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映画評『ドラゴンボール超 ブロリー』 原作ファンも超満足の最高傑作

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出典:ドラゴンボール超 ブロリー 公式サイト

ドラゴンボールと出会ってから早30年。世間的にはもうおっさんと言われる38歳になったけど、ドラゴンボールに対する熱い思いは全く変わっていない。

孫悟空、ヤムチャ、クリリン、天津飯、ピッコロ、悟飯、ナッパ、ベジータ、ドドリア、ザーボン、ギニュー特戦隊、フリーザ、セル、魔人ブウ、、、

名前を挙げるだけであらゆるシーンが昨日読んだかのように、ついさっき同級生と語り合ったかのように思い出される。まさに青春のバイブルだ。

そういう訳で早速観に行って来ました、映画「ドラゴンボール超 ブロリー」。

劇場版ドラゴンボールの記念すべき20作品目であり、小学校時代から東映アニメフェアには欠かさず参加していた私には「行く」という選択肢しかない。問題はいつ行くかである。

そう思って調べていたら「全国先着3万名様限定で『ゴジータのスペシャルクリアファイル』をプレゼント」の情報が。

これ、各劇場で割ったら先着300名くらいしか貰えない。という訳で公開初日(12月14日)に早起きして109シネマズ川崎に到着し、朝一番となるIMAXシアターの9時上映に突撃して来ました。もちろんゲットしたよ、ゴジータ・スペシャルクリアファイル!

映画の感想は「超満足」の一言。

これまでの劇場版の最高傑作という事はもちろん、原作ファンが長年不満に思っていた部分も解消されたストーリーにもう感動と興奮。ドラゴンボールは過去の作品じゃない、新しいドラゴンボールの幕開けだよ。

正直、ドラゴンボールZの映画は2次創作だと思っていた

私は1980年生まれなので小学校5年生頃にナメック星編をやっていた世代だ。当時の少年たちには、ナメック星編の戦いはもうこれ以上ない熱狂だった。漫画という枠を完全に飛び越えていて、来週のドラゴンボールがどうなるかが人生の全てだったと言っても過言じゃない。

コミックスを何度も読み返し、少年ジャンプを買っている友人の家に遊びに行き、暇さえあればドラゴンボールの話をしていた。

なので毎年3月と7月に上映されるドラゴンボールZの劇場版アニメを見るのも当然であった。ちなみに最初に劇場に観に行ったのは「とびっきりの最強対最強」だったと思う。

でも実はあの頃の映画は子ども心にも何というか、「別物」として捉えていた。

だって死んだはずのヤムチャと天津飯と一緒に戦ったり、ナメック星にいるはずの時に地球で戦ってたり、悟空が心臓病で寝ているはずの時に戦ったり。。。

今回の映画にも登場するブロリーが初登場した「燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」も観に行ったけど、どう考えても悟空と悟飯が精神と時の部屋にいるはずの時の出来事である。。。

そんな訳でドラゴンボールは大好きだけど、映画は別腹。それが当時の少年の認識だった。

原作ファンの願いは「シビアなバトル」と「納得のいく戦闘力描写」

しかし、2013年に復活した「神と神」からストーリーは正式なものになっていく。時間設定が魔人ブウ編の後なのでみんな生きているし、パワーアップしても原作に影響無い。

そうして「神と神」で超サイヤ人ゴッドが誕生し、「復活のF」で超サイヤ人ゴッド超サイヤ人が誕生した。

ちなみに「復活のF」はTOHOシネマズ海老名で行われた金曜24時からの最速上映に仕事帰りの後輩連れて突撃した。

だけど、実は両作品とも心から満足とは行かなかった。

それはドラゴンボールでみんなが最も好きであろうナメック星でのフリーザ編にあった「シビアなバトル」と「納得のいく戦闘力描写」が失われていたからだ。

「神と神」では相手が破壊神で最強なんだけど、殺されるって雰囲気は無かった。シビアさが足りない。

「復活のF」は流石のフリーザ様、圧倒的な殺意を見せてくれたのは良いんだけど、戦闘力描写が。。。

戦闘力139の亀仙人が戦闘力1000を越えていそうな戦闘員を蹴散らすとか(それが出来るならピッコロ大魔王くらい・・・)、戦闘力2万レベルの戦闘員に神様と融合して3億は軽く超えているはずのピッコロが苦戦するとか、そいつを倒すために悟飯がわざわざ超サイヤ人になるとか、修行したとはいえ戦闘力140万程度の第1形態フリーザに悟飯が殺されそうになるとか、セル・魔人ブウとの戦いで積み重ねて来た戦闘力描写が台無しだった。

