く済ませる」という選択肢が有る事も知って欲しいです。

そしてまず、「ツイッターで著作権侵害を受けた。訴えたい」と思った時に真っ先に確認する事です。それが「訴える事が可能か」です。

そもそも訴える事のできないツイートの著作権侵害にどれだけ怒りを感じても、相手の罪を問えないのは道理です。

その内容は制度的に理不尽なものも有れば、自分の無知が招いている場合も有ります。とにもかくにも、訴える事が可能かどうかまず確認しなければいけません。そのための3つのポイントを紹介していきます。

  ① アクセスプロバイダのログ保存に間に合うか確認する

最初の確認項目は「投稿日時」です。ツイッター社からログインIPとタイムスタンプが開示されても、その次のアクセスプロバイダにログが保存されていなければ発信者の特定はできません。

ログ保存の期限はアクセスプロバイダによって異なりますが、概ね3ヶ月から1年です。特にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3大携帯キャリアのログ保存期間は全て3ヶ月です。

現在のツイッターの大半は3大携帯キャリアの回線を通じて、スマホから投稿されています。そのために「3ヶ月以内」というスケジュールを逆算して、発信者情報仮処分を行わなければいけません。

その発信者情報仮処分からログインIPとタイムスタンプの開示まで、概ね1ヶ月半~2ヶ月の時間が必要です。そのためにどんなに遅くても、著作権侵害の投稿をなされてから1ヶ月以内には発信者情報仮処分に着手する必要が有ります。

なお「ツイートを削除した訳じゃないから焦って発信者情報請求しなくても大丈夫か」とのんびりしているのは完全な勘違いです。アクセスプロバイダへの発信者情報開示請求訴訟では、「著作権侵害のツイートを行った直前のログインIPとタイムスタンプ」が必要になります。

そのため「ツイートを削除した・していない」に関わらず、発信者を特定したい場合は著作権侵害の投稿をされてから1ヶ月以内には発信者情報仮処分に着手する必要が有るんです。

ただしアクセスプロバイダへの発信者情報開示請求に成功した後は、民事訴訟の名誉棄損の時効は3年有りますのでじっくりと対応が可能です。なのでまず素早く、低コストで自分でツイッター社に発信者情報開示仮処分を行う事が大事なんです。

  ② 著作物かどうかの確認

そして、ここから著作権侵害を問うためのポイントを確認していきます。違法でないツイートならば発信者情報開示仮処分は通りません。仮処分を発令するかどうかは、東京地方裁判所民事部(知財部)の裁判官が判断しますが、ツイッター社の代理人弁護士は「○○という理由で著作物ではない」と反論して来ます。それに対して「○○という理由で著作物である」と反論できなければ、仮処分は発令されません。

そのため、まず相手に投稿されたコンテンツが自分の著作物であるかどうか確認しなければいけません。

まず、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法2条1項1号)とされています。

そのため「ただの事実」、「データ」、「思想やアイデアそのもの(キャラクター設定等)」、「感情そのもの」、「創作の加わっていない模倣品」、「範囲外の工業製品(自動車のデザイン等)」、「短い表現やありふれた表現(作品のタイトル、流行語、商品名、あいさつ、等)」と言った表現物は著作物とは認められません。

ツイートの場合は自分が描いたイラストや自分で撮影した写真を載せたツイートのスクショならば、確実に著作物と認められるでしょう。その場合は「言語と美術の著作物」となります。

そして文字だけのツイートの場合は「言語の著作物」となります。この場合ですが、140文字ま出しか書けないツイッターの場合、かなり微妙になるレベルです。

例えば、このツイート(136文字)は著作物と認定されます。

情報商材に対する僕の思想と感情がきちんと表現されています。

しかし、このツイート(123文字)は著作物とは認められません。

文字数は問題無いと思いますが、内容が東京と大阪の新型コロナ死者数という「データ」であるため、著作物と認められないのです。

このツイート(3文字)ももちろん認められません。これは「短い表現やありふれた表現」だからです。

僕自身、これまでに数十件のツイートを対象に著作権侵害での発信者情報開示請求を行って来ましたけど、著作物と認められるか否かは「100~110文字」が1つの分岐点に有ると思います。

