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地方選挙

2021年都議会議員選挙の情勢と展望 ④都議選後の動き

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出典:ANNnewsCH

2021年東京都議会議員選挙の投票がいよいよ目前に迫って来ています。

僕は神奈川県民ながらあらゆる意味で東京都政には深く関わっていますので、本当に我が事として見守っております。そして各種情勢報道も出そろった中、大枠での選挙結果は見えて来ました。

この情勢と展望についてはここまで3回に渡って取り上げて来ました。

2021年都議会議員選挙の情勢と展望 ①自公で過半数は確実

2021年都議会議員選挙の情勢と展望 ②混沌とする2位争い

2021年都議会議員選挙の情勢と展望 ③全選挙区の予想

自民党と公明党による国政与党の過半数獲得は確実な情勢です。そして共産党が躍進して第2党を伺う勢いです。しかし公明党も立憲民主党も都民ファーストの会も粘っており、2位争いは本当に混沌としています。

そして2位争いが混沌としているだけあって、当落線上をさまよっている候補者が多数います。7月4日は深夜まで開票速報に釘付けの日になりそうです。

さて、今回の都議選は単なる地方自治体の議会議員の選挙では有りません。首都東京の今後を左右するのはもちろん、直前に迫った東京オリンピック・パラリンピック開催がどうなるか、小池都知事の新型コロナ対応はどう評価されるか、重大な論点が有ります。

そしてこの都議選のすぐ後、10月にも行われる解散総選挙の行方を左右します。そのため各政党は「解散総選挙の前哨戦」と位置付けて国政選挙レベルの力の入れ具合です。

そんな2021年東京都議選の結果がどう影響していくか、展望を語っていきましょう。

なお、僕に対して「自殺しろ」という人として有り得ない暴言を吐いた上田令子氏(江戸川区)については心から落選を望んでおります。ここら辺の経緯はこちらの記事をどうぞ。

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件についてのご報告

三戸安弥(さんのへあや)江東区議からのパワハラに対する損害賠償請求訴訟の提起について

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件の事実関係(2021年4月30日-5月1日)

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件の事実関係(2021年5月2日)

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件の事実関係(2021年5月3日)

上田令子都議の失言・暴言・差別発言の数々(2018年11月~2021年4月)

東京オリンピックは7月23日に開催される

まず、今回の都議選で各党がバラバラの公約を掲げている東京オリンピック・パラリンピックへの影響です。「②混沌とする2位争い」にも書きましたけど、各政党は「開催」から「中止」まで、実に正反対の公約を掲げています。

自民党 「公約に盛り込まず」

公明党 「公約に盛り込まず」

都民ファーストの会 「無観客での開催」

立憲民主党 「延期または中止」

共産党 「中止」

自民党と公明党の国政与党が「公約に盛り込まず」とは「何もしない=このまま東京オリンピックを予定通りに7月23日に開催する」という事です。

そんな自民党と公明党の国政与党で都議選で過半数獲得という勝利になるのですから、事実上、開催地である東京都民による東京オリンピック・パラリンピックの開催容認という意思表示です。

都議選の投開票が行われる7月4日の時点で、もう東京オリンピックの開会式まで3週間ですけど、世論の中にはどこかで「まだ延期や中止が有るかも」と感じている人も多い状態です。

しかし東京都民が開催を容認した以上、これで延期や中止を外野が求める道理も無くなります。これで東京オリンピック・パラリンピックの中止派は勢いを削がれ、徐々に東京オリンピック開催へとムードが高まっていくでしょう。

なお、もしも東京都民のオリンピック反対への強い意思が存在して、中止や延期を掲げる共産党や立憲民主党が過半数を握ったとしても東京オリンピックは予定通りに7月23日に開催されると思います。

もうそれだけ後戻りできない時期に差し掛かっているのです。後は、日本国民が歓迎ムードでオリンピックを迎えるか、反対ムードでオリンピックを迎えるか、その差でしか有りません。

僕はどうせ開催するんだったら、国民の歓迎ムードの下、選手にはのびのびとプレーして欲しいと思っています。なので都議選の結果で歓迎ムードが高まるのは良い事だと思いますよ。

新型コロナ対応は争点にならない。解散総選挙で自公は過半数を獲得する

今回の都議選で東京オリンピック・パラリンピックと並んで注目されたのは、「国の新型コロナ対応、小池都知事の新型コロナ対応を東京都民がどう評価するか?」でした。

各世論調査では菅政権の新型コロナ対応に厳しい評価が出ており、菅政権の支持率は40%を切るなど低迷の一方です。この菅政権の新型コロナ対応への批判は、当然に国政与党である自民党と公明党に向かう事になります。

