パテントマスター・宮寺達也のブログ

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地方選挙

2021年都議会議員選挙の情勢と展望 ②混沌とする2位争い

投稿日:

出典:都民ファーストの会

投票までちょうど1週間になった2021年東京都議会議員選挙は、都民ファーストの会にとっては政党の存亡を懸けた、他の国政政党にとっては解散総選挙の前哨戦になっています。

しかも直後に東京オリンピック・パラリンピックが迫っており、まだ開催の是非について世論がまとまっておらず大きな争点になっています。そのため都民ファースト旋風が巻き起こった2017年の都議選と同等レベルの盛り上がりと緊張感を見せています。

もっとも前回の記事に書いた様に選挙結果の大きな構図は見えています。自民党と公明党の国政与党で過半数を獲得し、良くも悪くも「2016年より前の古い都議会」に戻る事は確実です。

2021年都議会議員選挙の情勢と展望 ①自公で過半数は確実

さて、自民党の第1党復帰は確実な情勢ですが、2位以下はどうなってるのでしょうか?

特に党の存亡を懸けている都民ファーストの会、国政で野党第1党である立憲民主党は何としてでも2位の座を確保し、次に繋げていきたい所です。その鍵を握る小池都知事の動向も踏まえて2位争いについて語っていきましょう。

なお、僕に対して「自殺しろ」という人として有り得ない暴言を吐いた上田令子氏(江戸川区)については心から落選を望んでおります。ここら辺の経緯はこちらの記事をどうぞ。

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件についてのご報告

三戸安弥(さんのへあや)江東区議からのパワハラに対する損害賠償請求訴訟の提起について

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件の事実関係(2021年4月30日-5月1日)

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件の事実関係(2021年5月2日)

上田令子都議とその支援者を刑事告訴した事件の事実関係(2021年5月3日)

上田令子都議の失言・暴言・差別発言の数々(2018年11月~2021年4月)

混沌とする2位以下の支持率

6月第2週に自民党が行った世論調査データによる選挙結果分析はこの通りになっています。

自民 48~55議席

公明 14~23議席

都民ファ 6~19議席

立憲民主 20~26議席

共産 17~23議席

維新 1議席

これに加えて、6月25~27日とつい先日に行われた共同通信の世論調査結果も見てみましょう。

自民 31.8%

公明 14.1%

共産 13.1%

都民ファ 12.1%

立憲民主7.1%

前回の記事に書いた様に、最新の世論調査の結果を見るまでもなく自民党と公明党の議席はかなり読みやすいです。

自民党 48議席+α

公明党 23議席

5月に行われた読売新聞の世論調査では公明党の支持率が7%と伸び悩んでいました。公明党は現有議席である23議席の死守が可能かどうか、ギリギリまで判断に悩んでいた事でしょう。

しかし都議選が近づくにつれて公明党の支持率が回復して来ました。

公明党はこの支持率上昇傾向を見込んでおり、23人全員当選の確信を持って立候補者を送り出しています。

そのため公明党の23議席獲得は確実です。

そして公明党に、都民ファーストの会、立憲民主党、共産党を加えて4政党で2位争いを繰り広げている状況です。その支持率も拮抗しており、本当に混沌としています。

定数5から定数2の30選挙区が勝敗を決める

前回の記事「2021年都議会議員選挙の情勢と展望 ①自公で過半数は確実」に書いた様に、2位争いは混沌としていますけど、6枠までならばどう埋まるかは読みやすいです。

自民① 自民② 公明 都民ファ 立憲 共産

この6人の候補者で6位までは埋まります。

なのでまず定数6である足立区、杉並区の結果は順当に予想できます。

しかし7人目以降が誰になるかは予想が難しいです。維新が入って来るか、、無所属が入って来るか、それとも各政党の2人目、3人目が入って来るか、何とも言えません。しかしその様な大選挙区は

世田谷区(定数8) 大田区(定数7) 練馬区(定数7)

の3選挙区しか存在しません。大勢に影響は与えないでしょう。なお1位は自民党で確定なので7つ有る定数1の選挙区は自民党で決まりです。

なので現状の「2位から6位が誰になるかは全く予想がつかない状況」で結果が読みにくいのは定数5から定数2の残り30の選挙区です。この30選挙区について、立候補者の状況を見てみましょう。

候補者情報(東京都選挙管理委員会)