もちろんただ100文字を超えたら良いという訳では無く、単なる感想やありふれた表現ではない、自分だけのオリジナルなメッセージ性が求められます。

しかし、逆に言えば140文字内でもしっかりと自分の思想と感情を創作的に表現すれば1つのツイートでも著作物と認められるのです。

もちろんツイッター以外でアップした、自分が描いたイラスト、撮影した写真、ブログ記事、小説等をツイッターで無断転載されていた場合は明確な著作権侵害です。

ただ、写真とイラストについては良くある勘違いが有りますのでご注意ください。

それは「自分が発注したイラストや写真であっても、他人が描いたり撮影したものは自分の著作物ではない」という事です。

わかりやすい所で言うと、写真スタジオで自分のプロフィール写真を撮影してもらい、それを購入したとします。それをアイコン画像のためなど、ネットにアップして他人に無断転載されたとします。この場合、著作権者は写真スタジオのカメラマンですので著作権侵害で訴える事はできません。

イラストレーターに発注したイラストについても同様です。

ただ、写真スタジオやイラストレーターと著作権譲渡手続きを取って、写真やイラストの著作権が自分にあると証明できれば著作権侵害を主張できます。

ちなみに僕のツイッターのアイコン画像の著作権も写真スタジオのカメラマンのものです。「譲渡して欲しい。対価なら払う」と交渉したんですけど、ダメでした。

  ③ 違法性阻却事由の不存在の確認

そして最後ですが、「違法性阻却事由の不存在」を確認します。

これは「通常は法律上違法とされる行為について、その違法性を否定する」事情が存在するかどうか、です。

これは例えば誹謗中傷の場合は、「お前は気持ち悪い。死ね」とツイートされても、もしその前に僕がその相手に「お前は気持ち悪い。死ね」と言っていた場合、過失相殺されて違法性が阻却されます。

また政治家の様な公人の場合は、先ほどの「殺人を犯した過去」を暴露されても有権者の投票判断に必要であるため、「公益の範囲」として違法性が阻却されます。

また「バカ」と一度言われた程度だと、「受忍限度の範囲」として違法性が阻却される可能性が高いです。

そして著作権侵害の場合は「無断転載禁止の意思表示」「引用か否か」となります。

まず、自分が作成したイラストや撮影した写真で有っても「どんどん使ってね」などという、「転載OK」の様な意思表示を示していたら著作権侵害とは認定されません。また「削除されたツイートがスクショされてようがどうでも良いわ」などとやはり転載OKの様な意思表示をしていたら著作権侵害とは認定されません。

過去にそういう発信をしていないかどうか、きちんと確認しましょう。

また、引用に該当するかどうかは次の「引用の五要件」を全て満たしている事が条件になります。つまり、この中の1つでも満たしていなければ著作権侵害です。

・主従関係が明確であること(明確性)

・引用部分が他とはっきりと区別されていること(明瞭区別性)

・引用をする必要性があること(必要性)

・出典元が明記されていること(出典)

・改変しないこと

この中でツイートのスクショの場合に満たしていないものは「出典」です。99.99%のツイートのスクショでは、出典元(URL)を明記していません。そのため、ツイートのスクショに対して著作権侵害を主張する場合は、特に「出典の要件を満たしていない」と主張する事になります。

なお、URLを明記した魚拓をツイートされる場合が有ります。この場合に「主従関係が明確でない」などと、出典以外の要件を満たしていないという理由で著作権侵害を主張した事は僕もまだありません。

僕も流石にURLを明記した魚拓は引用の範囲内ではと考えています。

東京地裁に提出する書類の作成方法

さて、それではここから実際に裁判所に提出する書類を作成していきましょう。必要となる書類は以下の通りです。

・仮処分命令申立書

・証拠説明書

・各証拠書類

・「TWITTER,INC.」の資格証明書

・「TWITTER,INC.」の資格証明書訳文

・管轄上申書

となります。この記事では各書類のひな型ファイルが有ります。赤字で記載された箇所が個人情報や事件によって変わる箇所です。ひな型を元に作成される場合は、赤字の部分を自分の情報で埋めて黒字に戻してください。もちろんそれ以外の箇所も必要に応じて修正してください。