そして東京都は大阪と比較すると新型コロナを抑え込んでいるとはいえ、6月30日時点で17万3934人の感染者数、2234人の死者数を出している日本最大の感染地である事も確かです。

この小池都知事の新型コロナ対応への評価は当然に、小池都知事を支える都民ファーストの会への評価にと繋がります。

今回の都議選ではそういう新型コロナ対応を巡っての論戦が繰り広げられると思っていました。

しかし蓋を開けてみると政府や東京都の新型コロナ対応を批判する声はほとんど出ず、争点になりませんでした。もちろん各党ともに新型コロナ対応を「我が党ならこうします」と公約に掲げて演説をしてはいるのですが、どうにも聴衆の興味がそこに向かっていません。

麻生太郎財務相が都議選告示日の6月25日に過労で静養している小池都知事に、

「自分でまいた種でしょうが」

発言して炎上しましたけど、それも1日で鎮火しました。

もしも国民が「今の菅政権の新型コロナ対応じゃダメだ。俺達も殺されてしまう」なんて危機感を持っていれば、まさにダムの決壊の如く、この麻生発言をきっかけに菅政権の新型コロナ対応への批判が連日連夜続いたでしょう。

そうならなかったという事は、国民のどこかで「ある種の慣れ」が生まれてしまっていて、新型コロナに強い危機感を最早持っていないという証です。国民の多くは「秋までにはワクチンが普及して、まあまあ日常に戻るだろう」というゴールを共通のビジョンとして持ちつつ有ります。

そのビジョンは10月の解散総選挙が近づき、ワクチン接種が普及するにつれてさらに共有されていくでしょう。

新型コロナに振り回され続けたこの1年半の安倍政権と菅政権でしたが、衆院議員任期ギリギリでようやく「落ち着いた」世論を得る事ができそうです。

そのため都議選と同様に、解散総選挙でも自民党と公明党の国政与党に大きな批判が集まる事も無く過半数を獲得して勝利するでしょう。

去年の10月、菅政権発足直後で新型コロナも比較的落ち着いていた絶好の解散タイミングを逃した時は「新型コロナ対応への批判の嵐の中で追い込まれ解散か?」という不安もよぎりましたが、どうも結果オーライに終わりそうです。

立憲民主党と共産党の選挙協力は加速する

そして解散総選挙で政権奪取を目指す立憲民主党ですが、共産党との連携を強めつつ有ります。

これには最大の支持母体でもある連合が猛反対しており、立憲民主党の空中分解の危険性も有る大きな賭けでした。もちろん僕も大反対です。かつての民主党にはまだ安全保障や経済でまともな政策を掲げる議員が多数いましたけど、枝野党首が筆頭になって共産党と組む様になれば過激リベラル化が進む一方です。

本当に誤解されがちですけど、自民党が与党であり続けているのは「保守」だからでは有りません。「憲法改正」という改革を唱え続けている改革政党だからです。

日本国民は戦後一貫として「改革政党」を支持し続けています。だからこそ自民党の改革マインドが鈍ったと国民が感じれば1993年の細川政権、2009年の民主党の様な政権交代が起きるのです。

2009年に政権交代した民主党がわずか3年で凋落したのは、「お前ら、改革すると言いながら全然改革しないじゃないか」というその「保守」を見抜かれてしまったからです。そんな状況で「憲法改正」という戦後史最大の改革を全面に掲げる安倍前首相率いる自民党と戦ったので大敗してしまったのです。

共産党と組んで過激リベラルとなった立憲民主党に未来は有りません。いずれ、離党者を続出させて社民党の様な泡沫政党への道を歩んでいくでしょう。

しかし、大変残念な事にこの都議選においては立憲民主党と共産党の選挙協力は大成功しています。

「③全選挙区の予想」に書きましたけど、特に定数3、定数2の選挙区の多くにおいて公明党、都民ファーストの会の支持を上回っています。そして選挙協力できなかった選挙区では共倒れも多数見られます。

こんな状況では都議選後に「立憲民主党と共産党の選挙協力は大成功だった。もっと選挙協力すればもっと勝てた」という総括になるのは確実です。

そして何より、解散総選挙は各選挙区で1人しか当選しない「小選挙区制度」です。どんなに菅政権の支持率が低下していると言っても、依然として自民党の支持率は30%を超えています。それに対して支持率第2位の立憲民主党は6%程度です。これでは単独で戦っても「1位」になれないのは確実です。

