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万葉倶楽部の撤退で豊洲市場移転がピンチ。これは小池都知事のシナリオ通りだ

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出典:東京都報道資料

5月はGWやら仕事やら忙しく過ごしていたら、いつの間にか前回のブログから1ヶ月以上経ってしまった。

その間、山口メンバーとか日朝会談とか日大アメフト部問題とか世間を賑わすニュースには事欠かなかっただけに、もし私のブログを期待していた人がいたら非常に申し訳ない。これからはまたペースを上げていきます。

しかし「賑わす」と言えば、豊洲市場に隣接される「賑わい施設・千客万来」を巡って小池都知事と万葉倶楽部が険悪な関係になっていた事がずっと心配であった。

豊洲市場移転は散々に無駄な遅延をした挙句、およそ2年遅れで2018年10月11日に移転する事が決まっている。しかし受け入れ先となる江東区は「賑わい施設」がオープンする事を移転の前提としているため、ここで万葉倶楽部が千客万来施設から撤退したら豊洲市場移転も白紙に戻りかねない。

そんな心配も虚しく、小池都知事は大事な東京都と万葉倶楽部の交渉の場にサプライズ参加して場を荒らしたり、謝罪の言葉も無いどころか「亡き父のお告げで直接話に行った」などと意味不明の供述をしており、もはや破談やむなしの空気が漂っていた。

そうして迎えた5月28日、ついに万葉倶楽部がしびれを切らし「事業を推進していく事は困難」と最後通牒を突き付けてしまったのだ。

「千客万来施設事業」に関する東京都への回答の概要および弊社の見解について

過去にブログに書いたように万葉倶楽部に責任は無い、責められるべきは小池都知事だ。だが、千客万来施設が中止になり豊洲市場移転がピンチになる事こそ「小池都知事のシナリオ通り」なのである。

開催までもう2年になった東京オリンピック成功のため、今後の東京の発展のためにも豊洲市場は不可欠である。このまま小池都知事のシナリオ通りにしてはダメだ!

小池都知事は「築地再開発」を本気でやるつもりなんて無かった

そもそも2018年10月11日の豊洲市場移転を決めたのは小池都知事本人である。移転を発表した2017年12月20日の記者会見では

「豊洲市場を日本の新たな中核市場として育てる。本格化する移転準備をスピード感を持って前に進める」

「千客万来施設は最優先に整備する」

と力強く宣言している。なので普通に考えれば、豊洲市場移転の前提条件になる千客万来施設を実現するため、万葉倶楽部の要望にはできる限り応えて行こうとするはずだ。

しかし、小池都知事の対応は不誠実そのものであった。

万葉倶楽部が特に疑問視しているのは、築地市場跡地に建設されると言われている「食のテーマパーク」である。そんなものが豊洲市場の目と鼻の先である築地に誕生したら、食の拠点として歴史・知名度に劣る豊洲の施設は大打撃である。

ただ、小池都知事が政治判断として「築地再開発」「築地に食のテーマパークを」という政策を最優先としていたならば止む無しとも考えられる。これは2017年の都議選で都民ファーストが公約として掲げ、圧勝した政策だからだ。

「例え千客万来施設が中止になって豊洲市場移転がピンチになったとしても、都民と約束した築地再開発を優先する」というのは一つの方針だ。

しかし、小池都知事は築地再開発にも全く力を入れていないのだ。都議選での圧勝を受けてから小池都知事の肝いりで開催された「築地再開発検討会議」は2017年10月から2018年5月まで7ヶ月も掛けて会議をした訳だが、「具体的な中身はゼロ」で終了してしまった。

最終報告書には「食のテーマパーク」なんて言葉はどこにも登場せず、「(築地)再開発の具体化に当たっては、豊洲市場と一体となったにぎわいを創出する千客万来施設事業のコンセプトとの両立や相乗効果を図る」と全く中身の無い言葉でお茶を濁しただけであった。

この報告書はまるで新入社員が新人研修で発表する「この会社のビジョン」的な「意識高いだけ」感がプンプンする。つまり全然本気で実行する気が無いのだ。

小池都知事は「万葉倶楽部が撤退する事を狙って」行動して来た

小池都知事が「食のテーマパーク」をやる気が無いならば話は簡単である。計画を取り下げれば良い。問題視している万葉倶楽部も納得し、千客万来施設は着工する。小池都知事が約束した10月11日の豊洲市場移転への障害が無くなるのだ。

だが、小池都知事はどう見てもやる気の無い「食のテーマパーク」を取り下げる事も、万葉倶楽部に謝罪する事もしなかった。

小池都知事は豊洲市場移転を宣言しながら、豊洲市場移転に必要な事を「できるけどやろうとしていない」のだ。これは矛盾している。

この矛盾を解きほぐすには前提から考え直す必要がある。つまり「そもそも小池都知事は豊洲市場移転ができなくなってもOKと考えている」という事だ。

そう考えればこれまでの全ての行動に辻褄が合って来る。都議選前にどう見ても不可能な築地再開発をぶちあげた事も、入札制度を改悪して豊洲市場地下の追加工事を妨害したのも、万葉倶楽部には9ヶ月も回答はしないけど万葉倶楽部には期限1週間の質問状を通告して「万葉倶楽部がさっさとギブアップ」しろとばかりに挑発しているのも、アポなしで万葉倶楽部を訪問しながら謝罪の一言も無い事も。