  ① 本件投稿記事 (ひな型ファイル有り)

発信者情報仮処分の申立て書類の親玉は「③ 仮処分命令申立書」になるのですが、まず証拠となる本件投稿記事から作成します。そうすると、続く書類を作成するのが楽になります。

本件投稿記事とはその名の通り、著作権侵害されたツイートです。仮処分申請を行うためには、良くネットに出回っている「ツイート画面のスクショ」だけではNGです。

・自分への不法行為が記載されたツイートの画面

・ツイートの投稿日時

・ツイートのURL

の3つの情報が揃っている必要が有ります。これを全てわかる状態で提出しないと、証拠として認められません。一番簡単な方法としては、ブラウザでツイートを開いて画面全体をキャプチャする事です。証拠保全としても非常に素早く確実ですので、僕は絶対にキャプチャ画像を使っています。

ツイートの証拠保全の方法として「ブラウザでツイートを開いてプリントアウトする方法」を推奨しているサイトが有りますが、僕はおススメしません。ブラウザによってはURLが「ヘッダーとフッター」のオプションになっており、チェックを忘れるとURLが印刷されないからです。

また著作権侵害されたツイートが複数に渡る場合、全部を印刷するのは面倒です。ちょっと作業工数は発生しますが、この記事にあるひな型ファイルにツイート情報とキャプチャ画像を整理すると後々のアクセスプロバイダへの訴訟などでも活用できます。

また、本件投稿記事に記載するのは著作権侵害されたツイートだけでは十分です。

誹謗中傷への発信者情報開示では、「裁判官は違法性阻却事由が存在したかどうかを判断するために、ツイート全体の流れが分かる様にと要望します。」と書きましたけど、著作権侵害はツイート単体で違法性が判断できますので流れを説明する事は不要です。なので陳述書も作成しません。

  ② 本件著作物 (ひな型ファイル有り)

証拠となる本件投稿記事を作成したら、次にそのツイートで著作権侵害された著作物を説明する書類「本件著作物」を作成します。

侵害された著作物がどの様なもので、自分が著作権者であるという事を証明するのです。そのために、

・作成日時

・著作権者

・タイトル

・公表日時

・著作物性 (どんな思想と感情を創作的に表現したか)

・著作物の特徴 (文芸、学術、美術、音楽などのいずれの著作物に属するか)

・著作物の画像

をきちんと記載します。

  ③ 仮処分命令申立書 (ひな型ファイル有り)

そして証拠となる本件投稿記事と本件著作物を作成したら、それを元にいよいよ親玉となる仮処分命令申立書を作成しましょう。

ツイッター社に発信者情報開示請求を行う場合、審理の迅速化を目的として仮処分請求となります。そのため民事訴訟の原告・被告ではなく、自分が債権者となりツイッター社が債務者となります。

まず、外国法人であるツイッター社に仮処分請求を起こすための裁判所は東京地方裁判所となります。

外国法人であるツイッター社は日本国内に拠点を有しないため、民事訴訟法10条第2項及び民事訴訟規則6条第2項が適用され「管轄が定まらないとき」に該当します。そしてその場合を管轄する裁判所は東京地方裁判所のみとなります。

そのため北海道に住んでいる人も沖縄に住んでいる人も、双方審尋のために上京して東京地方裁判所に出頭する必要が有ります。その負担もまた発信者情報開示請求を困難にしている大きな課題ですが、現状では従うしか有りません。

東京地裁には民事第29部、第40部、第46部、第47部と4つの知財部署が有ります。どこが担当するかはわかりませんので、申立ての段階では「東京地方裁判所民事部 御中」と記載します。

仮処分命令申立書の作成は、ひな型ファイルに自分の氏名・住所・電話番号を記載し、そして「発信者情報目録」「対象アカウント目録」「投稿記事目録・権利侵害の説明」を本件投稿記事に基づいて埋めて行きましょう。

