ライフ

37歳の誕生日に考えてみた。松坂世代が果たした「兄」としての役目

投稿日:

出典:いらすとや

私事で恐縮だが11月15日は私の誕生日である。2017年11月15日12時15分に満37歳となった。改めて、私を産み育ててくれた両親、これまで支えてくれた方々、今この世に生きていることに感謝の気持ちが溢れてくる。

さて、去年の36歳の誕生日は「36協定は非人道的か?36歳の誕生日に考えてみた」という記事を書いたわけだが、37歳の今年は何にしようか。

そう考えている私に飛び込んで来たニュースが、「松坂世代」のプロ野球選手の晩年を伝えるものであった。

松坂だけでなく現役の半数が戦力外に…37歳を迎えた「松坂世代」

減りゆく「松坂世代」、今季19人中10人に動き 険しい「名球会入り」への道

そう。かつてはプロ野球界を席巻した松坂世代は華々しい活躍はしたものの、球史に残るような偉大な成績に辿り着くまでには至らず、ほとんどが引退しようとしている。

同い年として寂しくはあるが、だからと言って松坂世代が期待外れで終わったとは思わない。

松坂世代(1980年生まれ)は挑戦する姿勢を貫き、下の世代の目標であり続けた。そう、「兄」としての役目を全うしたのだ。


リアルタイムで感じた、松坂世代の凄さ

改めて説明すると、松坂世代とは1980年(昭和55年)代に生まれた日本のプロ野球選手である。

今でも手に取るように思い出せるが、私が高校3年生、第80回の夏の甲子園は本当に熱かった。

大本命は松坂擁する春の甲子園チャンピオンの横浜だったが、ライバルたちも熱かった。まず1回戦で鹿児島実業の杉内がノーヒットノーランを達成した。そして2回戦で横浜と対戦するが、松坂自ら本塁打を打っての完封勝利。凄みを見せつけた。

また、ライバル本命の新垣擁する沖縄水産が1回戦で敗退したり、後のソフトバンクのエース・和田擁する浜田がベスト8まで勝ち残ったり、地元の富山商業が名門・報徳学園に勝利したり。熱かった。

そして松坂は名門・星稜も完封しベスト8へ。それから伝説となったPL学園との延長17回の死闘。明徳義塾との6点差をはね返す逆転勝利。決勝でのノーヒットノーラン。本当にドラマや漫画の世界のような熱い試合ばかりであった。

その時期、夏休みだが受験と体育大会の準備のため高校に通っていたが、みんなラジオで流れる甲子園の速報に夢中だった。

もうとにかく痺れるように熱い毎日だった。今の松坂がどんなであれ、あの時の松坂を知っている人は「松坂世代」という言葉に異論はないだろう。

その後も松坂は衝撃的なプロデビュー、高卒ルーキーながら3年連続の最多勝という度胆を抜く活躍。何より、杉内、新垣、和田、村田、森本、JFK(藤川球児、久保田)、館山等々、多くのライバルたちが厳しいプロの世界で成功したのが凄かった。ついには松坂世代が中心になって2006年、2009年とWBCで連覇し、松坂が連続MVP。凄まじかった。

さらには、プロ野球以外でも松坂世代が熱かった。史上初の年間6場所完全優勝を果たした朝青龍。能代高校で史上初の9冠を達成し、日本人初のNBAプレーヤーになったた田臥勇太。世界陸上で200mで銅メダルと獲得した末續慎吾。お笑い芸人として芥川賞を受賞したピースの又吉直樹。

まあ、とにかくすごい奴らが揃った世代だと思う。ひいき目無しで。

国内での活躍に満足せず世界に挑戦し、「弟」の目標になった

しかし、華々しい活躍をしていた松坂世代も晩年に差し掛かり、トータルの実績に目を向けてみると結構寂しいものになっている。

冒頭で紹介したように、松坂はソフトバンクで3年連続シーズンを棒に振り引退寸前である。松坂の成績は日米通算164勝であり、名球会(200勝、250セーブ、2000本安打)には程遠い。次に続く成績は杉内の142勝であり、厳しい。

名球会に近いのは藤川球児の223セーブと村田の1865安打であるが、可能性があるのは村田だけに感じる。

朝青龍も25回優勝したが暴行事件で引退。田臥もNBAで華々しい活躍はできず。末續も100mの自己ベストは10秒03であり、9秒の壁を越える事ができなかった。

こうして見ると、松坂世代は若い時に華々しい活躍をしたがトータルでは偉大な実績を残せなかった普通の世代、と将来の歴史には記されそうだ。

だが、私はそれでも松坂世代は偉大で、歴史を変えた世代だったと思っている。それは日本という狭い世界に囚われず、多くが世界を意識していたからだ。

松坂はWBCでの活躍に留まらず、ポスティングでメジャーに挑戦した。それから、和田、藤川球児も続いた。その頃にはメジャー挑戦自体は普通になっていたが、野茂・イチロー・松井のように成功を保証されたものでは無かった。

