政治

小池百合子・希望の党代表はどうして「排除いたします」と言ってしまったのか?

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出典:0テレNEWS24

前回の記事にも書いたのだが、希望の党はたった2週間前の結党当時の勢いはどこへやら、すっかり失速してしまっている。

そうなると、「小池旋風」を当て込んで希望の党に駆け込んで来た人達や、希望の党代表・小池百合子氏の支持者から投票日前にも関わらず、恨み節や敗戦の弁が聞こえて来る。

ある希望の候補は「(民進党出身者を選別した)小池氏の『排除』発言で100議席減った」と不満を漏らした

希望の党関係者は「小池氏が民進党左派を『排除する』と発言して以降、雰囲気が変わった」と漏らす

小池さんのシナリオを狂わせたのは、あの発言…

これほどまで恨まれている「排除」発言だが、小池氏はどのようなつもりで喋ったのであろうか?

テレビキャスター出身であり、都知事として数々の記者会見をこなして来た小池氏は失言には十分に気をつけていたはずだ。なので私は「うっかり失言してしまった」とは思わない。「排除」発言は小池氏なりの計算の上の言葉であり、そして見事に目論見を外してしまったのだと思う。


「排除」は2回繰り返して言っている。明らかに意図的な発言

排除発言が飛び出したのは、民進党が両院議員総会で希望の党への合流を決断した9月28日の翌日、29日に都庁で開かれた記者会見の場であった。

(横田一記者)
民進党の前原誠司代表が「(民進党から希望の党に)公認申請すれば、排除されない」と発言したことに関し、小池氏は「安全保障、憲法改正で一致した人のみ公認する」と明言している。前原氏をだましたのか? リベラル派“大量虐殺”なのか?

(小池代表)
前原代表がどういう発言をされたのか承知していませんが、排除されないということはございません。排除致します。というか、絞らせていただくということです。それはやはり、安全保障や憲法観という根幹部分で一致していくことが政党の構成員として必要最低限のことではないかと思っています

小池氏は横田記者の「騙したのか」「大量虐殺なのか」という質問に対して、「排除」という言葉を2回繰り返してまで「リベラル派は排除する」と明言してしまった。

横田記者が「虐殺」といった強い言葉を使ったので、それにつられて強い言葉を使ってしまったという事はあるだろう。

しかし、2回も繰り返して強調した事やその後も撤回していない事、実際に「踏み絵」と呼ばれた政策協定書でリベラル派は公認しない姿勢を鮮明にしているので、本心から出た言葉と思われる。

結果的に致命傷とも言える失言になってしまったわけだが、この時点では勝算が有っての発言だったはずだ。

ちなみにこの横田記者は小池都政や都民ファーストの会に批判的で知られるフリージャーナリストである。都知事記者会見にも度々参加しているが、いつも指名されない事で知られている。この記者会見での指名は半年振りであったらしい。

そんな横田記者に念願の国政政党・女性総理の夢を砕かれるとは。これは「情報公開」を掲げながら実態が全然違った事への罰なのかもしれない。

小池都知事が狙っていた「民進党議員のギロチンショー」

では小池氏は「排除」という強い言葉を使って、一体何を狙っていたのか?

ズバリ、「民進党議員のギロチンショー」ではないかと思う。

都知事選、千代田区長選、都議選と圧勝し続けた小池氏だが、その戦略は実にシンプルである。「テレビに出まくる事」だ。

そのため小池都知事は自らを悪と戦うジャンヌ・ダルクのように見せようと、様々な敵を設定し、徹底的に断罪して来た。

都知事選・千代田区長選では自民党の内田茂都議を「都議会のドン」と強大なボス敵に設定し、都民ファーストの会と一体になってそれはもう酷い人格攻撃に終始していた。

都知事に就任してからも豊洲市場移転問題で「盛り土」が無かった事に過剰反応し、違法な懲戒処分で職員を断罪した。

オリンピックの会場問題では森元総理が敵認定された。そして豊洲市場移転問題で百条委員会を開催し、脳梗塞の後遺症に苦しむ石原元都知事をよってたかって質問責めにするという醜悪なものを見せてくれた。さらに浜渦元副知事を大した根拠もなく偽証認定した。