まず「発信者情報目録」ですが、誹謗中傷ツイートの投稿直前のログインIPとタイムスタンプを取得するために、投稿日時から遡って請求する必要が有ります。しかしツイッター社が保存しているIP情報はログイン時のみなので、「投稿直前とはどこまで遡れば良いか」は一概に判断できません。PCでブラウザを開きっぱなしの場合、1週間以上も遡っても投稿直前のログインIPを取得できない可能性が存在します。

そのためIP情報を請求する日時は、誹謗中傷ツイートの投稿日時から半年遡って請求しましょう。半年まで遡って請求しても問題無い事は、僕の仮処分申立を通じてツイッター社の弁護士に確認が取れています。

また「対象アカウント目録」はツイッターアカウントを記載するのですが、URLに表示されている「@以下のアルファベット・数字」情報だけで十分です。最近はアカウント名に絵文字を使用している人も増えて来ましたので、アカウント名を無理して書こうとするとむしろ混乱を招きます。

そして複数のアカウントを相手に同時に仮処分を請求する事が可能です。全く繋がりの無い複数の著作権侵害でも大丈夫です。相手はツイッター社なんですから、「ツイッター上で起きた不法行為という点」でまとめてしまって大丈夫です。

そして「投稿記事目録・権利侵害の説明」は既に作成した本件投稿記事と本件著作物に基づいて、具体的な著作権侵害を記載します。

  ③ 証拠説明書 (ひな型ファイル有り)

証拠説明書はその名の通り、この発信者情報開示の仮処分で提出する証拠書類の一覧を示すものです。氏名や作成年月日など、赤字箇所を埋めてください。

なお、事件番号は受付されるまでは不明なのでブランクでOKです。

  ④ 証拠・疎甲1号証 「Whois検索結果」

ここから証拠書類の作成です。まずは「twitter.com」がツイッター社(TWITTER,INC.)が運営している事を証明する必要が有ります。そのためにドメイン名登録情報検索サービスを利用して、検索結果を提出します。

方法はWHOIS検索サイト「https://tech-unlimited.com/whois.html」にアクセスし、「twitter.com」と入力してドメイン検索を行います。その結果をプリントアウトします。

なお証拠は証拠説明書に記載した通り、甲1、甲2、、、とナンバリングします。そのためにプリントアウトした「Whois検索結果」の1ページ目の右上に「甲1」と筆記してください。

参考としてサンプルファイルを置いておきますが、このサンプルファイルの日付は「2021/2/8」です。東京地裁に提出するものは自分で検索結果を表示し、プリントアウトしてください。

  ⑤ 証拠・疎甲2号証 「Twitterサービス利用規約」

誹謗中傷への発信者情報開示では「これはなぜ必要なのか僕も実は理解していません。」と書きましたけど、今度は絶対に必要です。

ツイートのスクショが著作権侵害である事を証明するためには、Twitter規約違反である事を示す事が不可欠です。そのためにTwitter規約を疎甲2号証として提出します。③仮処分命令申立書の「権利侵害の説明」でも

Twitter社は規約(甲2)で「ユーザーの二次利用はTwitter社の提供する方法に限って許可する」と明記されており、

とバッチリ登場します。

Twitter規約はツイッターの「Twitterサービス利用規約」を開き、右上の「ダウンロード:Twitterユーザー同意書」を開いてPDFファイルをダウンロードします。

ただカラーで32頁も有るので印刷が大変です。僕は1枚に2頁を圧縮し、さらにモノクロにしたファイルを使用しています。これはサンプルを置いておきますが、規約が変わる可能性が有りますのでやっぱり自分でダウンロードしてプリントアウトしてください。

また、これも1ページ目の右上に「甲2」と筆記してください。

  ⑥ 証拠・疎甲3号証 「本件投稿記事」

これは、「① 本件投稿記事」で作成したファイルの事です。

  ⑦ 証拠・疎甲4号証 「本件著作物」

これは、「② 本件著作物」で作成したファイルの事です。

  ⑧ 資格証明書・資格証明書訳文

資格証明書とは、ツイッター社の本社が有るアメリカにおける登記事項証明書です。この原本と訳文が必要になります。イメージとして画像を貼ってはおきますけど、これを印刷しても却下されます。カリフォルニア州で発行された資格証明書の原本が必要です。そして英語で書かれていますので、日本語に訳した訳文も必要です。

