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ビットコイン暴落。「大丈夫、これはもうバブルじゃ無い!」と安心してからバブルは弾ける

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出典:いらすとや

1月17日、仮想通貨のビットコインが暴落した。

ビットコインは2017年に大きく値を上げ、12月中旬には過去最高の220万円を越えていた。しかし、1月17日には最安値100万円まで値下がりしてしまったのだ。

1月17日だけでも60万円以上、30%を超える暴落だ。ビットコインだけでなく、「イーサリアム」や「ビットコインキャッシュ」と言った他の仮想通貨も30〜50%と大幅に値下がりしている。

1,000万円とか3,000万円とか、一生分の損失を被ったという報告が相次いでいる。確定申告が近づいてきたこの時期に、なんとも痛々しい話である。

この暴落を見て「仮想通貨なんて怪しいもの、バブルだったんだ。弾けて当然だよ」と言う声が多い。ちなみに

「火葬通貨来てる?w」

「私は仮想通貨はバブルだと10年前から警告してました!(髪の毛を紫色にしながら)」

なんてコメントには笑ってしまったが。もちろん私もバブルだなと思っている。しかし、それはあくまで後付けだから言える話だ。

バブルの何が怖いって、みんなが「大丈夫、これはバブルじゃ無い。本物だ!」と思うからこそバブルは膨らむのだ。怪しいと思う人が多かったら、そもそも膨らまない。

そうしてこれ以上なく大勢を巻き込み膨らんだ所でバブルは弾ける。バブルがいつ弾けるか、多分ずっとわからないままなんだろう。


奇しくも1月17日はライブドア・ショックが起きた日

ビットコインが暴落した1月17日は、印象深い日である。

1995年1月17日、阪神淡路大震災が発生した。私はあの時、富山県で中学生だった。ほとんどというか、全く地震がない富山でも震度4の揺れ。怖かったが、それ以上にとんでもない何かが起きてる予感がした。

そうしてテレビを見て知った、大阪、神戸の被害。少しでも何か力になりたいと、関西方面の大学に行きたいと思った。そして、4年後、私は大阪大学に入学する事になる。

そしてもう1つ、2006年1月17日。その前日に東京地検特捜部が証券取引法違反容疑でライブドア本社に強制捜査を行なった事で、ライブドア株の上場廃止を恐れた投資家が売り注文を殺到。株式市場は大パニックになった。(マネックス証券が予告なくライブドア株の担保を掛け目ゼロにした事も大きかった)

ライブドア株はその日から5日連続でストップ安。1月16日には696円だった株価はあっという間に137円と1/5になってしまった。

また、ライブドアだけでなく他の株価も軒並み売られ、日経平均も500円近く下がってしまった。さらには1月18日、株式市場が混乱し続けて大量の注文が殺到したため、東京証券取引所のシステムが限界、史上初の全銘柄取引停止になってしまった。

あの頃の私は会社に入社して1年目であり、まだまだ目の前の仕事に精一杯であった。そのため、どこか他人事のような感じでそのニュースを見ていた。

しかし、他の人たちは違ったようだ。そのとき電機・精密機器メーカーの業績は好調であった。小泉政権が郵政選挙で圧勝して構造改革への期待が高まり、株価もどんどん上がっていった。昔から会社の持株会に投資していた上司は「500万円が1000万円になった」と自慢していたし、株式投資をしている同僚も多かった。

「えっ、お前まだ株式投資してないの?絶対に儲かるのに」という声が蔓延しており、それを疑うような空気は無かった。事実、私ももっとお金を貯めて、株式投資を始めたいと思っていた。

もちろんライブドアショックは人為的というか、ひき逃げ事故みたいな側面がある。しかしライブドア株価が底をついても、軒並み下がった他の株価もなかなか回復しなかった。

1年後には株価は回復し、最高値を再び更新する勢いになったが、2008年に今度はリーマンショックが襲ってきた。結局、あの頃投資した持株などは2005年水準の1/4程度にまで落ち込み、今に至るまで回復していない。

みんなが「大丈夫、これはバブルじゃ無い。本物だ!」と思うからこそバブルは膨らむ

このように、私は2005〜2008年にかけての株式市場のバブルとその崩壊を目撃してきた。まあ、1980年代の土地バブルとかと比べれば可愛いものかもしれないが、流石にそちらは記憶にないので。

