政治

米山隆一・新潟県知事 VS 松井一郎・大阪府知事。どっちが勘違い?

投稿日:

出典:新潟県・知事公式ホームページWikipedia 松井一郎

1月18日、ビットコインの暴落と26年振り日経平均2万4000円台という正反対の事象をしみじみと眺めていたところにニュースが飛び込んで来た。

日本維新の会代表である松井一郎・大阪府知事が、米山隆一・新潟県知事のツイッターの投稿が名誉毀損であるとして大阪地裁に550万円の損害を求めて提訴したのだ。

米山知事は私も過去のブログで2回ほど取り上げた事があるが、ツイッターで新潟県政と関係のない挑発的・差別的ツイートを繰り返し、度々問題を起こしている。

米山隆一・新潟県知事から学ぶ「勘違いエリート」の傾向と対策

米山隆一・新潟県知事の「勘違いブログ」を採点する

この時は石平氏への差別的ツイートを撤回もせず、開き直る姿勢を批判したものだ。世間の注目も高く、おかげさまで1万PVに迫る大変なアクセスをいただいた。今回のニュースで再びアクセスが集まっているのが何とも言えない。

松井知事はツイートに抗議するだけでなく、提訴までするというのだから凄まじい怒りが伝わってくる。また米山知事が差別的・侮蔑的なツイートをしたのかと思って見てみたが、ちょっと違う。

米山知事のツイートは確かに挑発的ではあるが、そもそも松井知事を対象にしていない。松井知事が名誉毀損で訴える方がスラップ訴訟ではないかと思う。

問題となった米山知事のツイートは衆院選の直後

松井知事が問題にしたツイートは2017年10月29日、大阪の府立高校で生まれつき茶髪の女子生徒が頭髪を黒く染める事を強要されて苦痛を被ったとして提訴した問題についてだった。

因みにこの「高校」は大阪府立高校であり、その責任者は三浦さんの好きな維新の松井さんであり、異論を出したものを叩きつぶし党への恭順を誓わせてその従順さに満足するという眼前の光景と随分似ていて、それが伝染している様にも見えるのですが、その辺全部スルー若しくはOKというのが興味深いです

ツイートリンク

松井知事はこの「異論を出したものを叩きつぶし党への恭順を誓わせてその従順さに満足する」という箇所を問題にし、

「『維新の松井さん」が自身を指していることは明らかである」

「党内でまるで『独裁者』であるかのように振る舞っているとの印象を抱かせる」

と批判、提訴に踏み切った。

米山知事は松井知事ではなく、橋下徹・元維新代表を批判した

これに対して米山知事は「ツイートは松井氏に対するもではない」「その事を再三に渡って説明している」「仮に松井氏を指していても、論評の範囲内」と取材やブログで反論している。

松井一郎大阪府知事・日本維新の会代表からの損害賠償請求訴訟について

私はこの件に関しては、米山知事の主張に軍配が上がると思っている。

「異論を出したものを叩きつぶし党への恭順を誓わせて」とはその直前、10月25日に日本維新の会の丸山穂高衆院議員が代表選を求めるツイートをしたところ、橋下徹・法律顧問が「代表選を求めるにも言い方があるやろ。ボケ!」と批判した問題を指しているのは客観的にも明らかだ。

つい1週間前に厳しい衆院選を勝ち抜いて、維新の会で3人しかいない小選挙区の当選者である丸山議員は、このツイートは原因で離党を表明するまでに追い込まれた(後に撤回)。

米山知事のツイートにも「眼前の光景と随分似ていて」と書いているので、特に批判しているのは「眼前の光景」である。府立高校の責任者が松井知事であるのはただの事実だ。

先述したように、この時期は丸山議員と橋下徹氏のツイッターバトルが話題になっていた。どのマスコミも「丸山議員 VS 橋下徹」と報道していた。

丸山穂高氏が、日本維新の会に離党届 橋下徹氏とTwitterで衝突 – HUFFPOST

私も米山知事は橋下徹氏を批判し、そして日本維新の会のあり方を批判していると解釈した。日本維新の会代表である松井知事への批判もあろうが、直接批判したとは思えなかった。

米山知事のツイートが新潟県政とは無関係な挑発的なツイートであるのは確かだが、松井知事への名誉毀損に当たるとは思えない。

日本維新の会(松井知事)の評価は既に下がっていた

日本における名誉毀損とは「事実を摘示した場合や、意見ないし論評社会的評価が低下した場合に名誉毀損による不法行為が成立する」となっている。

皆がちょっと勘違いしていそうな事は、「事実」や「ただの意見、論評」であっても現実に社会的評価が低下すれば名誉毀損が成立する事である。

「本当の事を言っただけじゃん」

が通用しない場合があるのが怖いところだが、実際に認定されるのは故意で相手の評価を貶めた場合が大半であり、当然常識の範囲の言論は免責される。

松井知事は米山知事のツイートにより「自分が独裁者と思われ、社会的評価が下がる」と主張している。だがこれも米山知事の主張通り、仮に松井知事を批判したものであったとしても違うと思う。