これは個人で取り寄せるのは困難ですので、国内で販売している業者から購入しましょう。「ツイッター 資格証明書」で検索すると販売しているサイトが出て来ます。

なお僕が愛用しているサイトはこちらです。資格証明書と資格証明書訳文のセット1部で5500円です。

CYBERARTS LAWOFFICE

  ⑨ 管轄上申書 (ひな型ファイル有り)

管轄上申書とは、「③ 仮処分命令申立書」で書いた通りツイッター社は外国法人なので日本国内では東京地方裁判所の管轄となります。それを申し立てるための書類です。

東京地裁に書類を提出

以上で、ツイッター社への発信者情報開示仮処分を申請する書類は完成です。完成したら資格証明書・資格証明書訳文以外はプリントアウトします。家にプリンタが無い人は、セブンイレブンのネットプリントサービスなどを活用して印刷しましょう。

ここで東京地裁民事第9部に提出した誹謗中傷への発信者情報開示とは大きな違いが有ります。

東京地裁民事部は審理促進のために、仮処分の場合は裁判所用と裁判官の手控え用と、疎明資料(仮処分命令申立書、証拠説明書、各証拠書類)を2部印刷して提出する必要が有ります。

なお、資格証明書、資格証明書訳文、管轄上申書は疎明資料(申立の内容を客観的に確認することができる資料)には含まれませんので、これは1部でOKです。

そして印刷した全ての「仮処分命令申立書」「証拠説明書」「管轄上申書」の債権者氏名の横に認印を押します。

また「仮処分命令申立書」には2000円の収入印紙を貼る必要が有りますが、これは裁判所に提出する正本だけOKです。裁判官の手控え用の2部目に収入印紙を貼る必要は有りません。収入印紙は郵便局やコンビニで売っています。

さらに複数ページに渡る書類はホッチキスで止めてください。止め方は、左上1箇所ではなく左側面に2箇所です。

別にホッチキスで止めて無くても受理されますが、その後に受付の人が自分で止めるのでちょっと嫌な顔をされます。裁判所の心証を良くするためにも、自分で止めてから行きましょう。なお、「本件投稿記事」や「Twitterサービス利用規約」はページ数が多くなるために、家庭用のホッチキスで止めるのは困難です。これは東京地裁・民事第9部にごっついホッチキスが有りますので、お願いして使わせてもらえば大丈夫です。

  ① 東京地裁・民事第40部に直接持参するか、郵送で提出

申請書類の提出方法ですが、2種類あります。東京地方裁判所民事第40部に直接持参するか、郵送で提出です。

著作権侵害の仮処分請求を起こすための窓口は東京地方裁判所の民事第40部になります。

先述した様に東京地裁には民事第29部、第40部、第46部、第47部と4つの知財部署が有りますが、仮処分の窓口は第40部になります。ちなみに任天堂とコロプラの特許訴訟を担当しているのも民事第40部です。

東京の遠方に住む人は郵送した方が安く済みますが、直接持参した方が書類のチェックや双方審尋の日程調整などがスムーズに済むので有利です。行ける人は直接持参した方が良いと思います。

郵送先は以下の通りです。

〒100-0013

東京都千代田区霞が関1丁目1−4

東京地方裁判所 民事第40部 御中

民事第40部は東京地裁の13階の南側に有ります。民事第9部の様に受付カウンターなどは有りませんので、部屋に入って「仮処分の新件(しんけん)の提出に来ました」と部屋の中の人(書記官)に声を掛けてください。

その後、書記官の方が書類をチェックしますので廊下でしばらく待ちます。そしてもう一度呼ばれたら事件番号と知財担当部署を記載した紙を渡されます。

知財部は債権者面接を必須としていませんので、これで受付けは終了です。

  ② 知財担当部署(29、40、46、47)から電話 (サンプルファイル有り)

そして、1日か2日した後に知財担当部署から電話が掛かって来ます。

内容は書類の記載事項への質問や、記載不備の指摘、双方審尋期日の日程調整等についてです。

記載事項への質問や記載不備などが多い場合は、知財担当部署に出頭して裁判官と債権者面接を行う必要が有ります。僕も知財部との最初の発信者情報開示では債権者面接を行い、多数の記載不備の指摘や修正指示を貰いました。

