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生まれて初めてサッカー日本代表を応援しないロシアW杯が始まった

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出典:写真AC

6月15日、FIFAワールドカップ・ロシア大会が始まった。

私は熱心なプロ野球ファンである。プロ野球の試合は欠かさずチェックし、東京ドームの巨人戦を毎年に観戦に行ったりする。サッカーは富山の星・柳沢敦がいたため鹿島アントラーズのファンであるが、普段はJリーグの結果をニュースチェックするくらいだけである。なお、うちの柳沢敦がいつもいつも不祥事を起こして本当に申し訳無い。

という訳で、私は日本で一番多いであろう、「Jリーグはそこそこだけど、日本代表の試合は観るのも応援するのも大好きだ。特にワールドカップはたまんない」という人種である。いわゆる「にわか」だ。

ちなみに私は中学から大学まで体育会ソフトテニス部に所属してがっつりやって来たが、運動そのものは苦手である。サッカーは特に苦手でボールを思いっきり蹴ったら足首が曲がらなくなってしまう。。。プロサッカー選手はマジすげえと心から思っている。

話が逸れたが、まあ要するにロシアW杯で日本代表の試合を観るのが本当に楽しみだったのだ。アジア最終予選であの強豪・オーストラリアに2-0で圧勝したハリルJAPANがどこまでやれるのか、ブラジルW杯でアルジェリア代表を率いてドイツを苦しめたハリルの戦術が本大会でどう炸裂するのか、あーでもないこーでもないと予想を巡らせていたものだ。

しかしそんな私の願いは「コミュニケーション不足」という摩訶不思議な理由でのハリル監督の解任という形で失われてしまった。

そんな喪失感に覆われていた私だが、いざロシアW杯が始まって好試合を観戦しているとようやく気持ちの整理がついてきた。

「ロシアW杯は存分に観戦し、楽しもう。だが、日本代表は応援しない」

弱くたって良いじゃない、日本代表だもの

ハリル前監督の解任に対する不満は以前の記事「ハリルホジッチ監督の解任劇には、成果でなく空気を読む奴が出世する日本の人事制度が凝縮されている」にガッツリ書いたのでそちらを読んで欲しい。

私は別にハリル前監督の熱烈なファンという訳では無い。ハリル前監督が完璧な結果を残していたとも思ってはいないし、ハリル前監督のままならばW杯でGLを確実に突破できたとも思っていない。

ただただ、日本代表がこれまで4年間やって来た総決算を観る機会が失われたのが残念なのだ。

僕は1980年生まれなので、あのドーハの悲劇も、アメリカW杯でバッジョがPK外したのも、ジョホールバルの歓喜も、フランスW杯の全敗も、日韓W杯の興奮も、ドイツW杯の惨劇も、南アフリカW杯の奇跡も、ブラジルW杯の消化不良感も全部全部観て来た。

なので、日本代表がW杯で16強入りして当然とか、優勝するとか、そんな思い上がりは無い。アジア予選を突破するのは毎回毎回本当に大変だし、予選を突破して本大会に出場が決まった時は今でも歓喜に震えてしまう。

あの岡野のゴールデンゴールを思い出すだけで、W杯に出ると言う事のありがたさが五臓六腑に染み渡る。

なので、ドイツW杯やブラジルW杯のように惨敗でGLを終えても全然良いのだ。4年間やって来た事を堂々とぶつけて、世界の強豪国からもっと強くなるためのヒントを見つけ、次の世代にバトンを繋げて欲しい。

負ければ悔しいしけど、おかしいとは思わない。勝てば嬉しいし、まぐれとも思わない。弱くたって良いのだ、だって日本代表だもの。そうやってあるがままを受け入れるのが日本代表が出場した全てのW杯を観て来た人間のスタンスだ。

でもそういえば、ドイツW杯のオーストラリア戦は社員寮のフロアに先輩のプロジェクターと僕のスピーカーを持ち込んで、超臨場感溢れながら社員皆で観戦したけど、その分あの負け方のショックが倍増してしまった(笑)

でも今回の日本代表は真っすぐ見れない。だってアジア予選を1位で突破して本大会出場を決めたチームと違うチームなんだから。僕が観たかった日本代表はどこにも存在しないのだ。

