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プロ野球の方が高校野球より真剣勝負で面白い

投稿日:

2013年9月22日 巨人優勝の瞬間(東京ドームにて筆者撮影)

3月31日。いよいよ2017年のプロ野球が開幕した。

私と、私の記事に良く出てくる親友Yは2人ともプロ野球ファン、さらに巨人ファンである。しかも「高校野球よりプロ野球の方が断然面白くて、好きだ」という点でも一致している。

そのため「なんで高校野球はあんなに人気あるんだ?」は、私と親友Yが飲みに行ったら鉄板のトークネタである。3月末に飲んだ時もまたその話になったのだが、そのときの親友Yのコメントが印象的だった。

私「高校野球は負けたら終わりだから、球児はみんな必死やん。そういう真剣勝負が面白いんじゃね?」

親友Y「それは悲しいな。負けたら大会を去るだけの高校球児より、人生を賭けてプレーしているプロ野球選手の方が遥かに真剣だと思うよ


高校野球は視聴率20%を超える超人気コンテンツ

私は数あるプロスポーツの中でもプロ野球が一番好きである。私が高校生の頃はゴールデンタイムで毎日のようにプロ野球(巨人戦)が放送されていたので、原、松井、落合、斎藤雅、槇原、桑田といった名選手のプレーに熱中していた。

しかし視聴率が低下し、ここ10年程はプロ野球の地上波テレビ中継はほとんど無くなってしまった。そんな中でも高校野球(春・夏の甲子園)は全試合を全国で、地上波テレビ中継され安定した視聴率を誇っている。流石にKKコンビで視聴率40%を超えた1980年代のような数字は出ないが、清宮フィーバーで沸いた2015年の夏の甲子園決勝は視聴率20%超えだ。つい先日の4月1日に行われた春のセンバツ決勝は「履正社ー大阪桐蔭」の大阪対決ということで注目を集め、27年ぶりに2ケタ視聴率を記録した。

近年はアメトーークで「高校野球大好き芸人」の特集が何度も組まれたりして、さらに注目度が高まっている。視聴率低下が叫ばれている近年で、平日昼間の放送がメインながらコンスタントに高視聴率を叩き出す高校野球は、数あるスポーツ中継の中でもトップと言って良いだろう。

さらに2017年の夏の甲子園は清宮選手の最後の甲子園ということで盛り上がりそうだ。また来夏、2018年の夏の甲子園は第100回記念大会ということで大会史上最多となる56校が集うことになった。松坂世代がしのぎを削った、1998年の甲子園人気は第80回記念大会のような白熱した大会になるだろう。甲子園人気はしばらく盤石だ。

高校野球を圧倒するプロ野球のレベルの高さ

しかし、私と親友Yは高校野球も好きだが、プロ野球の方がもっと好きである。理由はシンプルに、

「プロ野球の方が圧倒的にレベルが高くて、野球として面白いから」

である。

高校野球好きのブログやSNSを見ていると、「高校野球はプロ野球に遜色ないハイレベルの試合だから面白い」という意見があるが、賛成できない。

2016年のドラフトで指名された高校生は35人であるが、夏の甲子園のレギュラー選手を単純に計算すると441人である。プロ野球は、甲子園出場選手の1割未満の人数しか入ることすらできない狭き門なのだ。

さらに、高卒1年目で活躍できる選手は極めて少ない。投手では稀に松坂のような例外もいるが、打者で1年目は松井秀喜が打率.223、大谷翔平は打率.238である。2016年のセ・パの最低打率(規定打席到達)が.204/.243なので、高校野球の10年に一度の逸材がようやくレギュラーギリギリの成績を残せる程度である。大半の高卒1年目の選手は2軍暮らしである。

プロ野球は高校野球が遥かに及ばないハイレベルの試合が毎日繰り広げられている。私は単純にレベルの高い試合を見れる方が面白い。

ちなみにこれは野球の本場、アメリカでは一般的な考えのようだ。甲子園のゲームを開発している人に聞いた話であるが、甲子園のゲームをアメリカに展開しようと思ったらこう言われたそうだ。

「ハイレベルなメジャーリーガーのプレーが毎日見られるのに、誰がハイスクールのベースボールに熱中するんだい?」

高校野球は真剣勝負で面白いと言われる。だが

次に、高校野球はトーナメントなので負けたら終わり、真剣勝負をしているのが面白い、という意見を目にする。

これは理解できると思った。特に夏の甲子園は3年生にとって負けたら高校最後の試合であり、テレビ画面を通しても真剣な表情が伝わってくる。

9回裏の最後の最後まで諦めず、大逆転劇がよく起こりドラマティックだ。また肩を壊すと言われながらも、エースが真夏の炎天下の中、毎試合100級を超えて連投する姿は心に響く。勝ったチームは喜びを爆発させ校歌を斉唱し、応援席にダッシュする。負けたチームは涙を流しながら、甲子園の土を集めている。