■定数5

板橋区 自民①・自民②・公明・都民ファ・立憲・共産

江戸川区 自民①・自民②・公明・都民ファ・立憲・共産

八王子市 自民①・自民②・公明・都民ファ①・都民ファ②・立憲・共産

■定数4

品川区 自民①・自民②・公明・都民ファ・立憲・共産

葛飾区 自民①・自民②・公明・都民ファ・立憲・共産

新宿区 自民①・自民②・公明・都民ファ・立憲・共産

江東区 自民①・自民②・公明・都民ファ・立憲・共産

■定数3

北区 自民・公明・都民ファ・共産

目黒区 自民①・自民②・公明・都民ファ・立憲・共産

中野区 自民・公明・都民ファ・立憲

墨田区 自民①・自民②・公明・都民ファ・共産

豊島区 自民・公明・都民ファ・共産

北多摩第一区(東村山市・東大和市・武蔵村山市) 自民・公明・都民ファ・立憲・共産

北多摩第三区(調布市・狛江市) 自民・公明・都民ファ・立憲・共産

■定数2

文京区 自民・都民ファ・共産

渋谷区 自民・都民ファ①・都民ファ②・立憲

台東区 自民・都民ファ①・都民ファ②・立憲

荒川区 自民・公明・都民ファ・共産

港区 自民・都民ファ・立憲・共産

西多摩(福生市・羽村市・あきる野市・西多摩郡) 自民・都民ファ・立憲・共産

立川市 自民・都民ファ・立憲

府中市 自民・共産

小平市 自民・立憲

南多摩(多摩市・稲城市) 自民・都民ファ・立憲・共産

北多摩第二区(国分寺市・国立市) 自民・都民ファ

北多摩第四区(清瀬市・東久留米市) 自民・都民ファ・共産

日野市 自民・都民ファ・共産

2位争いを左右する立憲民主党の共産党の選挙協力

「共産党との連立は絶対に反対」と支持基盤である連合からも非難轟々の立憲民主党と共産党の選挙協力ですが、今回の都議選については上手く行っていると言えるでしょう。

公明・都民ファ・立憲・共産と支持率が団子状態の中で、候補者がバッティングしない事は極めて有利です。「太字」で書いた所が、立憲民主党と共産党が選挙協力して候補者を一本化した所ですけど、定数2と定数3の選挙区で効果的に行われているのがわかります。

定数3の場合は自民・公明が鉄板で残り1議席を、定数2の場合は自民が鉄板で残り1議席を、都民ファ・立憲・共産で争う構図になります。

立憲民主党は支持率7.1%と都民ファーストの会(12.1%)に支持率でリードを許していますが、その都民ファーストの会を上回る共産党(13.1%)票が期待できる状況です。

この立憲民主党と共産党の選挙協力ができている選挙区は、ほぼ鉄板で立憲民主党か共産党のいずれかの政党が都民ファーストを上回って当選するでしょう。

そして都民ファーストの会はその真逆で、一本化に苦戦しているのがわかります。

2017年の都議選では都民ファーストの会が定数2の選挙区を4つも独占など、都民ファースト旋風が吹き荒れました。その結果、現職の都議会議員を多数抱え込んでいる状況になっており、「お前が降りてくれ」という調整ができませんでした。「太字」で書いた所の様に、2人とも立候補している選挙区が多数存在します。

定数5の八王子市では都民ファーストの会のどちらかの候補者が落選し、定数2の渋谷区と台東区では都民ファーストの会の両方の候補者が共倒れになると言う結果が見えます。

という訳で、2位争いから最初に脱落するのは都民ファーストの会だと思います。

もちろん、7月4日の投票日まで大きく世論が変動する不確定要素が残っています。

それが東京オリンピック・パラリンピックの開催の是非です。これについては各政党の主張・公約がまるで正反対です。東京オリンピック・パラリンピックに興味を持つ有権者にとっては大きな判断材料になるでしょう。

オリンピックは争点になるけど結果に影響を与えない

そんな各政党の東京オリンピック・パラリンピックについての公約です。

自民党 「公約に盛り込まず」

公明党 「公約に盛り込まず」

都民ファーストの会 「無観客での開催」

立憲民主党 「延期または中止」

共産党 「中止」

この様に、左派色が強まるにつれて中止の方向にコントラストが出来上がっている状況です。

しかし僕はオリンピックは有権者にとって大きな争点になるけど、結果に影響を与えないと思っています。

それはまず、世論は徐々に「オリンピック開催」に向かっている事です。

第3波による緊急事態宣言が発令されていた1月には86%もの国民がオリンピックの延期または中止を望んでいましたが、直近の世論調査では62%にまで減っています。その分、「今夏に開催」派が34%と最大派閥になりつつ有ります。

この傾向は、7月23日の東京オリンピック・パラリンピック開催が間近に迫って来るにつれてますます高まっていくでしょう。

7月4日の投票日は開会式まで20日を切っています。そんな状況では「今さら延期も中止も無理だろう」という諦観したムードが広がっているはずです。

また新型コロナのワクチン接種が想像を超えるスピードで広がっています。7月4日の投票日にもなれば、65歳以上の高齢者の過半数は1回目の接種を終えているでしょう。

そんなワクチン接種を行った人が次々とオリンピック開催賛成に転んでいくのは確実です。しかもそのワクチン接種が最も普及した65歳以上の高齢者は投票率も極めて高い上、オリンピック開催に好意的です。