小池都政の1年間では、これまで都政に関わり努力して来た人を踏みにじる「小池氏によるギロチンショー」が度々振るわれて来た。そして、多くの方の人生を狂わせている。

しかし、この「ギロチンショー」はテレビに大好評であった。毎日のようにニュース、ワイドショーで取り上げられ、都議選で圧勝してしまった。

つまり小池氏は希望の党を選挙で勝たせるために、都政でやったようなギロチンショーを再び行い、選挙期間中テレビに出まくる事を狙っていたのではないか。

そのギロチンショーの罪人として、民進党のリベラル派が狙われたのだろう。

どうしても選挙に落ちたくないため自らの信念に反する踏み絵を踏まされながら、「公認してください」と小池氏に土下座する民進党議員の姿。非常にゲスだが、間違いなくテレビ受けする映像だ。

さらに、土下座する議員の中に大衆から嫌われている人がいたら。「月に代わってお仕置きよ」とばかりに、皆の嫌われ者の公認を認めずに政治生命を終わらせる。これ以上ないギロチンショーになり、大衆は熱狂するだろう。

小池氏はこうしたテレビ受けする話題を作り続けるため、民進党のリベラル派を排除するつもりだったのではないか。だから、「排除」という言葉は本心から、むしろ狙って言ったと思う。

民進党議員は大衆の敵では無かった。狂った小池氏の計算

しかし、ちょっと考えればわかる事であるが、野党の民進党議員は大衆の敵になるだろうか?

ま、ならないよね。

小池氏がこれまで敵認定して来たのは、内田都議・森元総理・石原元都知事のように「長年、与党として君臨して来た」「昭和のイメージが漂う、いかにも頑固そうな」「権力を悪用して、ずっと甘い汁を吸ってそう」と世間で思われていそうな政治家であった。(私は根拠もなく、そんな事はさっぱり思わないが)

しかし、民進党の議員は違う。野田・菅元総理のように首相経験者もいるが、もう5年以上前の話である。何より、公認を求める200人以上の民進党候補者の大半は現職議員でもない、一般人同然の人ばかりである。

そんな「弱者」を相手に「私の踏み絵を踏まないと、公認あげないわよ」との態度は単なるイジメである。シンプルに不快感を覚えた人が多いだろう。

さらに、枝野氏が中心になって立憲民主党が立ち上がったのも大きかった。日本人は「忠臣蔵」に代表されるように「かつての主君への忠義を果たす」人たちが大好きだ。

また、初代ドラゴンクエストでは【りゅうおう】が「もし わしの みかたになれば せかいの はんぶんを おまえに やろう。」と言うが、そんな甘い誘いを断って【りゅうおう】と戦うように、自分の損得より信念を貫くのが正義だ。

長年仕えた民進党を裏切り、信念を曲げて希望の党に行く議員より、党への忠義と信念を貫く立憲民主党の方に大衆の人気、注目が集まるのは当然だった。

しかし、小池氏の狙いは全くの的外れだったとは思わない。ちょっと間違えば、狙い通りにテレビジャックしていた可能性もある。

ただ確実に言える事は、政治家は政策を掲げて投票を呼びかけるのが王道である。政策も無く話題だけでテレビに出まくって支持を得るのは邪道だ。邪道は最初は成功してもいつかは失敗する。歴史上何度も繰り返されて来た教訓だ。

小池氏は都知事選から都議選まで圧勝し続け明らかに慢心していた。衆議院選挙に出馬しなくても支持が得られると思ったのが慢心と書いたが、「排除」で注目を狙ったのもまた慢心に違いない。

参照:産経新聞・9/29IWJ

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author : 宮寺達也

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