しかしこのひな形を用いれば、それ程多くの指摘を受ける事は無いでしょう。僕も今のフォーマットにたどり着いてからは債権者面接は行っていません。

そして内容に不備が無くなったら今後の進め方についての指示になります。流れとしては、双方審尋の日程調整についての具体的なやり方、連絡先の弁護士事務所やメールアドレスを口頭で伝えられます。

裁判官が口述で指示する内容を全部メモするのは大変ですので、僕は下記のファイルをプリントアウトし、「今後はこの流れでよろしいでしょうか?差分点が有りましたらご指摘ください」と言っています

僕は何度も行っているので書記官から「いつも通りに進めてください」と言われるだけです。しかし初めて体験する人は一度、きちんと説明を聞いた方が良いと思います。また、債権者面接が無い場合にも担当裁判官と担当書記官の名前はきちんと聞いておきましょう。

  ③ 「訂正申立書」 (ひな型ファイル有り)

書類受付や債権者面接で申請書類に訂正の必要が発生した場合、「訂正申立書」を提出します。これは必要に応じて、ひな型ファイルを用いて申請してください。

双方審尋の日程調整

裁判官と書記官のチェックが終わったら、次は双方審尋です。これは裁判官が債権者とツイッター社の代理人弁護士の両方の意見を聞いて、仮処分を発令すべきか検討する大事なものです。

上手く行けば、1回目の双方審尋の直後に仮処分発令が決定します。ただ、ツイッター社の代理人弁護士が非常に忙しいため、1回目の双方審尋で仮処分が発令されないと2回目は1か月後とかになりプロバイダへの保存期限をオーバーしてしまうのでアウトです。

理不尽かもしれませんが、そうならないためにも申請書類はしっかり作成しましょう。

  ① ツイッター社の代理人に連絡 (サンプルファイル有り)

まず「発信者情報開示請求の流れ」に書いた通り、ツイッター社の代理人を一任されている長島・大野・常松法律事務所にメールを送ります。この時、「疎明資料(仮処分命令申立書、証拠説明書、各証拠書類)」も最初からメールで添付しておきましょう。

メールのサンプルファイルも置いておきます。

件名の先頭には「●●様 vs Twitterの件」と書きます。●●は自分の名字です。最初にメールした時に、向こうから「今後、メール整理のために件名に『宮寺様 vs Twitterの件』と書きます」と言われたので、次からは自分で書く様にしています。

なお、東京地裁・民事部は4つ有るので、電話番号も4つ有ります。担当になった部署の部署番号と電話番号を間違えずに書く様に注意してください。

  ② 「上申書(期日保留)」をFAX (ひな型ファイル有り)

長島・大野・常松法律事務所にメールを送った後は、期日保留の上申書を作成して知財担当部署にFAXします。FAX番号は受付の時に4つの部署全てを記載した用紙を貰えます。

これはひな型ファイルほぼそのままです。

  ③ ツイッター社の代理人から返信メール

そして、その後は長島・大野・常松法律事務所が正式なツイッター社の代理人弁護士を選定し、その代理人弁護士から双方審尋の日程調整メールが届くのをしばらく待ちます。

具体的には代理人弁護士からメールが来るまで1週間程度、そしてその代理人弁護士が指定する双方審尋の期日候補は3週間ほど先です。

「事件が殺到しており順次処理しております関係で、対応にお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。」

「なお、可能な限り早めの日程でご提案させていただいております。」

とメールで書かれていました。理不尽に遅いと思いましたけど、長島・大野・常松法律事務所は日本中から発信者情報開示の仮処分が殺到しているため仕方の無い事です。

この債権者面接から双方審尋までの時間が約1ヶ月ととても長いです。この間にプロバイダのログ保存期限が来てしまうのではとヤキモキするでしょうけど、焦っても仕方ありません。