こういった「負けたら終わり」の雰囲気は、確かにプロ野球選手からは伝わりにくい。だが、冒頭にも出たの親友Yの言葉にはっとさせられた。

親友Y「プロ野球選手は、1打席・1投球がもしかしたら人生で最後の野球になるかもしれない。だから全てのプレーに人生を賭けている。高校球児より遥かに真剣にプレーしていると思うよ」

自分が社会人になってわかったことであるが、仕事に真剣に取り組んでいる人ほど、プレッシャーが掛かる場面でもポーカーフェースであり、ミスを表情に出したり、引きずったりしない。そして、体を壊すような長時間残業はせず、体調管理をしっかりとしている。明日も仕事があるからだ。
プロ野球選手は143試合を戦い抜くために、直ぐに次の試合に備えなければいけない。だから試合に勝っても負けても、感情の爆発は程々に次の試合に備える。

また、9回の大逆転劇といったドラマティックな試合が少ない。それは中継ぎ・クローザーが毎試合ブルペンで調整して、真剣に逆転を考えている相手チームの打者をねじ伏せているからだ。

そして、先発投手が200球を超えて投げ続けたり、休養日無しで連投することも無い。シーズンを戦い抜いて優勝するため、プロ野球人生を続けるため、過度な無理をするわけには行かないからだ。(最近は日本シリーズで連投する例もほとんど無くなった)

さらに、2軍から昇格したばかりの選手のプレーは、「ここで結果を出せなかったら、解雇されるかも」との恐怖と戦いながらの、人生を賭けた真剣なプレーだ。だがその多くが凡退し、打ち込まれる。相手も真剣だからだ。

プロ野球はプレーのレベル、真剣度合い、その両方で高校野球を上回る非常に魅力的なものだと、改めて思う。

プロ野球から多くのことを学べる。みんなも見に行こう

そして、プロ野球を見ていると野球の面白さだけではなく、社会人として多くのことを学べる。

私の場合、尊敬する上司であったKさんに良く野球に例えて、問題点を指摘してもらった。

● 私が連日100時間残業で過労死寸前まで頑張っていたとき
Kさん「宮寺君は今、頑張っていると自分で思ってるだろう。だが私は評価しない。今の君には安心して仕事を任せられない。今の宮寺君は野球に例えると、先発投手として4月から飛ばしまくっている状態だ。私は監督としてシーズンの優勝を考えているから、6回で降板させて中継ぎ投手に任せたい。だが、宮寺君は完全試合を狙って降板を拒否している。そして、5月には怪我で離脱するだろう。今の宮寺君の仕事に対する姿勢は、本当にプロと言えるレベルだと思うか?」

● リーダーシップのあり方について
Kさん「リーダーの仕事は、部下の力を100%発揮させ、チーム全体で目標を達成することだ。部下を信用せずにごちゃごちゃ口を出したら、部下の力は半減する。宮寺君の好きな野球に例えると、駄目リーダーは宮寺投手が投げるボール全てに配球を指示し、例えゼロ点に抑えたとしても命令の無視を許さない監督だ。そんな監督、嫌だろ?」

プロ野球選手は全てのプレーに人生を賭けている。だから、素晴らしいプレーはもちろん、負けた後の姿、凡退した姿、降板した姿、全てから学びがある。私と親友Yはそんなプロ野球が大好きだ。

なお、そんな私と親友Yのプロ野球愛は天に通じている気がする。毎年9月に適当に日程を決めて一緒に巨人戦を見にいっているのだが、2013年・2016年と胴上げの瞬間に立ち会えるという幸運に恵まれている。

2016年は残念ながらライバルの広島の優勝であった。だが、その試合で見た黒田の気迫溢れる投球、何球もファールで粘る打席の姿には、圧倒的なプロ意識を感じた。また、優勝が決まった直後に「25年。私は25年待ったんですよ」と泣き崩れているおじさんを見て、大勢の人の心をあそこまで動かすプロ野球の持つ魅力を再認識した。

最近の若い野球ファンは、高校野球のテレビ中継から野球の面白さを知ったという人も多いだろう。そんな人たちは、是非ともプロ野球の試合を見にいって欲しい。高校野球も面白いが、プロ野球はもっと面白い。

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author : 宮寺達也

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