教育

女性の皆さん、来春、工学部に来て下さい。本当のレディーファーストをお見せしますよ

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出典:世界最先端をゆくリケジョの本音

(※この記事は2018年7月1日に書くつもりでURL採番だけしたのを、2019年6月25日にようやく書き上げたものです)

やっぱりロシアW杯の熱戦(日本戦以外)に夢中になっていた6月25日。もうすぐグループAの最終戦が始まるな、それまでツイッターでも見とくかとだらだらネットを見ていた僕の目にとあるツイートが飛び込んで来た。

これは間違いなく嘘松。工学部でゼミ室なんて呼ぶはずが無い、研究室だ。教授の目が光ってる研究室では隠れて2ちゃんねるかYahoo!ニュースを見るのが精一杯のサボりだ。ヌードポスターとかどこの男子ソフトテニス部の部室の話だ!(富山中部高校の男子ソフトテニス部の部室は・・・)

何よりエッロいPCボイスってなんだ、工学部なら堀江由衣様か川澄綾子様の萌えボイスに決まってるだろ!(2003年当時の大学院生の声です)

しかしなんという事でしょう。こんな嘘松ツイートが約2000RT、3000いいねに達しており、絶賛拡散中なのです。これは真実を発信しなければ!

という訳でこうツイートしたところ、6000RT、7500いいねと嘘松ツイートを圧倒する拡散になった。

やはり真実は勝つ!

女性の皆さん、特に受験を控えている高校3年生の女子高生の皆さん。是非とも来春、工学部に来てください。そこであなた達に本当のレディーファーストをお見せいたしますよ。

女子は200人中5人。大阪大学工学部・電子情報エネルギー工学科

僕が入学したのは大阪大学工学部・電子情報エネルギー工学科である。電気・電子・通信・情報・原子力とエレキを用いた研究の全てが詰まった学科であった。高校3年生のあの2月、阪大受験を目前に色々迷いながらこの学科を選んだ。それが今のエレキ技術者としての自分に繋がっていると思うと改めて感慨深い。

あいにく今は原子力が別れて電子情報工学科になっているようだが、見知った研究室、教授達の名前が健在なのには安心した。今も日々、世界最先端のエレキテクノロジーに挑んでいるに違いない。

さて、僕が入った時の工学部の定員は800名。1学年の全定員がおよそ3000人なので3割弱を占める最大学部だ。その工学部には200人ずつ4つの学科があり、その1つが私がいた電子情報エネルギー工学科である。

理系に女子が少ないと、高校までに意識した事はなかった。高2で理系コースを選んだが、40名のクラスで女子は18人もいた。男女ほぼ同数なので全く気にならなかった。席替えをすれば普通に女子が隣に来るし、班を作れば女子がいるし、掃除当番をしても、体育大会をしても、何をしても女子が一緒だった。

なので工学部に女子は少ないとは聞いていたが、人数的に理系の大半は工学部を選ぶのだ。少ないと言っても200人中50人とかそんなレベルだと思っていた。

だが初日のオリエンテーション。大講堂に電子情報エネルギー工学科の学生が集まった時、僕は自分の知らない世界に入ってしまった事を自覚した。

男、男、男、男、見渡す限り男である。目の前には男しかいない。200人いるんだぞ。

そして集合時間になって気がついた。名簿の順番が、「男子のあいうえお順」→「女子のあいうえお順」になっているのだ。なるほど、女子は僕の後ろにまとまっているんだな。ただおかしいな、僕は「み」だからいつもの事で男子の大分後ろだ。そして僕の席、最後列なんだけど。。。

そして横方向を遠くまで見て理解した。5人。200人中女子はたったの5人しかいないのである。

小中高とずっと男女同数だった。こんな男だらけの集団に属したのは初めてだよ。

たった5人のエレキ女子と勉強した思い出

そんな「ドキッ!男だらけの大勉強会」を4年間続けるのかと思ったが、実はあまり気にしてなかった。

僕は体育会ソフトテニス部に入る事を決めていたので、授業で電情エネ学科の友達と交流することがそもそも少なかった。授業が終わると教室を飛び出し部室に一直線。それからみっちり練習し、ソフトテニス部の仲間と飯を食べに行く。土日も1日中練習なので、毎日朝から晩までソフトテニス部の仲間と一緒だった。無論、女子部も有ったのでそこは普通の男女比率の世界だった。

とはいえ、授業や実験で電情エネ学科の女子5人と交流する機会は有る。

僕は5人の女子はもちろん大半の同回生に名前を覚えて貰えないモブだったが、男どもが女子5人に対する接し方を定めていた暗黙の了解は理解していた。それが、

・特別扱いしない。一緒にエレキを勉強する仲間

・でも重いものは男が持つ。

・危険なものももちろん男が扱う。これは差別では無い、マッスル・オブリージュ(筋肉を持つもの義務)だ

って事だ。本当に重いものを持つとか、危険なものを扱うとか、肉体差が出る場面だけ男が前に出る。それだけであった。ま、僕が知らない所で抜けがけ禁止とか恋愛絡みのルールが有ったのかもだけど。

なので女子に対するセクハラとか、そんな事は記憶に無い。そもそも3回生までは研究室に入れないので自分のPCとかも無いからね。

そして彼女たちの優秀さを尊敬していた。これは性差というより覚悟の違いだろう。どんな世界でも少数になる事がわかっていて飛び込む人達は大きな夢や強い動機を持っている。電情エネ学科の5人の女子は例に漏れず、ひたすらに努力家で優秀な成績を収めていた。