世論調査の分析によると、

今夏開催」は50代以下の各世代で30%前後なのに対して、60代で41%と高くなっています。60代には前回1964年東京オリンピックのころ、ものごころついていた人も多く、「世紀の祭典」の記憶の有無が関係しているのかもしれません。

と、ワクチン接種を終えた高齢者の世代はそもそもオリンピック開催に好意的です。

しかし相変わらず国民の過半数が延期を望んでいる状況なのも確実です。7月4日の投票日辺りには「今夏開催」が50%、「延期または中止」が50%とほぼ拮抗していると予想します。

そのためオリンピック開催は大きな争点になりますが、有権者の間で賛否も拮抗しているため獲得票の増減には繋がらないでしょう。

小池都知事は都民ファを応援しない

以上の状況をまとめると、2位争いは混沌としていますが、23議席を固く確保している公明党が2位の座をキープすると思っています。

そして選挙協力に成功した立憲民主党と共産党が20~22議席とほぼ同数で3位を争うと読んでいます。

支持率だけを見れば都民ファーストの会は3位を狙える状況ですが、現職の多さによる候補者の一本化の失敗により、1人負けの状況になると予想しています。

しかし、都民ファーストの会が1人負けから一気に2位に浮上する秘策が有ります。それが特別顧問を務める小池都知事の存在です。

小池都知事は今回の都議選において、都民ファーストの会の候補者に応援メッセージを送ったりと応援はしてはいますが、極めて消極的です。塩対応です。

なんというか、2016年の都知事選で自民党が公認した増田寛也氏にビデオメッセージしか送らなかった安倍首相(当時)の塩対応を思い出します。結局、安倍首相は一度も街頭演説に立ち、増田寛也氏を積極的に応援する事は有りませんでした。その結果の、小池都知事の誕生です。

今回の都議選、小池都知事が2017年の様に都民ファーストの会の代表になり、精力的に街頭演説に立てば都民ファーストの会には相当の追い風になるはずです。

小池都知事は僕が認める程に新型コロナ対応できちんと結果を出しており、都民の支持はいまだに圧倒的です。そんな小池都知事が全面的に選挙の顔になれば注目度は抜群です。連日テレビが小池都知事を取り上げるのは確実で、都民ファーストの会の候補者にとっては強い追い風です。2位争いで1人負けの状況を覆し、踏みとどまる唯一の方法です。

しかし都民ファーストの会の候補者にとっては残念な事に、小池都知事は都議選の応援に立たないと思っています。

それはまず、自公で過半数という結果が見えている事です。

都民ファーストの会をどんなに応援しても2位争いに食い込み、20議席超に留まる程度です。選挙後の都議会与党が自民党と公明党である以上、都民ファーストの会を全面的に応援して自民党と公明党を敵に回すより、「都民ファーストの会を応援しない」という方法で間接的に自民党と公明党に恩を売った方が選挙後の議会運営が楽になるでしょう。

また、何度も取りざたされている国政復帰です。

小池都知事が新型コロナ対応で頑張っている事は認めますが、やはり最終的な狙いは自民党総裁の座、そして日本初の女性総理である事は確実です。

そして都議選後の9月には自民党総裁選と、解散総選挙が待っています。

小池都知事は2017年は希望の党という第3勢力を育て上げる事で自民党総裁を経ずに直接、日本発の女性総理になる事を目指しました。しかし、その野望はもろくも崩れ去ってしまいました。

そして希望の党が消滅して以降、小池都知事が国政政党を立ち上げる様子は有りません。そのため日本発の女性総理になる方法として、自民党に復帰し自民党総裁選に勝利する事を考えているのは間違いありません。

今年9月の自民党総裁選のチャンスを逃すと、次は2024年です。菅首相がかつての安倍首相の様に長期政権を築いている可能性が高いですし、河野太郎氏などの次世代もどんどん総裁選に名乗り出て来るでしょう。

小池都知事は現在、68歳です。2024年を待って70代になってしまう前に、今年の9月の自民党総裁選に勝負を懸けると僕は考えています。そのため自民党とのパイプを復活させるためにも、今回の都議選で小池都知事は都民ファーストの会を見捨てると思います。

2017年に小池都知事を信じて都議に当選した多くの都民ファーストの会の現職都議は恨みも有るかもしれませんが、これもまた政治です。

無理やり解雇されたとかではなく、有権者の正当な審判の結果なのですから、この4年間の実績を堂々と誇って次の道を探して欲しいです。

2005年の郵政選挙で誕生した小泉チルドレンも「次の保証など絶対誰にも言ってない」と小泉元首相に言われました。そして多くの小泉チルドレンは政界を去りましたが、そこから這い上がって今も国会議員を続けている人もいます。本気で東京を変える意思が有るのならば、きっとまた這い上がれるはずです。



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author : 宮寺達也

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