社会・一般

最も重要なのは幅広い国民の支持。女系天皇の議論は10年はまとまらない

投稿日:

出典:NHKスペシャル「日本人と天皇」 

無事に5月1日、令和元年の初日を迎える事が出来た。徳仁さまが天皇陛下になられ、明仁さまが上皇陛下になられた。

特に徳仁さまは物心ついた時から「皇太子」であったので、いよいよ天皇陛下かと思うと私も万感の思いである。またあのロイヤルウエディングをリアルタイムで観ていた1人として、雅子さまが皇后になられた事も本当に感慨深い。

しかし、徳仁さまが天皇陛下になられた事で皇太子さまがいなくなってしまった。知らない人が多い気がするが、秋篠宮さまは皇太子では無い。秋篠宮さまの現在の敬称は「皇嗣」である。皇嗣とは皇位継承順位が第1位の皇族であり、皇太子は天皇陛下の皇子である。秋篠宮さまは天皇陛下の皇子では無いので、今は皇太子さまが空位の状況なのだ。

そんな状況になった事で、早速今後の皇位継承についての議論が盛んになっている。

4月30日に放送されたNHKスペシャル「日本人と天皇」では、「皇位継承者は秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの男性皇族3名となります」と、現在の皇室の存続について危機的な状況を放送し、話題になった。

私自身、皇位継承問題について思う事はある。

ただそれ以上に、この問題は今後10年経っても議論がまとまらない気がしている。まさに国論を二分する大問題だから早々に結論は出せないが、時間が経てば経つほどどんどん状況が悪くなっていく。。。

最も重要なのは国民の支持。「全ての国民に愛される天皇」の歴史は短い

皇位継承をどうすべきかについて絶対に外せない条件がある。それが、

「(ほとんど)全ての国民に愛される天皇陛下」

である事だ。

日本の天皇は神話の時代から126代も続く、世界にも例を見ない君主制である。もちろん神話の時代の話までを鵜呑みにする訳では無いが、想像もつかない歴史の重みを感じる。全ての国民に愛されているとの表現も言い過ぎでは無いと思う。

しかしこれだけ国民に愛されている今の天皇家があるのは単に歴史が長いだけでは無い。マスメディアが普及した明治以降、特にテレビがスタートした昭和の戦後以降に昭和天皇と上皇陛下が果たされた国民に寄り添う努力によるものだ。

江戸時代から皇室は庶民に知られ人気があったと言う事だが、それは皇室の神秘性があった故と思っている。お言葉だけでなく、お姿や様々な行動がテレビを通じて一般庶民に知られるようになったのは本当に100年にも満たない浅い歴史である。

戦後には天皇の人間宣言がなされ、立場も象徴となった。週刊誌によるフェイクニュースやバッシングなども度々あった。言わば、皇室は芸能人に近い存在になってしまったのである。それでもなお圧倒的な尊敬と人気を維持しているのは素晴らしいと思うし、日本国民として誇りである。

だがそれは決してオートマチックではない。皇室関係者のたゆまぬ努力はもちろん、昭和天皇と上皇陛下、天皇陛下という素晴らしい皇位継承が行われて来たからこそだ。

情報化が進み、合理化が叫ばれる現代社会で天皇制度を維持していくのに不可欠なのがこの国民人気だ。皇位継承制度の改正に際して最も心配なのが、この国民人気を失ってしまう事態である。

個人の意見としては可能な限り男系天皇を維持して欲しい。だが極めて難しい道

国民人気を維持するためには「誰もが納得する人物が天皇陛下になられる」事である。

今の天皇陛下が即位なされる事に納得できないという人はいまい。上皇陛下の長男であり、126代続いた男系天皇という歴史に沿っており文句の入る余地など無い。

なので私は令和の次の時代の天皇陛下も「誰もが納得する人物」であって欲しいと思う。だからこのまま男系天皇の血を引く人物が即位なされるのが最も良いと思っている。

歴史の重み、伝統、国民の理解、全てを考慮して男系天皇を維持する事が現代の天皇制度に不可欠な「全ての国民に愛される」事に繋がると思う。

だが、それが極めて困難な道である事は理解している。

もはや男系天皇を維持するには悠仁さま1人に期待するしかない。ご結婚いただき、男子のお子様を作っていただく以外に無いのだ。もしも男子がお生まれにならなかったらそこで天皇家の歴史は終わりである。