おまけに超サイヤ人ゴッド超サイヤ人の悟空がフリーザの部下の光線銃でやられるとか(それが出来るならフリーザもセルもそれで倒せたじゃん。。。)、納得いかないシーンが多かったのである。

ブロリーは伝説の超サイヤ人だけど極限までパワーアップした悟空とベジータの相手としてふさわしい相手なのか、強いとしてもそれを納得出来るだけの描写がなされるのかが鑑賞前の最大の心配だった。

<前半> 感動のストーリーだけでなくサプライズ満載でもう一度見たくなる

そんな心配を胸に秘めたままだったが、兎にも角にも映画は始まった。IMAXデジタルシアターの美しい大画面、最高のサウンドで。

まずいきなり惑星ベジータの話から始まったのには驚いた。てっきりブロリーとの戦いが始まった後に回想でちょっと入るくらいと思っていたからだ。

そして私の予想に反して、過去の惑星ベジータでのベジータ王、ベジータ、バーダック、ギネ、カカロット、そしてブロリーの話がしっかりと描かれていく。

ストーリーの結末は知っている。フリーザに惑星ベジータが破壊されるのだ。わかっているんだけど、次々に登場するこれまで明かされていなかったエピソードの数々に初めて原作を読んだ時のような新鮮な感動と興奮が襲って来る。

まるで小学生の頃に戻ったような、あの感覚だ。

バーダックとギネのカカロットへの想いはもちろん、ちょっとだけ登場するキャラにも興奮を隠せない。ギニュー特戦隊、ザーボン、ドドリア、コルド大王、、、これぞドラゴンボールの真骨頂のメンバー。

そして惑星ベジータの崩壊と、そこからのブロリーの戦いが描かれるのだがこれがたまらない。

千葉繁ボイスでしゃべるちびラディッツとか、ベジータの弟とか、〇〇〇〇〇ナッパとか、〇〇〇〇〇スカウターとか、もうドラゴンボールファンのツボを突きまくりなのだ。

そして、ブロリーがなぜ歴戦の戦いを経て来た悟空とベジータよりも強くなったのか、単なる設定だけでないストーリーの重みを感じる。

これがどう後半のバトルに活きてくるのか。お腹いっぱいなはずなのにまだまだ料理を欲する超満足の前菜であった。

<後半> 超サイヤ人のフェスティバル。そしてヤバ過ぎるブロリーの超絶バトル

そして後半は予告でもお馴染みの、地球の(たぶん)南極でブロリーとベジータ、悟空の戦いが描かれる。

はっきり言って結末は予想がつく。超サイヤ人になったブロリーをゴジータが倒すのだ。

しかしそんな陳腐な予想を忘れてしまうくらい、史上最高の激アツバトルが飛び込んで来る。

まず何が良いかって、前作の「復活のF」では登場しなかった(金色の)超サイヤ人への変身や超サイヤ人ゴッドへの変身をベジータと悟空が2人とも見せてくれるのである。

悟空とベジータのノーマル状態から(金色の)超サイヤ人、超サイヤ人ゴッド、超サイヤ人ゴッド超サイヤ人。そして、ブロリーの超サイヤ人と超サイヤ人ゴッド超サイヤ人のゴジータ。ありとあらゆる超サイヤ人が満載の超サイヤ人フェスティバルだ。

でもやっぱり、超サイヤ人と言ったら金色に逆立つ髪。これがいつだって最強にカッコイイ!

ちなみにブロリーは戦いを重ねるうちにどんどん強くなり、黒髪のまま超サイヤ人ゴッドのベジータと悟空と互角以上に戦う。

なんでブロリーが黒髪のままそんなに強いのかは、是非とも本編を観て欲しい。だけどその設定には納得だ。超サイヤ人が5倍、超サイヤ人2で10倍なので、10倍のパワーアップが出来ればブロリーなら十分に戦える。

それからブロリーも超サイヤ人になるのだから、もう絶望感がたまんない。しかもブロリーのキャラも良い感じに変わっている。

今回の映画のブロリーはバーサーカー(狂戦士)であるが、実は昔の映画の設定と変わっているのだ。「燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」では超サイヤ人になっても普通に喋るし、自分の意思で星は破壊するし、バーサーカーというより悪魔だ。普通に悪いやつだった。

