キャリア

理想の上司「ウッチャン」のわかってる感

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出典:書籍「内村光良ぴあ」表紙

毎年、明治安田生命が発表している「新入社員の理想の上司」アンケートであるが、2017年は男性「内村光良」さん、女性「水卜麻美」さんがともに初のNo.1に輝いた。

私は「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」時代からずっとウッチャンの大ファンであるので、素直に嬉しい。

だが、「理想の上司」アンケートと言えば、タモリさん、池上彰さん、イチローさん、天海祐希さんと言ったバラエティ・ドラマ・スポーツで活躍している人が何となく選ばれる、人気投票でしかないと思っていた。

しかし、今年の1位のウッチャンは、サラリーマンを10年以上勤めた私にとっても理想の上司だ。「今年の新入社員はなかなかわかってるじゃないか」と言いたいが、まあ、この結果はあくまで偶然だろう。

学生の頃に感じていた理想の上司像と、実際に働いて感じる理想の上司像は大きく違う。サラリーマンの先輩として、ちょっと解説したい。


いい上司というのは、自分を使ってくれる上司

「新入社員の理想の上司」アンケートの項目を見ると、「実力がある」「指導力がある」「頼もしい」「親しみやすい」「知性的・スマート」「おもしろい」「落ち着きのある」「明るい」「天才(肌)」「優しい」「熱血」「姉御(肌)」となっている。

まあ、確かにテレビで見る格好イイ上司と言えば、プロ野球の栗山監督・緒方監督、金八先生、滝沢先生(スクール☆ウォーズ)、半沢直樹、ドクターXと言った、アンケート項目を満たした人が多い。

ただ非常に残念なことに、新入社員の上司となる人は課長や係長という中間管理職である。(特に大企業の)中間管理職は、プロ野球の監督のように試合結果に責任を持つわけでもなく、熱血教師のように新入社員の成長を願うわけでもなく、日々目の前の業務に忙殺されている年を重ねただけのおじさんだ。

また可能性が低いながらも、半沢直樹やドクターXのようなスペシャルな実力を持った人が上司になってくれればと思うかもしれないが、その考えも甘い。

ドラマの半沢直樹は度重なる危機を「倍返し」で乗り越えてきたが、実際には早々に飛ばされてお終いだ。ドクターXに至ってはフリーランスなので、部下の面倒なんて契約に入っていないので何もしてくれない。「実力がある上司=良い上司」というのは、学生の幻想だ。

では、社会人にとって良い上司とは、どんな人なのか?

答えは簡単で、「自分を使ってくれる上司」である。

元サッカー日本代表の岡田武史氏も「選手にとっての“いい人”“いい監督”というのは「自分を使ってくれる監督」ですから。」(参照:Biz誠)と語っていたが、正に真理である。

サラリーマンをやっていて、上司に何かを期待することはほとんど無い。担当分野に最も詳しい人間は自分であり、新しい技術も、トラブルへの対処も、多部署との相談・根回しも自分でやらなければならない。上司の知恵や行動力に期待し、相談することなどまず無い。上司に求めることは、

・自分の専門を発揮できる仕事に、自分を配置すること

・自分の仕事の邪魔をしないこと

である。

新入社員のみんなは、「上司への報連相が大事だ」と耳にタコができるほど聞かされるだろう。だが、仕事に慣れたら気づいてくる。

「あれ、仕事の結果を上司に報告したけど、いつも「わかった」と言うだけだ。オラ、面倒になって来たぞ」

「あれ、会議の開催を上司に連絡したけど、開催時間になっても来ないぞ。えっ、忘れててた?」

「あれ、仕事のトラブルを上司に相談したけど、解決策を考えろって指示されたぞ。相談する意味無いじゃねーか」

無能な上司に報連相しても、時間の無駄でしか無いことを。

大勢の芸人をブレイクさせてきたウッチャン

(特に大企業の)中間管理職と違い、ウッチャンは芸能界の上司として、これまでに数々の芸人をブレイクさせて来た実績は誰もが知るところだ。

「ウリナリ」でポケットビスケッツを、「気分は上々」でさまぁ〜ず・くりぃむしちゅーを改名させ、「笑う犬」でネプチューンを、「爆笑レッドシアター」「内村プロデュース」では数々の芸人をプロデュースし、チャンスを提供し、ブレイクさせて来た。

