政治

2019参院選振り返り 「スラップ訴訟国会議員、襲来」「れいわとN国」「終わる自民党都連」

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出典:NHK参院選2019

令和初の国政選挙。第25回参議院議員通常選挙が7月21日(日)に投票され、今日の昼前にようやく全ての議席、当選議員が確定した。

「亥年選挙(12年に一度、統一地方選と参院選が行われる年)は荒れる」との評判とは違う当な結果と捉えている人は多いと思う。だが個人的には「?」となる選挙だった。

2019参院選まとめ

・おしどりマコ落選

・自民党は接戦区をことごとく落とし改憲勢力が2/3割込み

・東京選挙区は「こいつだけはあかんやろ」の塩村文夏、音喜多駿がW当選

・れいわが2議席。山本太郎は完全に賭けに勝った。そして山本太郎は衆院選を目指す

・N国が1議席。立花孝志が国会議員になる上、選挙区で2%を達成し政党交付金Get

私は最も重視していたおしどりマコ落選が達成できて安堵しているが、その他は笑えない結果ばかりである。もちろん有権者の判断は尊重するが、「なんだかな」という諦めにも似た感傷を覚えている。

自分自身の訴訟問題もあるし、早期の憲法改正の実質的な消滅、選挙制度ハッカーの台頭、東京がまた混乱する予感など気が重い。

2019参院選の私視点の振り返りと、今後の展開へ思うところを描いてみたい。

第壱話 スラップ訴訟国会議員、襲来

まず私が触れなければいけないのはやはり音喜多駿氏の東京選挙区での当選だ。

はっきり言って当選するとは思っていなかった。山本太郎氏が比例に回って千載一遇のチャンスだったとはいえ、どういう情勢予想を見ても7位だったからだ。終盤情勢予想では確かに競っていたが、当日の出口調査でも7位であり当選はないと思っていた。なので自民党の武見氏までわずかに抜いて5位の当選には正直驚きを隠せない。

なんであの選挙運動で当選できたのか、本当に当選する気があったのかは思う所があるがその分析はまた後にしたい。

ただはっきりしているのは私にスラップ訴訟をして来た人間が無職から国会議員になったという事である。都議会議員・北区長候補者にスラップ訴訟されて必死に戦い、無職になってどうしたものかと思い、参院選候補者になってまた必死に戦った。

それが今からスラップ訴訟国会議員になった訳である。より権力と資金を手に入れ強大な相手になってしまった。

そのためさらなるスラップ訴訟に苦しむ人が増えるかもしれない。だがそんな事は許せない。

だからこそ、今先頭に立って戦っている私が引く訳にはいかない。終盤情勢予想でも書いたが、私は「スラップ訴訟をする国会議員」というこれまで以上の強敵にも全くひるむ事無く戦い続ける事を約束する。

なお「音喜多当選、悔しいだろ」と言いたい人がいっぱいいそうだけど悔しくは無い。相手が公人になるから訴訟にはむしろ有利だ。そして無職を批判するより国会議員を批判する方がブログアクセスも上がるなど個人的には得だろう。

でもそんなのはどうでも良い。そもそも最初から損得で発信していない。私はスラップ訴訟をする国会議員が誕生し、弾圧される人がさらに出るかもしれないのがただただ悲しい。そう、悲しいのだ。

第拾伍話 れいわとN国

そして政界全体の最大の問題がれいわ新選組とNHKから国民を守る党が両方とも国政政党要件を獲得してしまった事である。

これも事前の情勢予想ではれいわ新選組は1議席行くかいかないか、NHKから国民を守る党は議席ゼロであった。両方とも国政政党要件を満たすとは思えなかった。

だが現実には情勢予想を上回る得票を集め、政党要件を獲得してしまった。

両方の政党に共通するのは「マイナー狙い」「選挙制度のハッキング」という点だ。

れいわ新選組は政策として反緊縮を掲げるものので、候補者はその政策を実現するためという感じではない。障碍者、コンビニオーナー、拉致被害者、創価学会員など、何かの「当事者」を集めている。そして同じ当事者から少しずつ得票する作戦だろう。無論、個々が集められる票はわずかであり当選の見込みは無い。

そこにさらに代表である山本太郎氏も当選する気がないという作戦に出た。重度障害者の2名を特定枠の制度を用いて、自身を3位に置いたのだ。

そうして「党首が当選困難」という危機感を煽り、比例代表で2議席を獲得。当然に政党要件にも届き億単位の政党交付金Getである。

山本太郎氏は最初から次の衆院選への鞍替えを狙っていたと思うが、そうならば参院選には出ないのが筋だ。当選する気が無い候補者に得票するというのは完全な死に票であり、有権者への裏切りである。選挙制度のバグを付かれた気分だ。

バグをついたという意味ではNHKから国民を守る党の発想には感服すらした。

N国は選挙区に37名という候補者を立てた。供託金だけで1億1100万円である。N国の候補者は「私は当選しない」と言い切っており、最初は狙いがわからなかった。1億円以上の供託金が募集されるだけの愚挙だと。

