政治

偽証で告発された浜渦元副知事が不起訴に。都議会議員の人権意識は中世の魔女狩りレベル

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出典:YouTube TOKYO MX

ちょうど1年前、「ここは本当に21世紀の日本なのか?」と思わせるような醜悪な政治ショーが開かれていた。

それが東京都の豊洲市場の移転問題に関する百条委員会である。

いわゆる「盛り土」問題を契機に豊洲市場の土地取得などについて様々な疑惑が持ち上がり、それを明らかにするため24人にも対する喚問が実施され、5日間で計20時間以上を費やした。

百条委員会とは地方自治法第100条に基づく特別委員会であり、喚問された証人が虚偽の陳述をした場合「3箇月以上5年以下の禁錮」という重い罪になってしまう。非常に強い権限と、真実を明らかにする力を持った委員会だ。

そして2017年5月31日、その百条委員会で東京都元副知事の浜渦武生氏と元都幹部の赤星経昭氏が「委員の多数決」で偽証と認定された。そのまま東京都議会でも可決され、両氏は東京地検に偽証の疑いで刑事告発された。

それから10ヶ月後の2018年3月30日。東京地検特捜部は(恐らく)嫌疑不十分で、両氏の偽証を認定するのは困難であるため不起訴処分とした。

つまり、東京都議会は全くの無実な人間を有罪認定したのだ。完全な冤罪である。浜渦氏らの偽証に賛成した都議会議員は自分たちの政治的利益のためだけに他人を踏みにじっても何とも思わない、中世の魔女狩りレベルの人権意識である。

浜渦氏は副知事なんだから、責任者で有るのも相談に来るのも当たり前

浜渦氏らが不起訴に終わったのは決して意外でも後付けでも無い。

百条委員会をやっていた当時から多くの方が「証拠不十分である」「告発は無理がある」「政争の具」と指摘していた。

浜渦氏は百条委員会で「私の担当は2001年7月の(東ガスとの)基本合意までで、そこから先は一切触っていない」と述べた。これが、前川燿男元知事本局長が「(基本合意締結以降も)最高責任者は浜渦氏で、一貫して市場を所管していた」と述べた事、さらに都幹部が浜渦氏宛てに土壌汚染対策について文書を提出していた事、この2点と矛盾するとして偽証認定されたのだ。

だが冷静に考えて欲しい。

皆さんだって仕事であるプロジェクトを担当した時、プロジェクトから離れた後も残ったメンバーから相談を受けたり、宛先に残っていて何らかの文書が回って来る事があるだろう。私は何百回も有る。

特に浜渦氏は副知事だ。担当を離れても統括する上司として最高責任者で有る事は変わりないし、相談されたり文書が回って来る事も有る。むしろ無い方がおかしい。

都議会議員は都議選で当選するため、事実より自分たちの政局を優先させた

浜渦氏は偽証認定されるとの報道が出た後、「職務上の報告があれば受けたかもしれないが、指示はしていない」「再喚問があればお話に行く」と積極的に誤解を解消する姿勢を示していた。

しかし、音喜多都議は「百条委員会は議論をする場ではありませんので、追加の証人尋問を行う必要性は一切ないと思います」と「調査を放棄」した。「偽証認定したいから、余計な事は言わさねー」とばかりに、ドラマに出て来る悪徳警官のような態度でそのまま偽証認定したのだ!

この百条委員会が開かれた時期は都議選の間近であり、各会派は何らかの成果を上げる事に必死であった。しかし法律的な瑕疵は何一つ見つからず、音喜多都議は「土壌Xday」なる失笑ものの陰謀論を展開するほど追い詰められていた。

本来、百条委員会は「事実を明らかにする場」なので何も無ければ「問題は無かったんだね。良かった、良かった」で終われば良い話で有る。しかし、本心では「何とか政敵である自民党にダメージを与えたい。そのためには人権侵害だってへっちゃら」と思っている最低な都議会議員がたくさんいたようだ。

