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NHK受信契約の最大の問題点は、強制契約よりも高過ぎる受信料

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出典:Wikipedia 日本放送協会

NHK受信料制度が合憲か否か、いよいよ最高裁判所で判決が下される事になった。

この裁判は、NHKが東京都内の男性に「テレビを設置した2006年からの受信料を支払え」と訴え、男性が「契約の自由を侵害している」と反論しているものだ。

一審、二審とも「(災害報道などを考慮し)契約の強制は、公共の福祉にかなう」「裁判で勝訴が確定したら、契約が成立する」「テレビを設置した日時(2006年)に遡って、受信料を支払う義務がある」と判断した。

一見するとNHK大勝利に見えるが、NHKも男性も不服として上告している。NHKにとって裁判で勝訴しないと契約が成立しないとなると、いちいち裁判を起こさなければならず、しんどいからだ。

私は近代法の原則である「契約自由の原則」が、一民間企業であるNHKに優越するとはとても思えないので、最高裁がNHKの受信契約は違憲であると判断する事を期待している。

だが、NHKの受信契約の最大の問題点は「強制契約」ではないと思っている。それは「受信料の法外な値段」である。


こんなに高い!NHKの受信料

NHKの受信料は衛星契約と地上契約がある。地上契約は2ヶ月で2,520円、衛星契約は2ヶ月で4,460円である。

では、他の番組配信サービスや衛星放送の月額料金と比較してどうか、見てみよう。

WOWOW : 2,300円 (3CH。地上波未放送の最新映画、ライブ、スポーツなど盛りだくさん)

NHK(衛星) : 2,230円 (4CH。メジャーリーグとか欧州サッカーが観れる)

スカパー(セレクト5) : 1,980円 (5CH。45チャンネルの中から好きな5つを選択)

NHK(地上) : 1,260円 (総合と教育の2CH。ニュース番組と災害報道が売り?)

Netflix : 1026円 (HD画質でオリジナル作品、映画、海外ドラマ、アニメを2000作品以上、見放題)

Hulu : 1,007円 (オリジナル作品、映画、海外ドラマ、アニメを3万作品以上、見放題)

Amazon : 400円 (オリジナル作品、映画、海外ドラマ、アニメを2万作品以上、見放題)

こう見ると、改めてNHKの受信料って高いなと思う。衛星契約はBSが2チャンネル増えるだけだが、それでWOWOWとほぼ同じ金額だ。スカパーの5チャンネルより高い。地上波ではまだまだ放送されない最新映画や海外スポーツを見放題のWOWOWと比較できる番組ラインナップでは無いだろう。

地上契約はさすがに衛星放送サービスよりは安いが、番組見放題でも何でも無い、ライブ配信限定のサービスがAmazonプライムビデオの3倍の値段って、異常な金額だ。

NHKは裁判で、

ドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」を例に挙げ、「不偏不党を貫き、視聴率にとらわれない豊かで良い番組を放送するためには、安定財源を確保する手段としての受信料制度が不可欠」

と主張しているが、じゃあ朝ドラとか大河ドラマとか紅白歌合戦とか、ドラマやバラエティという視聴率にとらわれた番組に多額の制作費をつぎ込む理由になっているのだろうか。

しかもNHK職員の平均年収は1,126万との事だ。はっきり言ってめちゃくちゃ高い。あまり他人の給料が高いとか下げろとかは言わないようにしているが、「災害報道」「不偏不党のドキュメンタリー」を作成するためには、ちょっと多すぎる人件費だとは思う。

仮に合憲だとしても、料金の高さは見直しできる

NHKの受信契約が合憲かどうか判断する最高裁判決は、12月6日に出される。私はNHKの受信契約強制が近代法の原則である「契約自由の原則」を上回るとは思えないが、違憲判決が出れば大きく混乱するのは確かだ。

これまでの最高裁の判決は保守的なものが多いので、合憲判決が出る可能性もあると思っている。

しかし、裁判では受信料制度の是非だけが争点になっているようだが、この「受信料の高さ」は議論されているのだろうか。

放送法第64条第3項では「契約の条項については、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない」となっている。

つまり、受信料の金額は衆議院選挙によって選ばれた内閣、その総務大臣がちゃんと審査する事で国民が納得する金額になっているという理屈だ。

しかし、これは契約者である国民の合意無しに受信料が変更できるという事だ。明日突然にとは言わないが、12月に裁判が終わって合憲判決が出た後、しれっと受信料を月1万円に上げる事も可能な訳である。

契約とは、「誰と」「どんな内容で」「どんな形式で」、それら全てに双方が納得して初めて結ばれるものである。

裁判は月額1,260円を前提として議論が進んでおり、その範囲で「公共の福祉」に合致しているとの判決になってきたと思う。しかし、もし月額1万円だったら同じ判決になるだろうか?

私はNHK受信料は月1,260円でも十分に高いと思うし、さらに上げられる可能性があるのは恐ろしい。最高裁はその「受信料の高さ」もしっかりと考慮して判決を出して欲しい。

そして、料金を上げる事が可能という事は、逆に言えば下げる事も可能である。仮にNHKの受信契約が合憲だとしても、国民の声を通じて料金を下げる事が出来るはずだ。

どんな判決になったとしても、「NHKの受信料は不当に高い」という事はしっかりと訴えていきたい。できるならば次の衆議院選挙では争点になって欲しいと思う。

放送法は60年前の古い技術が前提。スクランブル放送こそ現代の受信制度

そもそも放送法が想定するNHKの受信料制度は、白黒テレビ時代の技術を前提としている。

白黒テレビがスタートした1953年、当時はアナログ放送でどこの誰が放送を受信しているか全くわからなかった。しかも放送局もNHKと日本テレビだけだった。そのため、当時は「テレビを持っている=NHKを観ている」だった。

しかし、地上デジタル放送がスタートし、様々な衛星放送、ケーブルテレビ、ネット配信サービスが群雄割拠している2017年には「テレビを持っている≠NHKを観ている」である。テレビを持っていてもNHKを観た事も無いという人は大勢いる。

しかも、デジタル放送のスクランブル技術によって契約していない人はNHKを観ないようにする事ができる。

過去と現代の環境の違い、技術の違い、契約自由の原則、受益者負担の原則、どこからどう考えてもスクランブル化が正解としか思えない。

それにNHKは減収を気にしているのかもしれないが、私が「NHKがスクランブル化しても、受信料収入はそんなに下がらない」で書いたように、スクランブル化しても受信料を払う人は大勢いるし、経営に問題は無い。

仮に最高裁で受信料制度が合憲となっても、総務省・NHKは時代にあった受信料制度・料金に改正して欲しい。

ちなみに私はマジでNHKの番組は見ないので、スクランブル化されたら契約する気は無かった。だが、メジャー2ndがアニメ化されるというので、今は契約しても良いと思っている。

参照:NHK NEWS WEB・11/1時事通信・11/1日本経済新聞・10/25テレ朝ニュース・10/25NHK受信料の窓口

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author : 宮寺達也

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