キャリア

城繁幸さん。29歳の働く君は、35歳で独立しました。

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出典:写真AC

今回はだいぶ個人的な記事です。

「逃げ力」の記事にも書いたが、私は2005年に24歳で大手の事務機器メーカーに入社し、35歳になった2016年に退職、独立した。現在はフリーエンジニアとして活動する日々を送っている。

独立の後押しになったのが、メーカー時代に10年で100件超の特許を取得した実績と自信である。もちろんこの実績は一朝一夕でできたものでは無い。

私は29歳になった2009年の頃から、いつでも退職できるように自分のスキルを磨き、特許の実績を高めることを意識してきた。この積み重ねによって、2015年冬に退職を決意したとき、スムーズに行動する事ができた。

そこで自分の経験を振り返りながら、現在29歳の働く君たちへメッセージを送りたい。

城繁幸さんとの出会いと、会社への疑問

それは2009年、私が29歳のときだった。何となくネットサーフィンをしていたときに、城さんがJ-CASTで連載されている「29歳の働く君へ~いまからでも遅くない!」という記事を見つけた。当時、大企業の正社員として働いていた私にとって、

「派遣社員は、正社員の雇用を守るための犠牲になっている」

「大企業の正社員の解雇規制を緩和すべし」

といった主張は衝撃だった。

最初は「過激な事を言う人だな」くらいに思っていたが、城さんの記事を読みつつ仕事を続けていると、それまでは気にならなかったことに疑問を覚えるようになった。

・なぜ、あんなに優秀な派遣社員の○○さんが、いつまでも単純作業しか任されないんだろう。

・なぜ、いつも昼寝ばかりしている○○が、私の2倍の給料を貰っているんだろう。

・なぜ、課長は仕事中ソリティアばかりしているのに首にならないんだろう。

・なぜ、人事評価で最高点を貰ったのに、昇給額が2000円多いだけなんだろう。

・なぜ、人が不足していて長時間残業で死にそうなのに、新人が入って来ないんだろう。

・なぜ、四季報の平均年収で私の会社は760万円なのに、私の年収は遥かに低いんだろう。

・もしかして、この会社の人事制度は「成果主義」「年令に関わらず処遇する」と書いているけど、実態はコテコテの終身雇用・年功序列?

・もしかして、この会社にいたら将来は危ない?

等々、会社への不信感と将来への不安が募っていった。しかし29歳の私は「自分は大丈夫、だって優秀だから。課長にはなれるだろう。」と思っていた。事実、私はその頃から特許を出せるような新技術の発明を得意とし、社内で5年連続の発明王に輝いており、それなりに知られた存在だった。

私は課長になれない

しかし、どんなに成果を上げても、どんなに努力しても、「あれ、もしかして僕は課長にはなれない?」と不安が高まっていった。

・入社してから7年、課長はまだ2人目。なお、他の課も同じようだ。課長の平均在籍年数は5年以上か。

・自分が入社してから、新人が2人しか入って来ない。

・自分が入社してから、部署の数が増えていない。

・自分は主任なのに、部下を持った経験が一度も無い。

・自分より上の役職の先輩が、10人いる。しかも、役職無し管理職が6人もいる。

・つまり、このペースでは自分が課長になれるのは、50年後?

等々、「自分は課長になるのは無理だな。」と実感していった。そして、2011年に行ったリストラで不信感は頂点に達した。そのリストラで、私の新人時代からの師匠であり、一番尊敬していたKさんが退職されたからだ。Kさんは優秀であるだけでなく、上司にもしっかりと正論を言う気骨ある企業人だった。私はKさんを本当に尊敬していたので、退職を聞いたときは泣き崩れた。

その後の噂で、当時のソリティア課長(私にパワハラを働いた)に意見したのが理由で低い人事評価を付けられ、そのためリストラ対象になったと聞いた。

「このまま会社にいたら、将来は課長になるどころか、私もリストラされてもおかしくないな。そもそも、仕事中ソリティアをする程暇そうな課長って憧れないよね。」と、会社に見切りを付けた。

課長になる努力を辞めた

それからの私は、将来の転職・独立を目指して、城さんのアドバイス「不安定時代は一芸を磨け!」を胸に、努力を続けた。スキルアップの役に立たないローテーション人事を断り、パワハラ上司に反発を開始し、部署を追い出されたりした。

そのため出世はしなかったが、自分の得意分野である画像処理技術と半導体開発技術を磨きながら、特許で実績を重ねていった。

そうして2015年冬には、新人から10年連続発明王、特許登録数100件を突破し、「自分はどこでも通用する」と言う自信を確立していた。ちょうど会社で仕事を続けるモチベーションもゼロになったので、堂々と退職し、独立の道を選ぶことができた。

独立してからは、半年後の仕事も保障されず、有給もなく、不安定な日々が続いている。しかし、とても楽しく働いている自分に気づく。収入はまだサラリーマン時代には及ばないが、厚生年金の支払いが無くなったので、生活は苦しくない。

さらには、こうやってアゴラ出版道場に参加し、アゴラに投稿できるようになるなど、サラリーマン時代には味わえなかった充実した日々を送っている。

29歳の君たちへ。転職・独立に備えた努力を

城さん。

29歳の君は、35歳になって年功序列の企業を退職し、独立しました。城さんの記事の通り「今からでも遅くなかった」です。ありがとうございました。

もしいつかお会いできる日が来ましたら、一杯、奢らさせてください。

そして、これを読んでいる29歳の君たちへ。

今からでも遅くない。

自分の目で、自分の今いる会社を良く観察して欲しい。そして、転職・独立を含めて自分の将来にある複数の選択肢をしっかりと考え欲しい。

また目先の昇進に惑わされることなく、自分のスキルを磨く努力を続けて欲しい。そうしないと、社畜になっちゃうぞ。


※この記事は、2016年11月04日にアゴラに投稿・掲載された記事を再掲したものになります。



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author : 宮寺達也



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