元検事の郷原信郎氏に「都議会の品格が問われる」、浜渦氏には「今朝、ごはんを食べていないという証明をどうやってする?」「嘘をついていると言うんだったら、根拠を持ってやったほうが良い」などと明らかな魔女裁判だと言われながら百条委員会は多数決で偽証を認定し、都議会も可決した。

このあまりにも酷い事態に、都議会自民党の桜井浩之委員長は「無理やり偽証認定に向けた手続きが進められていくことは、到底受け入れることはできない」と極めて真っ当な抗議をし、委員長を辞任した。

河野雄紀都議も百条委員会で「土壌Xday」などの適当な証拠を「いつ、どこで、誰が出席して、誰が書いたのか、出どころも不明」「ことさら取り上げるようなメモではない」であると、反対の討論を行った。さらにfacebookで「政治利用の場と化してしまった百条委員会」と抗議のメッセージを出された。

百条委員会は魔女裁判であり、異端審問。東京都議会は中世レベルの人権意識

しかし、そんな良心をあざ笑うかのように音喜多都議らは弾圧を強めていく。

まずは桜井都議の辞任すら認めず委員長不信任案を発議・可決させてしまった。その上、音喜多都議はブログで「信義則を破壊する行為」と桜井都議を嘲笑していた。

さらに音喜多都議は百条委員会で自分の適当な証拠を「ことさら取り上げるようなメモではない」と至極真っ当に批判した河野都議に「口封じ」とばかりに問責の動議を提出し、またまた数の力で可決してしまった。来代(きたしろ)勝彦都議が反対意見を述べたが完全に数の力の前で無視されてしまった。

桜井都議、河野都議、きたしろ都議が主張しているのは「証拠も無いのに、政治家の思惑で、しかも数に物を言わせて有罪認定してはいけない」という近代社会の至極真っ当な人権意識である。

音喜多都議らの理屈は、浜渦氏に「悪事を自白したら有罪。自白しなかったら偽証罪で有罪」と言わんばかりのものだ。まさに魔女裁判だ。

そして、それに反対の意見を述べた桜井都議、河野都議、きたしろ都議らに異端者のレッテルを貼り言論弾圧していた。まさに異端審問だ。

都議選が近かったので「証拠は無いけど、誰かを有罪にしないと俺たちが批判される。推定無罪?証拠?そんなの知らんね。俺たちが都議選で受かるために犠牲になって貰おう」とでも思っていたのであろう。

事実、その後に行われた都議選では音喜多都議らは当選し、桜井都議、河野都議、きたしろ都議は落選してしまったのだ。東京都議会は悪が栄え正義が滅びる、とても子どもには見せられない中世レベルの人権意識の集団である。

そして、きたしろ都議は無念のまま2月16日に逝去されてしまった。せめて不起訴の結果が天国に伝わっていればと願って止まない。

音喜多都議の勇ましい発言録。結局、証拠なんて嘘っぱちだったけど

ちなみに「百条委員会は事実を明らかにする場」とは私が言い出した事ではなく、当の音喜多都議がブログで書いている事である。彼の当時の熱意は凄まじく、「証拠を捏造してでも憎っくき浜渦氏を有罪にしてやる」と感じてしまうほどだ。

<音喜多都議 発言録>

(石原・浜渦氏に)都民に対する重大な裏切り行為であり、批判のそしりを免れることはできません

平成13年7月以降も浜渦氏が市場移転に携わっていた記録は複数存在します

「水面下交渉」の真実が明らかになっただけでも、調査・尋問に少なからず成果はあったものと感じています

浜渦副知事に対して報告していた「お手紙」の現物は公的に提出された資料から発見されており、動かぬ証拠が存在します

(浜渦氏に)百条委員会は議論をする場ではありませんので、追加の証人尋問を行う必要性は一切ないと思います

改めて申し上げますが、百条委員会の目的は事実を明らかにして報告することであり、「偽証」はそれに付随する事項でしかありません

(辞任した桜井委員長に)個人の議員が意見を言うのであればともかく、公正中立な運営をする立場の委員長がこのような見解を任期中にぶちまけることは、信義則を破壊する行為です

