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日本のサラリーマンはSMAPと飯島マネージャーを目指せ

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出典:CD「Moment」ジャケット

12月31日、SMAPが解散する。同時に、1月13日の解散危機報道からスマスマ最終回まで、SMAP一色だった2016年が終わる。

SMAP解散騒動では、アゴラでも池田信夫氏が「日本のサラリーマンはSMAPである」と寄稿され、SMAPが日本のサラリーマンと同様の「タコ部屋システム」に敗北したことを解説されていた。

私もSMAPの人気・実績をもっても乗り越えられない日本の芸能界の古い体質には失望したが、それ以上にSMAPと飯島マネージャーの絆が印象に残った。

今の日本のサラリーマンで、飯島マネージャーのように「このひとが会社を辞めるなら、俺もついていこう」と思える存在に出会えている人がどれだけいるだろう?


日本のマネージャーはマネジメントをしない

SMAPの元マネージャーである飯島三智氏の実績は、日本の芸能史に刻まれるものだ。私が小さいころの男性アイドルは光GENJI・忍者のように一時は熱狂的なブームを獲得するが、数年で人気が衰えるのが定番だった。飯島氏のマネジメントはSMAPメンバーにバラエティ・ドラマ・ライブ・ソロ活動と多方面の活躍の場を提供し、メンバーの個性を引き出していった。SMAPという一つのグループを、20年以上国民的アイドルとしての地位を保ち続けた手腕は他に類を見ない。

ひるがえって同じ“マネージャー”でも、日本企業で働く、その他大勢の管理職はどうだろう?

一日中ソリティアをしているだけの無害なマネージャーならまだマシで、「計画を作れ」「ミスが無いことを証明しろ」「残業せずに早く帰れ」「上に説明しなければいけないから、わかりやすく説明しろ」と、上から言われたことを右から左に受け流すだけで、現場の足を引っ張る邪魔な存在がほとんどだ。

マネジメントとは、「様々な資源・資産・リスクを管理し、効果を最大化する手法」である。だが、日本のマネージャーは、メンバーに最適な業務の斡旋や業務量の調整も行わず、余計な仕事を増やして現場の力を最小化することに日々精を出しており、マネジメントとはとても呼べない。「ジャマジメント」とでも呼ぶべきだ。そのため、「仕事の邪魔だから、口出さないでください」と言われ、「相談したら余計な仕事を増やされ、面倒だな」と思われている。彼らは何の対価で給料を受け取っているのだろうか。

また、日本のマネージャーが「相談したら面倒だ」と思われていることは、数々の不祥事や損失の隠蔽に繋がっている。東芝の社長が原子力事業の巨額損失を知ったのが「記者会見の2週間前」というのが良い例だ。

不祥事や損失の隠蔽は、現場社員の「バレなければ大丈夫」という悪意からではなく、「マネージャーに相談したらもっと悪いことになる」という善意から発生している。これは日本のマネージャーが「年功序列で昇進しただけで、マネジメントをできない無能」という大元を改革しない限り、解決しないだろう。

素晴らしいマネジメントができる社員は昇進できない

もっとも、日本の企業にも素晴らしいマネジメントを出来る社員はたくさんいる。その人たちは、主に「チームリーダー」「係長」と言った、現場を直接指揮するポジションで頑張っている非管理職だ。

私にも、新人時代からお世話になっており、心から尊敬している上司Kさん(係長)がいた。私は恥ずかしながらメーカーに勤務するまで、プログラムが全く苦手であった。「a=a+1」がなぜ成立するのか、全く理解できなかった。しかし、Kさんは私のプログラムの潜在能力に期待し、Excelマクロでの簡単なデータ処理から始め、小規模なマイコンプログラム、FPGAのRTL設計と、プログラムの仕事に挑戦させ、私は徐々に力を発揮していった。いつのまにか、私は自力で基本情報技術者試験に合格し、HDL設計の第一人者として活躍している。

私はKさんのおかげで、自分でも気づかなかった潜在能力を開花することができたのだ。

その他にも仕事との向き合い方、優先順位の付け方、リーダーシップ等、仕事に対するあらゆることを教えていただいた。また、私が自分の仕事に専念し、成長できるよう、時には課長や他のリーダーと対立しながらも理不尽な仕事や雑務から私を守ってくれた。

しかし、私たちのチームはKさんのマネジメントで大きな成果を出していたものの、解散することになる。Kさんは素晴らしいマネジメントを発揮していたが、課長に全く評価されず、それどころか疎まれていたのだ。その理由は、

・部下のために、ときには上司と対立することも厭わない姿勢

・年功序列のため、組織において部下を成長させても意味が無い

というものだった。これはKさんに限らない、日本の会社で素晴らしいマネジメントができる社員が昇進できない理由だろう。

なお私はその後、Kさんのライバルのチームに入った。そこで頑張ることはKさんの立場をさらに追い込むことになることがわかっており納得はいかなかったが、頑張って成果を出していた。

そして、2011年のリストラでKさんは課長に睨まれていた結果、早期退職することになった。私はただ泣くことしかできなかった。

飯島マネージャーの退職に伴うSMAP解散騒動は、私にとっては2011年の自分とKさんの関係を思い出させるものであり、他人事には思えなかった。

SMAPと飯島氏は死なず。何度でも蘇るさ

SMAP解散騒動は結局ジャニーズ事務所の勝利と言われている。そして、2017年からSMAPのメンバーはソロ活動を始めるが、ジャニーズ事務所に忠誠を誓わなかったキムタク以外は徐々に露出が減っていくと予想されている。

しかし私は期待を込めて、そうはならないと予想する。

飯島氏はSMAPのマネジメントを通じて、メンバーの潜在能力を限界以上に発揮し、メンバーの個性をこれ以上なく世間に浸透させることに成功した。SMAPのメンバー全員の名前を聞いたら、かなりの割合で日本人は答えられるだろう。これは現在ジャニーズ事務所を代表する嵐でも遥かに及ばないレベルだ。

中居くんは司会に、草彅くんはドラマに、香取くんはドラマとバラエティに、稲垣くんはドラマ、舞台とオールマイティに、自分の得意分野を中心としながら堅実に活躍していくだろう。ジャニーズ事務所の看板を捨ててでも飯島氏と共に歩み続けると決意した漢気、メンタルの強さ、向上心はソロ活動において存分に発揮され、彼らの活躍を後押しするだろう。

さらに一部報道では、キムタクを除いたメンバーはジャニーズ事務所を退職し、再び飯島氏のマネジメントで活動すると言われている。そうなれば、SMAPやジャニーズという枠が外れたことで、より活躍の場が広がるだろう。

私は、SMAP解散騒動はSMAPメンバーと飯島氏の敗北とは思わない。ジャニーズ事務所という日本の芸能界の古い体質の権化と対決した経験は、SMAPメンバーと飯島氏を一回りも二回りも大きくしただろう。これからは既存メディアだけでなく、NetflixやAmazonプライムビデオのように古い体質とは無縁のパートナーと組んで、新しい芸能界を切り開いて行って欲しい。

私もKさんが退職してから、課長とチームリーダーと対立した結果、部署を追われた。そのまま会社に残っていたら私の負けであった。が、会社を飛び出すことを選択し、より広い世界で挑戦を続けている。

私たちのようなフリーランスや日本のサラリーマンに勇気を与えてくれるためにも、SMAPメンバーと飯島氏はこれからも日本の芸能界の先端を走り続け、目標となって欲しい。


※この記事は、2016年12月31日にアゴラに投稿・掲載された記事を再掲したものになります。

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author : 宮寺達也

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