今回のブロリーはめちゃイイ奴なんだけど、暴走したら止まらないバーサーカーだ。そしてバーサーカーだからこそ魅せてくれるのが「シビアな戦い」だ。

ドラゴンボールではバーサーカーは珍しい。フリーザやセルみたいな知性ある敵はパワーを抑えて遊んだりするし、悟空もそんな戦いを楽しんだりして緊張感に欠ける時がある。

しかしバーサーカーなブロリーはとにかく目の前の敵を殺そうと必死なので、応戦するベジータも悟空も必死なのである。近いところなら、地球に攻めてきた時のナッパやベジータ、最初の変身をしたフリーザ、純粋魔人ブウのような絶望感だ。

この「自分を殺しに来る自分より強い相手」に、絶望感を感じながらも諦めずに挑む悟空とベジータの戦いが見たかったのだ。

あと個人的にたまんなかったのはゴジータに変身した直後である。ゴジータは原作には未登場なので、昔の映画ではいきなりゴジータと名乗られても違和感があった。しかし今回の映画はそこもしっかり拾っている。原作ファンの細かいこだわりをくすぐる演出に脱帽だ。

もちろんバトルの大迫力はもう今更語るまでもない。最新映像技術と過去最強の超パワーの組み合わせで、とんでもないバトルになっている。予告にもあるけど、悟空のかめはめ波とベジータのギャリック砲の同時攻撃は見逃すと一生後悔するぞ。

なお最後の台詞も必聴だ。当たり前のようで、凄く深い、そして新鮮なものを感じた一言。

あ、フリーザ様はお疲れ様でした。なんかどんどん中間管理職になっていくような。。。

ドラゴンボールはまだ終わらない。次がもう待ち遠しい

そんなこんなで大満足の95分であった。

しかし驚きはエンドロールに入っても終わらない。ブロリーを支える重要なキャラとしてチライという女戦士とレモという老戦士が出ていた。チライを演じる声優が水樹奈々様ということは一瞬でわかったのだけど、レモは最後までわからなかった。

深い人生経験を感じさせる渋い演技だったので確かなベテラン声優だと思ったのだけど、なんと杉田智和さんであった。

杉田智和さんは大好きな声優である。これまでに出演した作品はたくさん観ている。しかし全然演技が違った。監督によると

レモは40年くらいフリーザ軍に居て、色んな汚いことも見てきたという経験を持つキャラクターなんですけど、杉田さんに説明しようとしたら「わかってます」と言われて。ディレクションをしなくても理解されていて、流石だなと。思わず「すみません」と謝ってしまいました(笑)。

だそうだ、納得である。杉田さんは僕と同世代なので、これ以上ない興奮をもって臨んでいたはずだ。インタビューでも「子どもの頃の自分に聞かせたら、ウソだと言う」と喜びを表現している。

そんな中で確かにドラゴンボールの世界に溶け込む演技。本当に素晴らしい。そして「よかったね」という思いがこみ上げてくる。ますます杉田さんのファンになった。

なお、映画のラストはまだまだドラゴンボールが続く事を示唆している。

ドラゴンボールで育ち、片時も忘れずに大人になったのにまだまだドラゴンボールを楽しめる。こんな幸せがあろうか。

今年はブルマ役の鶴ひろみさんがお亡くなりになったり少しずつしかし確実に時間は残酷に流れていく事を感じさせられていたが、この映画で野沢雅子さんの元気なお声を聞いたらそんな心配も吹っ飛んでしまった。

次回作が本当に楽しみだ!

(残り10点は悟飯やピッコロの活躍も見たかったなという所です)

映画「ドラゴンボール超 ブロリー」はリンク先の劇場にて絶賛公開中です。

(90点)

参照:ドラゴンボール超 ブロリー 公式サイトドラゴンボールオフィシャルサイトドラゴンボール – Wikipediaこの冬一番の話題作「ドラゴンボール超 ブロリー」はバトルもストーリーもすっげえぞ! 叫びっぱなしでも疲れ知らずの孫悟空役・野沢雅子インタビュー!映画『ドラゴンボール超 ブロリー』野沢雅子インタビュー|今の世の中でも3分の1くらいが悟空みたいな人だったらすごくいいと思うんです。久川綾さんが鶴ひろみさんから受け継いだブルマへの想い……映画『ドラゴンボール超 ブロリー』インタビュー映画『ドラゴンボール超 ブロリー』長峯達也監督インタビュー|悟空とブロリーの戦いは、本当の意味での“純粋なサイヤ人”同士の戦い杉田智和DB出演「子どもの頃の自分はウソと言う」野沢雅子20年東京五輪聖火「かめはめ波で!」熱望



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author : 宮寺達也



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