出典:おときた駿ブログ
2月21日、伝統あるビジネス誌プレジデントオンラインに東京都議会議員の川松真一朗氏による刺激的な記事が掲載された。
この記事は1ヶ月前から予告されていたので楽しみにしていたのだが、期待を裏切らない内容であった。
この「ブロガー議員」とはもちろん自称ブロガー議員・音喜多駿都議の事である。私のブログでもこれまでに何度かその発言やブログ記事を批判した事があるので、なんだか他人事じゃない。
川松都議の記事を読んで感じた事、そして増え続けるブロガー議員への懸念を私も伝えたい。
ブロガー議員はたかがブログのPVのために国民の命を弄んでいる
川松都議は記事の中で、
たしかにブログを更新していれば都議としてはひときわ目立ち、人気も得られるのかもしれません。しかし彼に政治家として政策を実現する能力が本当にあるのかは甚だ疑問です。
と書き、音喜多都議にブログよりも実際の政治に専念して欲しいと警鐘を鳴らしている。
極めて同感である。
政治とはシンプルに言えば、国民の命を守る事である。ただそれだけの、しかし何万、何千万もの国民の命を背負うとてつもかく重い事である。
経済を発展させ多くの国民が豊かな暮らしをできるよう、医療を発展させ健康に生きれるよう、治安を発展させ安全に暮らせるよう、国民の命を守るために必要な制度を構築し、改善していくのが政治家である。
もちろん政治家も人間なので自分の利益を優先させるワガママをする事もあるだろう。
しかし多くの場合は、地元の有権者の利益を代弁している場合が多い。例えば地元に新幹線や高速道路を建設させようと働きかけたり、地元の農業や産業を守るための法改正を働きかけると言ったものだ。
それも問題だとは思うが、そのワガママの結果で得をする国民もまた多くいるのは確かだ。全体を見たときに天秤のバランスは取れていないかもしれないが、片方が落下するほど傾いてはいないという感じか。
しかしブロガー議員は政治という天秤において一方に国民の命を乗せながら、もう一方に「ブログのPV」「目立ちたい」という限りなくどうでも良いものを乗せている。このモラルハザードこそブロガー議員が日本を滅ぼしかねない問題である。
事実、音喜多都議は舛添元都知事の有る事無い事を連日連夜ブログで批判し、ついには退陣に追い込んでしまった。このことが、その後の小池都知事の誕生につながっている。そしてご存知の通り、豊洲市場移転の混乱、環状2号線の建設不可、オリンピックが大ピンチと、東京都はまさに滅ぼうとしている。
東京都に住む1300万人の命が脅かされる原因が、「ブログのPV」「目立ちたい」では脅かされる方はたまったものでは無い。
「土壌Xday」に見る、政治を混乱させるだけの炎上体質
しかし批判の意見もどこ吹く風で、音喜多都議はブログの発信を続けている。
舛添元知事は退陣後に、カップラーメンを食べていたのを「贅沢だ」と誰もが呆れる批判をされた。ストーカーもびっくりの粘着質である。
そして相変わらず豊洲市場移転を弄び、「土壌Xday」という意味不明な用語を百条委員会に持ち出して石原元知事、浜渦元副知事を糾弾した。川松都議も記事で指摘しているが、音喜多都議のブロガー議員として最も悪い癖が出ているのが「土壌Xday」である。
たとえば百条委員会では彼が持ち出した「土壌汚染Xデー」という言葉がメディアを騒がせました。
(中略)
ところが事実は逆でした。「Xデー」という言葉は、東京ガスの社内用語で、法の制定に先んじて、自らの土壌対策を発表する日でした。
(中略)
メディアが飛びつきそうな話題をつくることは天才的にうまいのですが、それが現実の行政を動かすようなものにつながっておらず、ただの時間のムダ遣いになっています。むしろ、音喜多氏が提起した問題でメディアが動いた結果、都民の目が本質的な問題からそらされているという印象すらあります。これが東京の発展を阻止した一面がある事を強調しておきます。
音喜多都議はこの「土壌Xday」をもちろん自分のブログでも大々的に紹介していた。
水面下交渉の新事実「土壌Xday」。安全・安心の政治利用は、浜渦・石原都政から始まっていたのでは
この記事で音喜多都議は石原元知事、浜渦元副知事を「都民に対する重大な裏切り行為であり、批判のそしりを免れることはできません」と書いている。ここまで侮辱しておきながら、「土壌Xday」がただのデマとわかった現在でも何の謝罪もしていない。これ、刑事事件だったら証拠を捏造して起訴したけど裁判で負けたようなものだよね。
これがただのブログならば良く有る話かもしれない。根拠不明の事実を大々的に報じたり、極論を言って炎上させてアクセスを集めるのは炎上系ブロガーの常套手段だからだ。
彼ら炎上系ブロガーはそうやって己の信用と引き換えにブログアクセスを集めて、そのアクセスに応じて広告収入を得るのが定石で有る。
しかし、これを政治の世界に持ち込まれてはたまったものではない。
ブログの炎上は己の信用を失うだけで済むが、政治の世界で炎上すれば失うのは国民の生命、財産である。事実、音喜多都議が「土壌Xday」などを駆使しくて豊洲市場移転を弄んだ事によって、東京都は1兆円とも2兆円ともいう巨額な損失を被ろうとしている。
政治をブログのネタくらいに思う人間に政治家の資格は無い
豊洲市場移転の延期で東京都が失うかもしれない2兆円。これは消費税1%増にも相当する、日本全体で見ても巨額な損失だ。これだけのお金があれば、一体どれだけの命が救えるだろう。何千人、いや何万人にも達するのでは。
繰り返すが、政治とは国民の命を守る事なのだ。
政治家がブログをするのは良い。普段どのような事をしているのか、どのような政治信念を持っているのか、どのような政治の実績があるのか、国民は知りたい。そしてふさわしいか判断したい。だから政治の結果をブログで公表するのは大歓迎だ。
しかし、ブログのために政治をするのは本末転倒もはなはだしい。国民の命を左右する政治をブログのネタくらいにしか思っていないという事は、すなわち国民の命をブログのPVで稼げる小銭程度にしか感じていないという事だ。
そんな人間に政治家の資格は無い。
SNSでの発信が当たり前になった現在、これからもどんどんブロガー議員は増えていくだろう。だがくれぐれも勘違いしないで欲しいと思う。ブログのために政治があるのでは無い、政治のためにブログがあるのだ。
ちなみに一部の方は私を音喜多に粘着しているアンチだと決めつけ、私が音喜多都議を嫌いだからやる事なす事批判していると思われている。もちろん今回の記事についてもそう思うだろう。だが勘違いしないで欲しい。
ま、はっきり言って音喜多都議は嫌いだけど、わざわざ批判するほど暇じゃないんですよ。東京都議という立場にある人が、無視できない大変に酷い事をやるから批判する。それだけの話です。