これに対抗するにはまず少なくとも野党候補の一本化は不可欠です。

4月25日に行われた国政選挙の3補選ではその一本化が功を奏して、立憲民主党が全勝しました。この野党候補の一本化は次の衆院選でも確実に大きな動きになるはずです。

しかしこれまで、共産党はこの一本化の蚊帳の外でした。「共産主義」というあまりにも非現実的な政策なため、共産党と組むと連合の様な野党の支持母体が離れていくからです。

しかし今回の都議選で共産党との選挙協力の効果をまざまざと見せつけられれば、そういう批判の声も減るでしょう。

来たる解散総選挙では野党は共産党までを含めた選挙協力を強力に推進してくる事は間違いありません。自民党と公明党による過半数を脅かす事は無いでしょうけど、少なくとも2/3を阻止するレベルの勢力になっている事は間違いありません。

「第3極」がぽっかりと空いている。取るのは誰だ?

しかし当たり前ですけど、「流石に共産党と組むのは勘弁だよ」と思う野党支持者は多いでしょう。

僕ももしも立憲民主党の支持者だとしても、共産党と組んだら投票を躊躇いますね。

そんな「自民党には批判的だから野党に投票したいけど、共産党はゴメンだ」という層が日本には1000万人程度は存在するはずです。衆議院の議席で言うと、100議席には相当する数です。

これまでそんな1000万人はいわゆる「第3極ブーム」に乗って、自民党でも野党でもない新たな政党に投票して来ました。今は無くなってしまった「みんなの党」、そして現在の日本維新の会に繋がる「維新の党」、小池都知事ブームに乗って誕生した「希望の党」、そういう第3極政党が現れては消えて行ったのがここ10年の日本の選挙です。

今回の都議選でも、その第3極層を上手く都民ファーストの会がアプローチする事に成功しています。そのおかげで小池都知事ブームが終了した現在でも、2位争いを展開できるほどに勢力を残せているのです。

しかし都民ファーストの会はあくまで東京限定の地域政党に過ぎません。だからこそ、4年前に小池都知事は都民ファーストの会の国政版の希望の党を立ち上げた訳ですけど、「排除します」発言から全てを失ってしまいました。

今、国政政党でその第3極層に位置しているのは日本維新の会ですが、どうにも勢いに欠けます。去年の11月に一丁目一番地の政策であった大阪都構想に失敗し、その勢力は確実に削がれています。大阪ではいまだに存在感は強いですけど、今の都民ファーストの会の様にただの地域政党と化しつつ有ります。現に、今回の都議選でも13人もの候補者を立てましたが1人当選するかどうかがやっとの情勢です。

2019年4月のクロス選圧勝と、7月の音喜多氏の参院選当選時の勢いならば都議選で議案提出が可能な10議席を狙えると言われていましたけど、今はその影も有りません。

日本維新の会は解散総選挙で「100人程度の候補者を擁立し、第2党を目指す」と意気込んでいますけど、とても現実離れしています。

つまり、このまま解散総選挙を迎えれば1000万人は存在する「自民党には批判的だから野党に投票したいけど、共産党はゴメンだ」という人達の投票の行き場が失われてしまうのです。

この1000万票がどうなるかですが、3パターン考えられます。

① 選挙に行かず、どこにも投票しない

② 選挙に行って、嫌々ながら自民党か立憲民主党に投票する

③ 新たに登場した「第3極新党」に投票する

このまま第3極新党が登場しない場合、この1000万票は投票しようがしまいが自民党と立憲民主党で分け合う事になり、獲得議席数には影響を与えないでしょう。

自民党は270議席程度を獲得し、2/3(憲法改正の発議)には届かないけど絶対安定多数を確保して安定した政権運営ができます。立憲民主党は150議席程度を獲得し、野党第1党として現在と同レベルの存在感を発揮します。今と何も変わりありません。

なので期待も込めて、残された時間は少ないですけど4年前の希望の党の様な第3極新党の登場に期待したいですね。

そして第3極新党がどこから現れるかと言ったら、自民党の内部からしか有り得ません。小池都知事が自民党から多数のメンバーを引き抜いて新党を結成するとか、前原誠司議員や長島昭久議員や細野豪志議員の様な旧民主党の良識派が結集して新党を結成するとか、そういう方向を期待します。

もっとも、どう集まってもその第3極の面子は2017年の希望の党と同じになりそうです。逆に言えば、希望の党はそれだけ期待を集める事ができるメンバーを揃えていたんです。

返す返すも、民進党との合流交渉をきちんと丁寧にやっていれば、今頃は政権交代も狙える一大勢力を築いていたでしょう。まあ僕は小池都知事が党首というのはちょっとどうかと思いますので、そこら辺を色々と反省しながら今度こそ「希望」を感じられる第3極新党を立ち上げて欲しいものです。



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author : 宮寺達也

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