(辞任した桜井委員長に)これは百条委員会の停滞・混乱を狙って政局的な動きで委員長辞任を仕掛けてきているとしか考えられず、この行動については糾弾せざるを得ないところです

なんとも勇ましい発言の数々である。この音喜多都議の発言を受けて、「証拠がある上、ここまで断言するんだから浜渦氏は悪人に違いない」と思った人も多いだろう。

だが、事実は全く逆だったのである。彼の言葉を借りれば、

「音喜多都議こそが政局的な動きで百条委員会を仕掛け、動きまくる適当な証拠をもって浜渦氏を悪人扱いした。百条委員会の目的は事実を明らかにする事では無く、『冤罪で浜渦氏を偽証認定』するためであった」

としか考えられず、この行動については糾弾せざるを得ないところです。東京都政の信義則を破壊する行為であり、都民に対する重大な裏切り行為であり、批判のそしりを免れることはできません。

ま、都民にとって不幸中の幸いは浜渦氏の不起訴によって、音喜多都議らが「なんの成果も!!得られませんでした!!」状態になった事だ。

音喜多都議はまだ石原・浜渦氏に謝罪しないのか

そんな音喜多都議は「なぜか都議選後」に都民ファーストを離党し、現在は小池都知事、都民ファースト批判に明け暮れている。その際には謝罪ブログを公開したりもしている。

だがその中でも、石原氏・浜渦氏への謝罪は無い。

<音喜多都議の謝罪ブログより>

百条委員会に石原元知事や浜渦元副知事を召致したことについては間違っていないと思っています

極めて不透明な実態があったことを掘り起こした点については、意義はあったと思います

浜渦副知事は残念ながら証人尋問の場で事実と異なる証言を故意にされましたので、偽証罪に問うことも妥当だと考えます

と2人を悪人扱いし、偽証罪で告発した件も正当化している。

だがその結果は「不起訴」である。音喜多都議はまた間違えたのだ。

なのに不起訴の報道が有ってからも

と時間稼ぎの言い訳をしており、一切謝罪をしていない。

ちなみに不起訴理由は「刑事訴訟法第259条・第261条により、被疑者や告発人が検察官に不起訴処分告知書を申請する事で告知される」とされている。

つまり自動的には開示されないのだ。まあ今回の件は音喜多都議が拘っている様なので都議会が請求するかもしれないが。しかし、開示されたとしても「嫌疑不十分」の一言に違いない。

音喜多都議は「とにかく謝罪したくありません。みんなが忘れるまで、できるだけ時間を稼ぎます」と言っているようなものだ。酷いものである。

そういえば音喜多都議は、「盛り土」問題での小池都知事の違法な懲戒処分でも「責任が問われるのは止む得ない」と言っていた。

音喜多都議は様々な場面で自分を人権派のように主張されているが、どう見ても今やっている事は中世の魔女狩りレベルの人権意識の低さである。とても日本の首都を預かる都議会議員とは思えない。

私は、彼の謝罪ブログへの反論で「石原元知事や浜渦元副知事の名誉回復が不十分である」と書いたが、それから全く成長していないようだ。

まあ音喜多都議が成長しようがしまいがどうでも良い事なのだが、東京都に多大な貢献をされた石原氏、浜渦氏、赤星氏への名誉回復だけは果たしてもらわなければ困る。

ここは魔女狩りが行われていた中世ヨーロッパでは無い。平成も終わろうかとする現代日本なのである。

参照:百条委員会 Wikipedia毎日新聞・2017/4/6産経新聞・2017/4/26日本経済新聞・2017/5/29日本経済新聞・2017/6/7NHK NEWS WEB「浜渦元副知事ら不起訴に 百条委で偽証と都議会が告発」産経新聞・3/30時事ドットコム・3/30共同通信・3/30、おときた駿ブログ 2016/11/152017/3/122017/4/52017/4/102017/4/262017/10/25河野ゆうきブログ東京都議会法務省刑事訴訟法第261条弁護士相談広場



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author : 宮寺達也



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