しかし狙いは「選挙区での得票率2%」であった。N国はライバル政党が多数の比例では1議席も難しいと思い、選挙区に狙いを定めた。

選挙区の大半を占める1人区では自民党と野党候補の2名しか出馬しておらず、そこにN国の候補が出れば何もしなくても3〜6%の得票が見込める。例えばN国と縁も所縁もない長崎選挙区で3.8%を得票している。どこの選挙区にもポスターも見ずに適当に投票する人はいるものだ。

そうして全国の選挙区に37人の候補を配置し、全部落選した。丸々1億円近いの供託金が没収された。しかしこうやって2%を達成し政党要件を満たした。そしてこれは賭けだったろうが全国比例で代表の立花孝志氏が当選できた。

こうなると政党要件を満たした上、政党交付金を貰える条件も満たしたので国会議員1名で2億円ほどの政党交付金をGetできる。供託金の没収を補って余りある。

国政選挙でこんな形での金儲けができるとは想像もしていなかった。れいわ新選組以上の選挙制度ジャックである。

このれいわ新選組とNHKから国民を守る党は両方とも東京をホームグラウンドにしている。一度は収まった小池フィーバーが形を変えて、れいわ・N国フィーバーとして帰って来る。

都民ファーストの会・希望の党など小池フィーバーには辟易したが、もっと醜悪なものが来襲する予感だ。

これを止められるのは自民党東京都連しかいないが、都知事選、都議選に続く失態を見せた。

第弐拾伍話 終わる自民党都連

東京選挙区の5位、6位は音喜多氏、武見氏、山岸氏の三つ巴のデッドヒートの末、音喜多氏、武見氏になった。6位の武見氏(52万5302票)と7位の山岸氏(49万6347票)の差はわずか2万8955票であり、もうちょっと投票率が高かったり、事前の朝日新聞の塩村不利のアナウンスが無ければ武見氏が落選してもおかしくなかった。

だが、武見氏と同じ自民党の丸川氏は114万3458票と武見氏の2倍以上の得票なのだ。

私が開票速報を見ながら思ったのは「うわっ…自民党都連のチームワーク、無さすぎ…」である。

誰でも思いつくシンプルな話だが、同じ政党なんだから丸川氏の票を武見氏に回せば楽に2人とも当選していた。だがそれを要請された丸川氏は「私も危ない」と票割りを拒否し、むしろさらなる票集めに奔走していたとの報道もある。

これが事実なら自民党都連のガバナンスは崩壊している。

参院選で得票を積み上げる事は大事だが、自民党という政党の公認をもらって出馬している以上、党の目標を優先するのが当然だ。そして自民党の目標は少しでも議席を積み上げ、改憲勢力で2/3維持する事である。

ならば丸川氏は武見氏に票を回して2人とも当選させる事を優先しなければならない。丸川氏個人には様々な事情や思いがあろう。票割りを嫌がったのかもしれない。

だが、そういう時に指導力を発揮するのが東京選挙区を預かる自民党都連の役割ではないか。

現実の結果として、丸川氏の票は全く武見氏に流れずむしろ奪っており武見氏落選の危機を招いた。おまけに選挙期間中に「東京で改憲勢力過半数を確保するため、自民党は維新の音喜多に票を回せ」なんて呼びかけがネットで多数行われていた。

これにどこまで自民党都連が関わっているかはわからない。自民党都連が主導していたならば大問題だが、そうでなくても止めに入るのが遅かった。選挙戦終盤になって思い出したかのように「デマに騙されないで」と自民党都連メンバーが発言し始めたが、手遅れだった。

自民党都連は丸川氏の票割りをできなかったばかりか、音喜多氏への票流れも黙認してしまった。私には「音喜多氏のスラップ訴訟は自由民主党に反する」と言ってくれたのにその音喜多氏の当選をアシストしたばかりか、武見氏を落選寸前に追い込んだ。

事情や言い訳はあろうが選挙の結果なのだ。まずは直視し受け止めて欲しい。

そしてこの参院選でわかった。自民党都連は都知事選・都議選から何も変わっていない。このままでは来年の都知事選で小池都知事の再選を阻止するなんて夢のまた夢だし、再来年の都議選でもれいわ新選組やNHKから国民を守る党に蹂躙されるだろう。

いやその前に衆院選でれいわ新選組やNHKから国民を守る党に蹂躙される。2009年の民主党政権の悪夢再現である。

私は無論、自民党都連に頑張って欲しいと思っている。特に東京は自民党以外に信頼できる政党・政治団体が存在しない。

しかしその自民党都連はガバナンス不全を小池都知事に付かれて崩壊寸前に追い込まれた2016、2017年から何も変わっていなかったようだ。本当に危機感を持って欲しい。次の選挙はもう始まっているんだから。

参照:第25回参議院議員通常選挙 – Wikipedia(2019参院選)おしどりマコ氏落選!「たった1万票で落選」は間違って無かった新世紀エヴァンゲリオン – Wikipedia



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author : 宮寺達也



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