そう、小池都知事は豊洲市場移転を潰す理由を探していたのだ。それもできれば自分の政治責任を問われないような理由を。盛り土や地下水の汚染で移転を中止させる事はできなかったので、千客万来施設を潰せば万葉倶楽部と江東区のわがままで移転が中止になったと印象付けようとしているのだ。

万葉倶楽部の撤退による豊洲市場移転のピンチは、小池都知事のシナリオ通りとしか思えない。

全ての元凶は都民ファーストが2017年の都議選に圧勝した事

だが普通に考えれば「いや、そのりくつはおかしい」となるはずだ。

豊洲市場移転を10月11日に決定したのは小池都知事本人なのだ。自らが記者会見で発表しているのだ。自分で決定した政策が失敗すれば。自分が責任を問われる。当たり前の話だ。
安倍首相なんかは自分が関わってもいないモリやらカケで責任を問われているのに。

しかし、小池都知事には自身を正当化できる拠り所がある。それが2017年の都議選である。

あの悪夢のような都議選では、小池都知事自身が代表を務めた都民ファーストが51議席と空前の圧勝であった。その都民ファーストは直前に小池都知事が発表した「築地再開発」「築地に食のテーマパークを」を公約として掲げていた。つまり万葉倶楽部が「食のテーマパーク」に難色を示しても、都民は支持しているという強固な政治的基盤が存在する。

小池都知事は「万葉倶楽部」VS「食のテーマパーク」で争ったら、たとえ万葉倶楽部が論理的に正しくとも都民は「万葉倶楽部がわがままを言っている」と考え自分を支持すると踏んでいるのではと思う。

小池都知事は万葉倶楽部を悪役にして全ての責任を押し付け、豊洲市場移転を再びピンチにするつもりなのでは。だから悪役の万葉倶楽部に謝罪するなんて決してしないし、全く実現性は無くても「食のテーマパーク」は取り下げないのだ。

そうして豊洲市場移転は亡き者にしようとされている。

そう。豊洲市場移転がここまで延期し、さらにピンチに陥っているのはあの悪夢のような2017年の都議選が原因なのだ。あの選挙の時点では築地再開発がとんでもな空想の産物で有る事はわかっていたのに。

それを知りながら、都民を騙した小池都知事、都民ファーストの罪は重い、重過ぎる(もちろん離党した音喜多駿都議、上田令子都議も同罪で有る)。

徹底的に小池都知事・都民ファースト(離党組を含む)の政治責任を追及するしかない

だが、ここから豊洲市場移転のピンチを脱するのは難しい。万葉倶楽部にとっては「東京都が基本協定に違反した」訳だから、撤退するのに躊躇いなど必要無いし、むしろ撤退するべきだ。

豊洲市場の受け入れの条件に「賑わい施設」を東京都と約束した江東区も、豊洲市場の受け入れを拒否する当然の権利が有る。

この現状を覆して豊洲市場移転を前に進める事ができる存在は、東京都のトップしかいない。そう、小池都知事しかいないのだ。小池都知事が築地再開発を撤回し、万葉倶楽部に謝罪し、千客万来施設を予定通り開業して貰えば再び豊洲市場移転は蘇る。

やろうと思えば1日どころか記者会見を1時間開けばできる事なのだが、肝心の本人に「やる気が全く無い。むしろ積極的に潰したい」から状況は詰んでいる。

なので、この状況を変える手段は1つしかない。「小池都知事に今からでも心変わりして貰う」しかないのだ。

もちろん「話せばわかる」ような人ならば、そもそもこんな状況になっていない。徹底的に、小池都知事の、都民ファースト(もちろん離党した音喜多駿都議、上田令子都議も)の政治的責任を追及していくしか無いのだ。

できれば百条委員会を開催して石原氏、浜渦氏を始め多くの方が味わった冤罪の屈辱を味わって欲しいものだが、都民ファーストが今も都議会の最大勢力であるからそれは難しいだろう。

なので、まずは豊洲市場移転のピンチに危機感を感じた人がブログやツイッターで声を上げ、それを受けて野党(自民党、その他)の都議会議員が都議会で追及していくのが正道だ。

もちろんこのブログもその一助になればと思う。こんな事しかできないのかと思うが、そういう言論からスタートして意思決定を紡いでいくのが真の政治であると思う。

豊洲市場は単なる鮮魚卸売市場では無い。21世紀の都市間競争を勝ち抜くための、日本の首都・東京を発展させるキーパーツなのだ。

一刻も早く開場するよう、1人1人ができる事をして行きたい。

しかし、そこまでして小池都知事が豊洲市場移転を潰そうとする理由は何なのであろうか?

少なくとも卸売市場に興味が有ったとはこれまでの政治実績からとても思えない。強いて想像するならば、都知事就任直後に豊洲市場問題で支持率が最高に高まったので、あの時の小池ブームをもう一度という感じであろうか。

そんな希望、希望の党の解散と一緒に消えてしまったと思うんだが。

参照:J-CAST・5/2産経新聞・2017/11/24産経新聞・2017/12/20産経新聞・4/12東京都市整備局・築地再開発検討会議テレ朝news・5/28TBS NEWS・5/28TBS NEWS・5/28



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author : 宮寺達也



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