その女子たちの努力に負けまいと、男連中も奮起していた。先生たちもさぞ授業がやりやすかっただろう。これはただの男のサガだと思うんだけど、1人でも女子がいると背筋がピンと伸びるんだよね。

ソフトテニス部の活動に夢中で、過去問やら同回生のノートやらが回って来なかったために単位が大ピンチだった僕からすれば本当に輝いていた。

そう。ツイートに書いたように、僕たちは数少ない女子を仲間と思い、ひたすらに気を遣い、毎日元気を貰っていた。

200人中たった5人の女子だったけど、195人の男子にとっても、5人の女子にとっても、本当に素晴らしい日々だった。

研究室はまるで男塾。塾長(教授)の厳しい指導と癒しの女性秘書

そして4回生になり研究室に入った。私が入ったのは超伝導とレーザーを研究する斗内研究室(http://www.ile.osaka-u.ac.jp/research/thp/index.html)である。ちゃんと2005年の卒業生に僕の名前があるからね。

そんな斗内研究室の日々だがツイートにかかれていたような、

「多数派のバカ男子学生がすげえ威張ってて、ゼミ室にヌードポスターが貼ってあったり、パソコンからエッロい女の声が出るように設定してあったり(理系バカ男あるある)」

なんて嘘松な世界線とは全く違った。

まず女子がいなかった。研究室配属は各学年2名ずつなのだが、上を見ても下を見ても男だけだった。

そして斗内教授はもちろん、指導教官の川山巌先生(今サイト見たら准教授になってた。おめでとうございます)も厳しい人で、研究の基礎を叩き込まれた。

これはもう男塾であった。

しかし僕はというと院試の前に(ソフトテニス部を引退した喪失感で)鬱になりかけたり、ブラックバイト(当時はそんな概念も単語も無かったんだよな…)との両立でやっぱり鬱になりかけたり、色々ギリギリで生きておりはっきり言って落第生であった。

自分には研究は向いていないと自覚し、大学院を卒業後にメーカーに就職する道を選んだ。だがこれがバッチリはまった。成果は残せなかった落ちこぼれ学生だったかもしれないけど、自分の限界を教えてくれた斗内研には本当に感謝しています。

なお、女子学生はいなかったが女性秘書が2人いらっしゃった。当時の年齢が28歳くらいの、少し年上のお姉さん。つまりちょっと年上の女性秘書。なんともエロい響きだよね。

という訳で、斗内研の日々は教授や指導教官にニラまれながら、そして女性秘書の目を気にしながら、学部生の時とは比べ物にならないくらい気を遣う日々であった。

ヌードポスター?PCからエッロい女の声?

そんな事出来るはずが無いでしょう。僕のいた斗内研に限らず、他の研究室も皆そうだったよ。

理系女子の数はまだまだ少ない。AIに仕事を奪われる仕事に就くより、AIを作ってみないか

だから、あのツイートの内容はマジで嘘松。どこの大学か結局言わなかったのがその証拠だよ。

なお、僕のツイートとそれに対する反響がTogetterにまとめられていたのでこの記事と合わせて見てみてね。

「工学部は多数の馬鹿男子が威張ってて男尊女卑」と主張するも大勢の工学部出身者から突っ込まれる

無論、日本のどこかにはそんなセクハラが蔓延している工学部もあるかもしれない。それは悪魔の証明なので無いとは言えない。

でも僕がはっきりと言える事は、大阪大学工学部は女子が安心して学べる素晴らしい場所と言う事だ。

もしも「工学部を目指したいけど、セクハラが有ったら嫌だな」と思う女子がいたら、是非とも大阪大学工学部に来て欲しい。

大阪大学工学部・電子情報工学科「世界最先端をゆくリケジョの本音♡ 座談会レポート」

大阪大学工学部はこんなサイトも作っている。ここには先輩リケジョの本音が語られているので工学部を考えている女子は是非とも読んで欲しい。

とはいえ、まだまだ工学部女子、そして女性エンジニアの数は少ない。

僕は斗内研を卒業し、株式会社リコーに入社した。そんな僕が配属されたエンジニアの部署は200人中女性は1人だった。さらに減ってワースト更新しちゃったよ。

まあ新入社員研修で同期200人中女性が20人しかいない時点で怪しい予感はしていたが。

やっぱりまだまだ女性エンジニアの数は少ないのだ。医学部入試と違って下駄なんて履かせていないけど、やっぱり男の仕事というイメージがあるのだろうか。

だけどこれからの時代、エレキエンジニアは男女問わず絶対にオススメだ。

昨今、「AIに仕事が奪われる」と盛んに喧伝されている。確かにAI技術の進歩は目覚ましい。例えば専門的な知識が必要だった翻訳とか会計職とか、どんどん仕事がAIに置き換わっていくかもしれない。

たとえ一生安泰な大企業に勤めたと思っても、その仕事が一生続く保証はどこにも無いのだ。特に現在女性が多く就職している一般職はAIに置き換えられる筆頭と言われている。

だからこそ工学部である。AIに仕事を奪われるのが怖いなら、AIを勉強してAIを作る仕事に就けば良いじゃない。

どこを受験するか悩んでいる高校3年生の女子よ。工学部に来て本当のレディーファーストを体験し、そして未来の日本を切り開く人材にならないか。

参照:大阪大学工学部大阪大学工学部・電子情報工学科大阪大学工学部・研究紹介大阪大学工学部・電子情報工学科「世界最先端をゆくリケジョの本音♡ 座談会レポート」斗内研究室「工学部は多数の馬鹿男子が威張ってて男尊女卑」と主張するも大勢の工学部出身者から突っ込まれる



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-教育

author : 宮寺達也



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