「旧宮家を復活すれば良い」との意見は何度も聞いたが、現実的で無いと思っている。某竹田氏を見ればわかるが、世俗にまみれた人間が「全ての国民に愛される」天皇になれるとはとても思えない。少なくとも私が愛せない。

強いて可能性を感じるのは、側室を復活させるという事と旧宮家の男系男子を養子として迎えるというやり方である。

側室の復活は時代にそぐわないという意見があるが、LGBTなど性について多様性を認める風潮が進んでいる現在だからこそ、一周回って側室制度が理解されると思っている。

旧宮家の男系男子を養子として迎える事は人権無視という意見があるが、もともと天皇制度は人権の外にある制度だ。旧宮家で養子に出す事を良しとする家があるなら、国民の理解が得られると思っている。

女系天皇の心配はDNAや伝統より国民の支持が得られない人間が皇室に入る事

しかし実際には「女性天皇(女系天皇)を認めるかどうか」という論点に絞った形で皇位継承制度の議論が進んでいくだろう。

共同通信のアンケートの結果でも「女性天皇を認めることに賛成は79.6%」である。「即位された天皇陛下に親しみを感じるが82.5%」なので、天皇陛下を支持される人々はほぼ女性天皇を支持している。

なおこれには「女性天皇と女系天皇の違いを理解していない」という意見が多い。過去にも存在した女性天皇は「男系天皇の子どもである、男系の女性天皇」だ。愛子さまが即位されても男系の女性天皇である。

女系天皇とは女性とは限らない。父方が天皇で無い子どもが即位するのが女系天皇であり、例えば愛子さまが天皇陛下になられた次に愛子さまの長男が天皇陛下になられたら「(男子の)女系天皇」である。

基本的に皆が反対しているのはこの「女系天皇」である。女性だから反対しているのではない。男系天皇として脈々と受け継がれて来たDNA、伝統が失われるからだ。

ただ私が女系天皇に反対なのはDNAとか伝統とかの理由ではない。個人的には天皇陛下が途絶えるくらいだったら女系天皇であっても天皇制度を維持して欲しいと思っている。

だが、女系天皇になると「全ての国民から愛されない」状態になると危惧している。だから反対なのだ。

その理由は「女性天皇は尊敬できない」なんて男尊女卑から来るものでは無い。必ず誕生する「皇婿殿下」の存在である。

女系天皇が制度化されれば女性宮家が創設され、愛子さまや眞子さまや佳子さまの夫が皇室に入る事になる。要するに、小室圭くんが皇室に入る事になるのだ。

私は小室圭くんの借金問題は全く法的に問題無いと思うし、眞子さまが皇室を出られるのならばお2人の意思だけで結婚すれば良いと思っている。だが、彼が皇室に入り将来皇婿殿下になって「無条件に尊敬しろ」と言われたら強い抵抗感を感じる。

同じ民間人出身の美智子さま、雅子さま、紀子さまは無条件に尊敬する事が出来たのだが、あんな感じの男性が皇室に入ると思うとなんとも言葉に出来ない抵抗感を感じる。

うまく言語化はできないが、やはり伝統的な家の結婚とは男性が家長になり主導するものというイメージがあるからか。民間の男性が皇室に入ると、民間人に皇室を乗っ取られたような感覚に陥る。

そしてこれは決して私だけの気持ちでは無いと思う。

小室圭くんが皇室に入って一般参賀などに出られた時、強い拒否感を表す人々が圧倒的多数に上るのではないか。

「女系天皇に反対する会」などの躍進で改憲勢力が2/3を失う事を恐れたら議論は止まる

私は男尊女卑とか伝統とかDNAとかそういう問題は基本的にどうでもよく、ただただ「全ての国民に愛される」天皇陛下でなければ天皇制度が持たないと思っているので、出来る限り男系天皇を維持する努力をして欲しい。