ちゃんと手順を進めれば、1ヶ月半から2ヶ月でログインIPとタイムスタンプが開示されますので、「まだ1ヶ月残ってる」と焦らずに待ちましょう。

  ④ 「上申書(期日指定)」をFAX (ひな型ファイル有り)

そして代理人弁護士からのメールが来たら、そこには双方審尋の期日候補が複数書かれています。そこから自分も行ける時間を3つほど選んで期日指定の上申書を作成し、知財担当部署にFAXします。

これもひな型ファイルほぼそのままです。

そして翌日には書記官から電話が掛かって来て、「双方審尋の期日が○○に決まりました」と電話が来ます。その時間をメモし、代理人弁護士にメールで連絡します。

なお、もしも代理人弁護士へのメールを忘れた場合、知財担当部署から連絡してくれるなんて事は有りません。そのため双方審尋の当日に代理人弁護士と連絡が付かず、双方審尋が開かれないという事態になってしまいます。代理人弁護士への期日連絡メールは決して忘れずに行いましょう。

  ⑤ 「期日受書」をFAX (ひな型ファイル有り)

そして「確かに期日を承りました」「期日を代理人弁護士にメールしました」という旨の期日受書を作成し、知財担当部署にFAXします。

これもひな型ファイルほぼそのままです。

これで双方審尋の日程調整は完了です。

双方審尋

そして双方審尋の期日は、やはり時間の前に東京地裁の知財担当部署に行きます。民事第9部と違って待合室は有りません。時間前に部署に入ると、受付カウンターに出頭カードが置いて有りますので、自分の事件のものを見つけて自分の名前に○をします。

そして廊下の椅子に座って待っていれば、時間になれば書記官が声を掛けてくれます。

そして面接を行う準備室か会議室に案内され、双方審尋が始まります。ちなみに僕は今までの双方審尋は全て代理人弁護士は電話会議でした。「じゃあ、僕も電話じゃダメなの?」とずっと思っています。

流れとしてはまず、裁判官が代理人弁護士に「反論は有りますか?」と聞きます。

そして代理人弁護士が

「この著作物は、文字数も少なくありふれた内容であり著作物性は認められない。」

「スクショに債権者のアイコン画像とアカウント名が記載されているので、債権者のツイッターアカウントから投稿されたと分かる。そのため、引用の要件を満たしている。」

などと反論して来ます。

「文字数の少なさ」についてはこちらも「いや、確かに文字数は少ないが、十分に私の思想と感情が反映されている」と言うしか有りません。そのため、著作物かどうかの判断は裁判官に委ねるしか有りません。

実際、90文字程度のツイッターでは著作物と認定されなかった事例も有りました。正確なボーダーラインというものは存在しませんが、「100~110文字」が1つの目安になっていると思います。

また「債権者のツイッターアカウントから投稿されたと分かる」については、僕はこれまで全て「この著作物は既に削除していますので、私のツイッターアカウントだけを記載しても出典に辿り着く事ができません」と反論し、開示を勝ち取っています。

「現在も公開中のツイートのスクショで開示が認められるかどうか」、それは僕にもわかりません。

そして双方審尋で代理人弁護士の反論が的確で、裁判官も「著作権侵害ではない」と認めない方向になった場合はその場で覆す事はまず不可能です。

そうならないためにも、しっかりと証拠書類、特に「本件著作物」を記載する事が重要です。

発信者情報開示の仮処分発令

双方審尋の結果、仮処分の発令が決まった場合、それからやらなければいけない事がまだ3つも残っています。でももう少しなので頑張りましょう。

  ① 「無担保上申書」を提出 (ひな型ファイル有り)

まず、通常の仮処分の発令では担保の提出が求められますが、ツイッター社への発信者情報開示仮処分では無担保での発令になります。

そのために「無担保での発令をお願いします」という上申書を提出します。双方審尋の後にFAXで送るのは手間なので、僕はいつも双方審尋の場に持って行って終わった後に手渡しします。

もちろん帰宅後に知財担当部署にFAXで送っても大丈夫です。

これもひな型ファイルほぼそのままです。

  ② 郵便切手(1099円)、目録(3部)を提出 (ひな型ファイル有り)