勝ってしまうと、問題を先送りにしてもっと悲惨な事になる

もちろん、(一部を除いて)選ばれた選手に罪は無い。どんな形であれ、W杯のピッチに立つ以上は存分にプレーして欲しいと思う。

そして、W杯終了後には不可解なハリル解任の問題をきちんと議論し、日本サッカー協会の意思決定の不透明さを改善して欲しいと思う。

だが、ここで怖いのは「まぐれでロシアW杯で躍進してしまうと、ハリル解任が正当化され、問題解決が遥か未来に先送りされてしまう」事である。

企業でも、学校の部活でも、日本大学のアメフト部でも、レスリング協会でも、サッカーフランス代表でも、日本サッカー協会でも、「結果が出ている時は、改革は先送りになる」。これは古今東西の組織のセオリーである。

日本大学アメフト部の内田監督の横暴が問題化しなかったのは、前年に甲子園ボウルで優勝し大学日本一になっていたからだ。

栄監督のパワハラが表面化しなかったのは、吉田沙保里を筆頭に金メダリストを何人も輩出して、圧倒的な結果を出していたからだ。

サッカーフランス代表は、2004年に就任したレイモン・ドメネク監督によって欧州予選も突破も難しくなる程弱体化してしまったが、ドイツW杯でジダンが頑張り過ぎてしまったおかげで準優勝。そのせいでドメネク監督は続投し、2010年南アフリカW杯での悲惨な敗退を迎えてしまった。

内田監督の横暴も栄監督のパワハラもドメネク監督の無能も、本来は選手が勝っているからと言って正当化されるものでは無い。しかし、結果が出ている時は「文句を言って、結果が出なくなったらどうしよう」と周囲が忖度し、どうしても追及は後手を踏む。いつだって、手遅れになってからしか変えられないのだ。

日本サッカー協会のハリル解任は、「スポンサーに忖度して代表選手の選考に介入した」「選手と協会トップの個人的なやり取りで監督解任に動いた」と、およそ世界基準からかけ離れた不透明でおかしなものだ。

これを見た世界の優秀な指導者は、どんなに金を積まれても日本代表の監督に就任したいとは思わないだろう。

だが、西野JAPANが「マイアミの奇跡」を再現し、運と勢いだけでGLを突破するような事になれば、ハリル解任は正解だったとサッカー史に刻まれる。歴史は勝者が作るものだから。

もしそうなったら日本代表は世界のトレンドから引き離され、W杯に出る事すら夢だった1990年代に逆戻りしてしまう。

日本代表を応援しないのは私だけでは無い

なので、私はロシアW杯で日本代表を応援しない。正直言って、実力通りに負けて欲しいと思っている。

W杯はまだまだ続く。2022年はカタールW杯、そして2026年は48ヵ国に拡大したアメリカ・カナダ・メキシコW杯が待っている。ロシアW杯をまぐれで勝って、そのせいで日本サッカー協会の問題が先送りにされ、将来のW杯に出れないとかの方がよっぽど恐ろしい。

そして、私の様に「日本代表を応援しない」と思っている人は決して少数では無いはずだ。

ロシアW杯の見送りが150人と、ブラジルW杯の700人から激減した。壮行試合のガーナ戦で0-2で負けた時にはブーイングが起こった。もちろんどんな状況でも日本代表を信じて応援する人たちもいるが、確実に日本代表を応援する人が減っている。

私は今でも覚えている。ジョホールバルの歓喜で、日韓W杯のロシア戦勝利で、まるで日本人全員が喜びを共有したようなあの興奮を!

普段はプロ野球ファンなので悔しいが、あの一体感は野球の国際試合では実現できない。サッカーW杯という、世界中が一つになれる唯一無二のイベントだからできる事だ。

そのサッカー日本代表を支えるのは私のような「にわか」である。そして、ほとんどの「にわか」は問題が有ってもそれを指摘する事は無い、ただ黙って去るだけである。

ブラジルW杯に続きロシアW杯でGL敗退したら日本代表人気がこれ以上無く落ち込む、だから応援しようと言う人もいるが、そんな事は無い。

サッカー日本代表が真っすぐ前を向いている限り、私は応援し続ける。多くの日本人も同じ気持ちだと思う。

でも今はおかしな方向に進んでいると思う。ロシアW杯の勝敗より、そっちの方が遥かに嫌だ。

だから私はロシアW杯で日本代表を応援しない。ただだ64試合、好ゲームが観れる事を期待している。

参照:レイモン・ドメネク Wikipediaマラドーナ監督どころじゃない…迷走しまくりのフランス代表ドメネク監督の驚くべき珍エピソードいろいろスポーツ報知・6/3



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-スポーツ

author : 宮寺達也



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