まさに、「部下の実力が発揮できる仕事を、部下に与える」理想的な上司だ。

また、ウッチャンは後輩の芸人がブレイクした後に派閥を作って、一緒に仕事をするメンバーを固定したりもしない。現在、ウッチャンは数々の番組で司会をしているが、様々な芸能事務所のメンバーと分け隔てなく共演している。その司会ぶりも自分がグイグイ前に出るスタイルではなく、後輩芸人に大いにネタやトークを披露させ、決して邪魔したりしない。

まさに、「部下の仕事の邪魔をしない」理想の上司だ。

なお、「理想の上司」アンケートでウッチャン(と水卜麻美アナウンサー)が選ばれた理由は、

2人を選んだ理由としては、共通して「親しみやすい」「優しい」を挙げた人が多かった。明治安田生命は「若い世代は仕事と私生活のバランスを大事にする傾向があり、2人はそうした価値観を理解してくれそうな雰囲気を持っているのではないか」と分析したとのことだ(参照:毎日新聞)。

ウッチャンを評する言葉として「親しみやすい」「優しい」は正しいと思うが、実際の上司に「親しみやすい」「優しい」を求めるのは危険だ。以前にも書いたが、無能な「いいひと」は逆境でヒステリーを起こすので、注意が必要だ。

これからの上司に求められるスキルは、ウッチャンのように部下の良いところを見抜き、伸び伸びと仕事をさせてあげることだ。

それをきちんと評価するためにも、「理想の上司」アンケートの項目に「部下をブレイクさせた」「部下の仕事を邪魔しない」を追加した方が良いと思う。

番外編:好きなキャラだけど、部下になるのは嫌だ。

これまで「理想の上司」を語って来たが、番外編として、「好きなんだけど、部下になるのは嫌だ」と言うキャラクターを紹介したい。アニメ。ドラマに熱狂し、憧れたりはしたが、冷静に考えるとこの人の部下になるのは非常に恐ろしい。

● 孫悟空

完全体セルとの戦いで、息子の悟飯に全く相談しないまま「いいぞ、セル…悟飯をもっと痛めつけろ」と、悟飯が怒りで超パワーに覚醒することを期待した孫悟空。

実際に会社にいたら、「お前の潜在能力を解放しろ」と、とんでもない営業ノルマを課してくるに違いない。

● 半沢直樹

伊勢島ホテルの経営再建を金融庁検査局(黒崎)と議論していたとき、東京中央銀行に不利になる疎開資料を勝手に自宅に持ち帰った上、部下に倉庫に隠すよう指示している。

完全な証拠隠滅罪であり、一緒に逮捕されてしまう。

● 葛城ミサト(エヴァンゲリオン)

第1話では「起動確率は0.000000001%」の初号機に中学生の碇シンジを搭乗させ、第12話では赤木リツコに「勝算は0.00001%」と指摘されても作戦を強行。部下の提案、データ、確率を無視して、「女の勘」で全てを跳ね返す。もし現実にいたら・・・

なお新劇場版:Qでは遂に、赤木リツコ副長の「現状での勝算はゼロです。」との指摘に、「だからこそ、現状を変えて後顧の憂いを断つ。副長、飛ぶわよ」と作戦を強行。でもやっぱり、そこにシビれる!あこがれるゥ!


※この記事は、2017年02月10日にアゴラに投稿・掲載された記事を再掲したものになります。

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author : 宮寺達也

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