事実彼らはメジャーで偉大な実績は残せなかった、そのせいで通算成績も大きく毀損してしまった。彼らがメジャーに行かなければ、日本で偉大な成績を残せていたという人は多い。

だが、成功が保証されているならばそれは挑戦とは言わない。私は松坂・和田・藤川球児のメジャー挑戦と失敗は、若い日本のプロ野球選手にとって本当の意味での「開拓」になったと思う。

そうやって松坂世代の背中を見て育ってきた後輩たちにメジャー挑戦の現実をしっかりと理解させ、より一層の努力を促した事が、岩隈、ダルビッシュ、田中将大、前田の成功に繋がっていると思う。

他でも、朝青龍の下の世代では白鵬という大横綱が誕生した。田臥も川村・竹内・冨樫といった日本人NBAプレーヤーが、末續も桐生・ケンブリッジ飛鳥がといった、より凄まじい後輩が育っている。

彼らもまた、日本国内の古い慣習や国内だけの成績に満足せずに世界に挑戦して行った。そうして後輩たちにより高みに、世界に挑戦する背中を見せ続けた。その結果、偉大な後輩たちが育っている。

そう、松坂世代は「兄」だったのだ。「弟」をより強く成長させるために前を走り続ける存在だったのだ。

「弟(妹)最強論」と、そのために必要な「兄」の存在

私は常々、「弟(妹)最強論」を唱えている。プロスポーツのような厳しい環境で大成するのはほぼ確実に「弟か妹」である、という法則である。

有名どころでは、イチロー・松井秀喜が次男。白鵬が5人兄妹の末っ子。浅田真央は妹。吉田沙保里も妹、伊調馨も妹。キングカズ(三浦知良)も弟。澤穂希も妹。桐生祥秀も弟。大谷翔平も弟。

歴史に名を残すようなトップ選手はみんな弟か妹なのだ。

全く根拠が無い個人的理論だが、かなり当たっている気がする。スポーツ選手は兄妹で同じ競技をしている事が多い。幼少期に常に自分より上手い存在(兄・姉)を目標にして努力する事で、より高いレベルのプレーに触れる経験、意識が高まるのではないかと思っている。

私は松坂世代は様々な分野で国内トップ選手として活躍し、また世界に挑戦する姿を見せ、後輩たちの目標となりながら基準を上げ続けて来たと思っている。その結果、より若い世代で世界でも通用する人材が多数育っている、と。

田中将大、大谷翔平、桐生祥秀のような若い世代が、松坂世代が突破できなかった世界の壁を打ち破ってくれている。この流れは東京オリンピックに向けて、さらに加速していくに違いない。

松坂世代は歴史に残る実績は作れなかったかもしれないが、歴史は作ったと思う。同い年として誇りであり。その生き証人であり続けたいと思う。

ちなみに宮寺家においても、私には弟がいる。未だに結婚もできない不肖な兄と違い、結婚して可愛い孫の顔を親に見せてくれている、親孝行者である。

自分の誕生日に自分の将来よりも弟家族の幸せを願う37歳のおっさんであるが、あまり悪い気分では無いかな。

参照:Wikipedia 松坂大輔Wikipedia 松坂世代1980年(昭和55年)生まれの有名人!

-ライフ

author : 宮寺達也

オススメ商品


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

頑張れ受験生!センター試験で自己ベストを出す方法③

出典:写真AC いよいよ1月14日(土)、平成29年度大学入試センター試験の本番だ。 頑張っている受験生のみんなにセンター試験本番で自己ベストを達成してもらうべく、第1回の記事では「心と体のバランスを …

頑張れ受験生!センター試験で自己ベストを出す方法②

出典:写真AC 3連休が終わり、1月14日(土)、15日(日)の平成29年度大学入試センター試験まで5日を切った。 前回の記事ではセンター試験本番で自己ベストを達成するための3連休の過ごし方のアドバイ …

東急ハンズ 〜江坂店とボクと、時々、台湾店〜

出典:東急ハンズ公式twitter 「売ってるよ!東急ハンズとニトリの希望グッズ」の記事が大変好評で、公開から3日経ってもアクセスが殺到している。PVも9,000を超え、色々と書いて来た衆院選シリーズ …

鉄道会社の「STOP自殺ポスター」は撤去するべきではない

出典:イラストAC 愛知県と岐阜県の鉄道会社が駅に掲示した自殺防止ポスターにクレームが入った事で、撤去する動きが出ている。 ポスターを制作を呼びかけたのは名鉄(名古屋鉄道)であり、JR東海、近鉄、名古 …

頑張れ受験生!試験前日のホテルはお母さんと過ごすべし

出典:Wikipedia(大阪大学吹田キャンパス) 1月23日(月)から、いよいよ国立大学2次試験の願書受付が始まった。 願書を提出すれば、後は2次試験本番で結果を出すだけである。前回の記事では2次試 …













2017年11月
« 10月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930