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田園都市線をどげんかせんといかん

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出典:Wikipedia(東急田園都市線)

東急電鉄の田園都市線でトラブルが相次いでいる。1月19日には溝の口駅で「降りま~す」 と言いながら出口付近にタックルした乗客が発生し、乗客同士で喧嘩になってしまい、30分以上の遅れが発生した(出典:産経ニュース)。翌日の1月20日にも溝の口駅と鷺沼駅でトラブルが発生し、最大約20分の遅延が発生したとのことだ。

さらに民進党の藤末健三参院議員がツイッターに「30分以上遅れたら無料にすべきだと思います」という馬鹿丸出しの発言をしたことも加わり、田園都市線の問題について様々な意見が飛び交っている。

実は私も、メーカー勤務時代に4ヶ月ほど田園都市線で通勤した経験があるため、田園都市線の問題は他人事とは思えない。そこで現在の田園都市線が抱える問題の整理と、改善案を考えていきたい。


田園都市線の混雑は日本一ィィィィーーーーッ!

田園都市線は渋谷駅から神奈川県大和市の中央林間駅までを結ぶ東京急行電鉄の鉄道路線である。その牧歌的な名称に似合わず、朝ラッシュ時の混雑は東京圏のJR・大手私鉄のなかでも最高クラスだ。

ラッシュ時の混雑率で見ると、2011〜2015年の田園都市線は180%強であり、200%を超える東海道線や横須賀線、南武線、小田急線よりマシに見える。しかし、ラッシュ時の田園都市線は1時間29本というとんでもない運転本数であり、8万人近くの乗客を運送するこれ以上ない過密ダイヤになっている。そのため通常は中央林間−渋谷間で25分(急行)であるが、ラッシュ時は過密すぎるダイヤによりどうしてもノロノロ運転になってしまい、急行を利用しても50分以上かかってしまう(出典:Wikipedia 東急田園都市線)。

ラッシュ時の混雑率は比較的マシに見えるが、運転本数と輸送人数は他の路線を上回っており、そして「混雑車両に拘束される時間」も長く、田園都市線は日本一の混雑路線と言って良い。そのストレスは経験したもので無いとわからない。

かくいう私は、メーカー勤務時代の1年目、2005年の4月から8月まで社員寮があった市が尾駅から二子玉川駅まで田園都市線を利用していた。研修のときなどは、渋谷駅まで行くこともあった。

あのときの体験は今でもトラウマである。四方どこを向いても人・人・人であり、体重を押し付けられる。全方向から体重が掛かっているので逃げ場は無く、カバンは押しつぶされ、ただ息が苦しくなる。次の駅に着けば「そんな人数入るわけないだろ」という数の乗客がホームに立っているが、何のマジックか、気がついたら電車内に収容されている。それが二子玉川駅に着くまで10回、延々と繰り返される。普通は次の駅に着くと目的地が近づいたと喜ぶものであるが、田園都市線では「また人が増えるのか」と憂鬱な気持ちになった。こうやって、20分以上身動き一つ取れずにただひたすら圧迫に耐えるという、拷問としか表現しようの無い体験であった。

そして田園都市線を利用する人はまだまだ増えているらしい。人口減に転じた日本であるが、田園都市線沿いでは長津田の新築マンション、鷺沼やたまプラーザの再開発等により、2025年頃まではなお人口増加を続けるようだ。そのため田園都市線の混雑はますます悪化し、トラブルは今後も多発するだろう。

最近の田園都市線のトラブルでは、乗客のマナーの悪さが問題視されている。私もタックルするなど暴力行為は論外だと思うが、田園都市線のラッシュに揉まれたストレスが半端ないことには、若干の同情の余地はあると思っている。批判している人も、乗客をただ批判するだけでなく、ストレスをどうやったら軽減できるか一緒に考えて欲しいと思う。

「遅延したら無料にすべき」は論外

さて、ではどうしたら田園都市線の混雑が解消され、トラブルが減るか。

まず民進党の藤末健三参院議員がツイッターに呟いた「30分以上遅れたら無料にすべきだと思います」が論外であることは言うまでも無い。

それは、107名もの乗客・運転士の命が失われた2005年4月25日のJR福知山線脱線事故で十分に学んだことである。JR福知山線は、阪急電鉄の宝塚本線・神戸本線・伊丹線と競合しており、田園都市線には及ばないものの過密ダイヤになっており、ちょっとしたトラブルによりダイヤ遅延は常態化していた。このダイヤ遅延に対して、運転士に「遅延したら日勤教育(懲罰)だぞ」とプレッシャーを掛けた結果の事故であった。

私は学生時代を大阪で過ごしていたため、JR福知山線は何度も利用していた。そのため、JR福知山線脱線事故を聞いたときは、「もしかしたら自分が犠牲者になっていたかもしれない」と震えが止まらなかった。そのとき、ちょうど田園都市線のラッシュに苦しんでいたため、この事故を受けて田園都市線に「急がなくて良いです、安全に運転してください」と思うようになり、ほんの少しストレスが軽減した。

なお、その後大阪に戻りJR福知山線に再び乗る機会が有ったが、事故現場を通るときにはこれ以上無いくらい減速しながらカーブを曲がっていたのが印象的で有った。

官・民一体になって、できることから始めよう

では、どんな対策を打てば、田園都市線の混雑を解消できるか?

まず、劇的に改善されるような即効策は難しいだろう。田園都市線の混雑は東急電鉄も十二分に把握しており、様々な対策を打っている。「田園都市線 早起き応援キャンペーン」を実施し、朝ラッシュ前の早朝に電車を利用した乗客に割引特典を提供している。また、大井町線を延伸して二子玉川駅 −溝の口駅間を複々線化した。

だが、増え続ける沿線の人口には対応できておらず、混雑率は2011年の181%を底に、徐々に増えている。運転本数も2004年に29本に達して以降、それ以上増やすことができていない。

したがって、田園都市線の混雑を解消するためには、東急電鉄の努力に期待するだけでなく、官・民一体になった通勤ピークを減らす策が必要だ。そのための私の案を幾つか提示したい。

・田園都市線以外の、迂回ルートを利用したら通勤手当を上乗せ
(遠回りになり時間は掛かるが、ラッシュを回避することでストレス軽減になり、パフォーマンスがUP)

・自転車・徒歩通勤に手当を上乗せ
(数駅しか乗らない人は自力での通勤を推奨する。健康増進にもなる)

・フレックスタイム制の拡充
(朝ラッシュのピーク時間をずらすことを推奨する。実際、9時台の田園都市線は空いている)

・在宅ワークの拡充
(田園都市線に乗って通勤するくらいなら、家で仕事すれば良いじゃない)

・上記施策に対する、減税・補助金といった自治体のサポート
(田園都市線沿いは住みやすいと評判が上がれば、自治体にもプラス)

以上が、私が考える田園都市線の混雑を解消するアイデアだ。別に目新しいものでも抜群に画期的なアイデアでも無い。だが、こういったすぐにでもできそうな施策を怠っている現状が、田園都市線の混雑とトラブルではないだろうか

なお、私は2005年8月に大阪の事業所に転勤となった以降、田園都市線のトラウマが忘れられず、決して電車通勤をすることの無いように生きている。アパートは会社の近く、徒歩か自転車で通勤できる場所に借りるようにしている。個人が簡単にできる混雑対策として、会社の近くに住むは本当にオススメだ。春に新生活を迎える学生・社会人は是非とも参考にして欲しい。


※この記事は、2017年01月25日にアゴラに投稿・掲載された記事を再掲したものになります。

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author : 宮寺達也

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