バブルを振り返って思うのは、その最中にいるときバブルだという実感は無い。むしろ崩壊する時期に近づくほど、バブルという感覚が消えていく感じだった。

株式だろうが仮想通貨だろうが、突き詰めれば値上がりとは「みんなが欲しい」という心理だけだ。心は説明できない。どこまでも上がると思えば、どこまでも上がるのだ。

ライブドアの株価が暴落する寸前、700円前後であった。ライブドアはニッポン放送の買収スキームに成功し、多額の利益をゲットするなどノリにノっていた。株価は700円どころか、1,000円、2,000円を目指して上がっていくなんて思われていた。

ビットコインを始めとした仮想通貨にも同じ事が起きていると思う。

<仮想通貨のバブルの予兆>

・サイバーエージェントの藤田晋社長が「2018年はAI、VRよりビットコイン」と予測

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」という仮想通貨を紹介する本がベストセラー

・横須賀線の電車内に「お金2.0」の中釣り広告がでっかく登場。ホリエモンが「仮想通貨はまだ序の口、これからどんどん伸びる」とコメント

・Gacktが仮想通貨の事業「SPINDLE」を開始。「ここから10年後、紙幣もなくなる世の中が必ず訪れる」とブチ上げる

・三菱東京UFJ銀行が独自仮想通貨を発行へ

・メルカリが仮想通貨事業に参入

・ブームに乗って仮想通貨アイドルが誕生

・ツイッターのアカウント名に「@仮想通貨」が乱立

・「@仮想通貨」の皆さんが「ビットコインはまだまだ伸びる。年末には2000万円」「絶対に儲かる」「これでオレも億り人」と煽る煽る。

まあ、これだけ仮想通貨を推す人が増えれば、「みんなやってるなら安心」「乗り遅れたら、私だけ損してしまう」と思う人が増え、さらに過熱する。

思い出せばビットコインがバブルだと言われたのは11月ごろに50万円を突破したあたりだったと思う。1月は10万円程度だったので、5倍の上昇。その時期はみんなバブルだと思った。しかし、その懸念をあざ笑うかのように200万円を超えてしまった。「億り人」の報告が続出し、「これは本物だ」とみんな思うようになった。

こうしてビットコインはバブルを懸念する時期が過ぎ、「大丈夫、これはバブルじゃ無い。本物だ!」とみんなが思う事で本物のバブルになっていった。

バブルの見分け方なんて誰にもわからないけど、できるだけ歴史に学ぼう

バブルは終わってからなら、「なぜオレはあんなムダなモノを・・・・・・」と誰でもわかるものだ。しかし、未来がわからない人間にはそれを判断する術は無い。

決めるのは「みんながそう思う」というあやふやな人間の心だけである。

過去にはチューリップ・バブルと言って、チューリップの球根に異常な値段がついた事もあるのだ。富山県に来ればいくらでも売ってるのに。

ただ、バブルを見分けるヒントがあるとすれば「お前が?」と言うようなど素人が参入するのが1つの合図なのだろう。

世界恐慌の時のジョセフ・ケネディ氏のエピソードが有名だ。

有力な政治家であり、投資家としても大成功をおさめていたジョセフ・ケネディは、あるときニューヨークの街角で靴磨きの少年に靴を磨かせていた。少年は目を輝かせて、あれこれと株式市場の話を熱心にする。ケネディは、その様子を見て不安に感じ、家に戻ると持ち株の売却の注文を出したのである。後世「暗黒の木曜日」として知られる世紀の大暴落が起きる直前のことだった。

ビットコインでも同じような状況が起きていたはずだが、欲にまみれた人間の心では判断が難しい。もしAIが発達すれば、もしかしたらバブルの崩壊を直前で予測できたりするようになるのだろうか。

参照:ビットコインリアルタイムチャート産経新聞・1/15産経新聞・1/17NHK WEB NEWS・1/17REUTERS・1/17HUFFPOST・1/17日本経済新聞・1/17TechCrunch・1/16Gigazine・1/16Wikipedia ライブドア・ショックライブドアショックで多重債務者になった「ルカ」のブログ「~我想集~」保管庫ユリウスの株式投資THE・PAGEWikipedia チューリップ・バブル市況かぶ全力2階建

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author : 宮寺達也

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