そして双方審尋の後に、代理人弁護士からツイッター社の委任状が知財担当部署に届けられると仮処分が発令されます。

ただ、この委任状提出でまた数日待たされる場合が有ります。「1ヶ月も待ったのに、まだ委任状準備できてないのかよ」と苛立ちますが、冷静に待ちましょう。東京地裁もログ保存の期限はわかっていますので、余りにも委任状到着が遅れる場合には委任状無しでの発令を行ってくれます。

ただまあ、通常の場合は数日で委任状が代理人弁護士から知財担当部署に届きます。そしたら裁判所からこちらに、

・郵便切手1099円

・目録3部

の提出を求められます。

目録とは「仮処分命令申立書」に記載した「当事者目録・発信者情報目録・対象アカウント目録」に、当事者として代理人弁護士を加えたものになります。

これもひな型ファイルほぼそのままです。

  ③ 「受書」を提出して仮処分決定正本を受け取る (ひな型ファイル有り)

そして仮処分の発令が決定すると、知財担当部署から電話が掛かって来ますので仮処分決定正本を受け取りに行きます。

遠方の方は郵送で送って貰う事も可能ですので、書記官の方に相談してください。

受け取るためには先に「受書」を知財担当部署に提出します。これもひな型ファイルほぼそのままです。

「受書」を提出した後、この様な仮処分決定正本を受領します。お疲れさまでした。

この様に自分で発信者情報開示の仮処分を行った場合、必要な費用は、

収入印紙(2000円)+切手(1099円)+資格証明書(5500円)+印刷代(※4000円)+東京地裁の往復交通費×2(※2000円)

と約1万5000円程度で済みます。印刷代と往復交通費代は資料の枚数やどこに住んでいるかで変わりますが、たとえ往復交通費3万円でも7万円程度で済む事になります。弁護士に依頼した場合の相場は30万円からですので、圧倒的に安く済む人がほとんどだと思います。

とにかく、現在のSNSでは実名アカウントに比較して匿名アカウントは余りにも発信者情報開示の壁に守られており、誹謗中傷がし放題になっています。しかし、手順をきちんと踏めば必ず匿名アカウントにその代償を払わせる事は可能です。

木村花さんの様な悲劇を二度と起こさないためにも、実名顔出しで活動している人はもっと積極的に匿名アカウントを訴えて行きましょう。

アクセスプロバイダへ発信者情報消去禁止の仮処分

なおツイッター社への発信者情報開示の仮処分が発令されると、1週間ほどでツイッター社からログインIPとタイムスタンプをダウンロードできるURLが記載されたメールが届きます。ツイッター社からのメールは迷惑メールに入っている場合が有ります。気を付けましょう。

そしてダウンロード期限は1週間です。さっさとダウンロードしましょう。

こうしてようやく誹謗中傷ツイートをしたアカウントのログインIPとタイムスタンプを入手できました。

次のステップはログインIPに基づいて誹謗中傷を行った発信者が用いていたアクセスプロバイダを特定します。そして特定したアクセスプロバイダに対して、発信者を特定し、その発信者の情報を開示請求訴訟が終わるまでの消去禁止を求める仮処分を起こす事になります。

この発信者情報消去禁止が成功するかどうかが、発信者情報開示が成功するかどうかの最大の難題になります。

これについては以下の記事で解説します。

著作権侵害でアクセスプロバイダへの任意のログ保存要請を自分で行う方法「ひな型ファイル有り」

パテントマスターが行った著作権侵害での発信者情報開示仮処分の実施例

この記事のひな型ファイル通りに著作権侵害での発信者情報開示仮処分を申請すれば、ほぼ確実に通ると思います。ただ「具体的な例が無いと書き方が難しい」と思う方も多いでしょう。そのため次々回以降の「パテントマスターは語りたい」では僕が実際に使用し、仮処分発令に成功した著作権侵害での仮処分命令申立書と疎明資料を公開していきたいと思います。

① 「やのまん」「crazy-g」「ぴーたー」「☆M☆」「まさと」「ななやえくり」「りぴぃ」「暇人」

維新信者8アカウントをまとめて退治した事件の発信者情報開示仮処分(サンプルファイル有り)



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-裁判
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author : 宮寺達也

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