しかし現実には「女性天皇(女系天皇)を認めるかどうか」で議論は進む。そして2005年に破綻したように世論の反発に遭い、決してまとまらないと思う。

皆が喫緊の課題だとわかっていても、政治家は選挙に不利になれば議論を撤回するだろう。

一見、「女性天皇に賛成する人が多数派だから選挙に有利では」と思う人も多いだろうが、多くは無党派層と思う。与党である自民党の支持基盤では反対の人が多く、その上抵抗運動も盛り上がるだろう。

2005年のネットの反対運動の盛り上がりは今でも覚えている。あれからSNSも発達した現在、あの時の比では無いだろう。

女系天皇の議論につけ込んで「NHKから国民を守る会」よろしく「女系天皇に反対する会」的な政党が誕生し、しかもそれなりに議席を奪っていくかもしれない。

女系天皇自体の批判票はそれほど多くなくても、改憲勢力を2/3割れするだけの勢力であれば十分に牽制にある。そしてその可能性は高い。

安倍政権は衆参両院で圧倒的多数であるが、悲願の憲法改正を考えると余剰勢力はわずかだ。また安倍総理の支持者ほど、女系天皇に反対の濃度が高まる。事実、第1次安倍政権が小泉政権から引き継いだ女系天皇の議論を棚上げしたからこそあれから14年も動きが止まったままなのだ。

だから女系天皇の議論を進めれば改憲勢力は衆参両院の2/3を失う恐れがある。だから少なくとも2022年までの後3年は結論を出さないだろう。もし安倍総理が自民党総裁に4選すれば後6年。安倍総理が退陣しても改憲の流れを引き継ぐ総理であれば、悠仁さまが大学を卒業生されるまでの10年ほどは結論を先延ばしにするのではないか。

しかし一刻も早く結論を出さないと愛子さま、眞子さま、佳子さまがご結婚なされて皇室を離れてしまうかもしれない。そうなると本当に皇室消滅の危機である。

私が希望する結論にはならない事を思いつつも、やはり早急に皇位継承の議論を国会で加速させて欲しい。時間はもう残っていないどころか、マイナスだという危機感だけは確かなのだ。

参照:天皇 – Wikipedia天皇陛下に「親しみ」82% 女性継承賛成79%、共同通信古川元官房副長官 皇位の安定継承「現実直視、検討進めよ」 



   ● オススメ商品
                     
 
   

-社会・一般

author : 宮寺達也



関連記事

悲惨な交通事故死を減らす秘策は自動運転ではない

出典:twitter 今年の4月以降、悲惨な交通事故死のニュースが相次いでいる。 4月19日の池袋の暴走死傷事故、5月8日の大津市の園児死傷事故、そしてつい先日の6月4日に起こった福岡の逆走事故である …

no image

246

Share Tweet

カタルーニャ州独立運動で感じた。いつか世界は一つになると思っていたが、逆かもしれない

出典:Wikipedia スペイン スペインのカタルーニャ州の独立運動が佳境を迎えている。 カタルーニャ州とはスペイン北東部の自治州であり、州都はバルセロナである。バルセロナは闘牛、オリンピック、サッ …

おはよう令和。がんばろう令和

今日は令和元年5月1日。 昭和天皇の崩御に伴い深い悲しみの中で始まった平成と異なり、上皇陛下の国民を思う気持ちから生前退位という穏やかな形で始めることが出来た令和。 上皇陛下は昨日の退位の儀で 今日を …

さよなら平成。ありがとう平成

今日は平成31年4月30日。 いよいよ30年に渡って続いてきた平成の時代が終わる。 平成が始まったのは1989年1月8日。その時の僕は小学校2年生の冬休みが明けたばっかりで、まだ元号とか天皇陛下とかよ …

           

● サイト内検索



● アクセスランキング(週間)



● オススメ記事


● オススメ商品




● カレンダー
2019年11月
« 9月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930