代表選を求めた丸山議員を離党(寸前)に追い込んだ事で、日本維新の会、そして代表である松井知事の評価はとっくに下がっていたからだ。

丸山議員は衆院選の総括と代表選が必要と主張した。日本維新の会は直前の衆院選で、その前の衆院選での41議席を遥かに下回る11議席と大惨敗していた

この惨敗理由に、希望の党と選挙協力した「野合」の影響があったのは確実だ。それを主導した松井代表の責任は大きい。このままでは日本維新の会は次の選挙で消滅する恐れもあり、他の政党ならば代表交代は当然だ。事実、民進党も希望の党も代表が辞任し交代している。

そんな丸山議員の訴えを橋下徹氏は「ボケ!」と批判した。代表である松井知事は橋下氏に賛同し、「小選挙区で通ったのは自分1人の力じゃない。もう少し大人になればいいのになと思う」と丸山氏を批判した。そしてそのまま代表選は実施されず、松井知事は代表を継続している。

これにドン引きした国民は多かった。その直後の日本維新の会の支持率は2.7%であったが、12月には2.3%まで落ちてしまった。衆院選に候補者を立てなかった民進党にも追い抜かれ、もはや泡沫政党である。

米山知事のツイートで社会的評価が下がったとは流石に言いがかりである。日本維新の会、そして代表である松井知事はとっくに評価を下げていたのだ。

大阪を愛すればこそ、無意味なスラップ訴訟は止めて欲しい

そもそも、政治家が言論で批判されたのならば言論で対抗するのが筋である。

反論する機会の無い一般人と違って、政治家は、特に松井知事は幾らでも正当性を訴える機会が存在する。米山知事のツイート1つ、堂々と反論を主張すれば良いだけだ。判断するのは国民だ。

大阪府知事、国政政党の代表とは、米山知事のたった1つのツイート(しかもせいぜい1867RT、数万RTされてバズった訳でも無い)で評価が下がるような存在では無い。

そして何より、言論に対して訴訟で対抗というのが悲しい。

確かに訴訟は国民の権利であるが、今回はスラップ訴訟ではと思う。スラップ訴訟とは強者が自分に批判的な言論に対して裁判を起こす事である。恫喝に近く、反社会的行為とも言われている。

大阪府知事という日本第2の地方自治体のトップがスラップ訴訟と思われる行為をするのは残念だ。もし裁判に負けた場合、松井知事の評価はさらに下がるだろう。松井知事のためを思えばこそ、裁判に訴えるのは止めて欲しい。

私は大阪大学に入学してから、12年以上大阪で暮らしてきた。2008年の橋下徹府知事の誕生、そして2011年のダブル選挙、いずれも橋下徹氏と松井一郎氏に投票してきた。

特にダブル選挙での圧勝の時は、本当に大阪が変わるとの確かな期待感があった。

しかしあれから7年、大阪都構想の住民投票も失敗し、大阪の改革は進んでいないように感じる。大阪の改革を実現するためには、大阪府民・大阪市民の信頼が不可欠だ。

このようなスラップ訴訟とも思われる訴えを起こしていても、信頼獲得には繋がらないのでは。本当に心から第2の故郷、大阪を愛するものとして危惧している。

参照:産経新聞・1/18産経新聞・1/18朝日新聞・1/18産経新聞・2017/10/31Wikipedia 名誉毀損Wikipedia スラップ



   ● オススメ商品
                     
 
   

-政治

author : 宮寺達也



関連記事

ネットの後押しで小泉進次郎総理が爆誕する日

出典:小泉 進次郎氏のFacebookページ 12月5日、安倍晋三首相の在任日数が歴代6位になったことがニュースになった。支持率は未だに60%近くの高支持率をキープしており、後4〜5年は安倍政権が続き …

最高裁判所・裁判官より、地方裁判所・裁判官の国民審査を

出典:イラストAC いよいよ今週末の10月22日は第48回衆議院選挙の投票日である。「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」とは昭和の大物政治家・大野伴睦の言葉である。投票日を目 …

「希望の党」小池百合子代表を侮らず、しかし恐れず

出典:YouTube 【公式】希望の党 小池百合子氏が立ちあげた希望の党だが、予想通りと言うか、それ以上の注目度である。10月22日投開票の衆議院選挙の台風に目になりそうだと、各マスコミが相次いで報道 …

厚生労働省の「若者って本当に損なの?」に論理的に反論する

出典:厚生労働省・いっしょに検証!公的年金 池田信夫氏がブログで厚生労働省の年金マンガを紹介されていた。 この年金マンガは以前からネットで内容が酷いと話題になっていたものである。池田氏は第11話に出て …

無関係だけど、ドン(内田茂氏)批判に回答してみた

画像出典:内田茂公式ブログ 2月5日に投開票が迫っている千代田区長選において、アゴラで議論が白熱している。 川松真一朗都議 小池支持者も驚愕、千代田ファーストは内田茂都議の政策だった⁈ 伊藤陽平新宿区 …

           

● サイト内検索



● アクセスランキング(月間)



● オススメ記事


● オススメ商品




● カレンダー
2018年5月
« 4月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031