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カタルーニャ州独立運動で感じた。いつか世界は一つになると思っていたが、逆かもしれない

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出典:Wikipedia スペイン

スペインのカタルーニャ州の独立運動が佳境を迎えている。

カタルーニャ州とはスペイン北東部の自治州であり、州都はバルセロナである。バルセロナは闘牛、オリンピック、サッカーのFCバルセロナなど日本人にも馴染み深い都市だ。

カタルーニャ州はスペインの中でも比較的豊かな地域であるが、独立危機が高まってから撤退する企業が相次いでいる。EUもカタルーニャ州が独立してもEU域外になると明言しており、客観的にはデメリットしか感じない独立運動である。

カタルーニャ州だけでなく、現在、世界には多くの独立運動が存在する。子どもの頃、テクノロジーや文化の発展によって世界は少しずつ平和へと、そして一つの国へと近づいていくのだろうと漠然と思っていた。しかし、どうも現実は逆の方向に動いているようだ。


世界は平和になり、一つに近づくと思っていた2000年代

2017年現在、シリア内戦、ウクライナ内戦などまだまだ戦争は無くなってはいない。ましてや北朝鮮情勢が緊迫しており、明日にでも日本はまた戦火に巻き込まれるかもしれない。

それでも第2次世界大戦が終わってから72年、世界は平和に近づいていると思う。子どもの頃の記憶(1980〜2000年)を思い出すと、アメリカとソ連の冷戦は続いていて第3次世界大戦が勃発・全面核戦争で人類絶滅なんて可能性が本気で信じられていた。「北斗の拳」とかまさにそんな背景で生まれた作品だ。

しかし1989年に冷戦は終結。すぐに湾岸戦争とか、2000年に入ってアメリカ同時多発テロ事件・イラク戦争とかあったけど、第3次世界大戦の可能性は随分小さくなったように感じた。人権意識の向上とともに反戦の声は高まり、インターネットによってリアルタイムで共有されるようになった。

恐れていた核兵器も大国同士の均衡をもたらし、世界を平和にもたらす役割を果たしていたと指摘されている。感情的には受け入れられない人が多いかもしれないが、実績としてはそうだと思う。

ヨーロッパもEUで1つの国を目指していたし、是非は置いておいて日本でも東アジア共同体という政治運動があった。

テクノロジーと文化の発達により、賛成・反対は置いておいて、世界はどんどん平和にそして一つに近づいていると思っていた。2000年代までは。

国境の壁は小さくなったが、新たな国境が増えそうな2010年代

そして2010年代になってテクノロジーの発達はますます加速し、国境の壁はどんどん小さくなっていった。

インターネットはあらゆる産業の中心になり、いつでもどこでも世界中の情報が手に入るようになった。

経済のグローバル化も進み、世界中の人々がiPhoneに夢中である。日本だけでしか売れない商品は「ガラパゴス」と揶揄され、世界中で売れる商品を開発しないと生き残れない時代になっていった。

さらにはビットコインなどの仮想通貨により、国を超えての資金移動も容易になった。

インターネットで世界中が繋がり、意思があれば世界中どこででも生きていける。国境の壁は限りなく小さくなった。

しかし、それに反比例するかのように世界は1つから遠ざかっている。

2010年からのギリシャ危機によりEUが崩壊のピンチになった。2016年にはイギリスでEU離脱の住民投票が可決され、ついにEUから離脱国が出ることになった。

さらにはイギリス内のスコットランドがEU残留を目指すべく独立運動が激しくなったり、フランスではEU離脱を主張するル・ペンが勢力を伸ばしたり、スペインのカタルーニャ州が独立を主張している。

世界の警察を自認して様々な独立運動に介入して来たアメリカも、自国優先を掲げるトランプ大統領が就任した。

日本だって例外ではない。多くの米軍基地を抱える沖縄県で、琉球独立運動を主張する人々がいる。

世界は平和に近づき、国境の壁は小さくなった。その結果、小さな国境の壁がたくさんできそうになっている。

結局、外敵が無いと人類はまとまれないのだろうか

そもそも国って何のためにあるんだろうと考えたら、そこに住む人々の生活を守るためだ。

一般庶民からすれば国境がどこにあろうが、支配者が誰であろうが、日々の暮らしが保証されれば問題無い。しかし第2次世界大戦までの時代では国という枠組みを守らないと、その日々の暮らしが脅かされる程に人権意識は低かった。

植民地支配された国では先住民は奴隷にされたり、虐殺されたケースすらある。国を守る事は、自分の生活、命を守る事と同じであった。

しかし、大きな戦争が無くなって平和になったため、国が無くなっても自分の生活、命は大丈夫と思う人が増えたのだろう。カタルーニャ州の独立運動や琉球独立運動の声を聞いていると、とても独立後に他の国に侵略されるといった心配をしているようには感じない。
事実、世界中にはカタルーニャ州や沖縄県以下の人口・経済で独立している国はたくさんある。戦争で国が侵略される心配をしないので良ければ、特にカタルーニャ州のように相対的に豊かな地域は独立した方がメリットが大きいだろう。

ただ、個人的にはやはり戦争に巻き込まれるリスクは未だに大きいと思う。昔のように大国が小国を植民地化する可能性は小さいかもしれないが、代わりにテロ組織が台頭している。

イラク、シリア、フィリピンなどでISIL(イスラム国)のように国を持たないテロ集団に都市ごと侵略される事例が相次いでいる。また仮に主権国家に侵略された場合、救いの手を差し伸べてもらう事は難しい。北朝鮮が長年に渡り暴挙を繰り返し、国連から散々に警告を受けても無視できているのが良い例だ。結局は、何かあった時に助けてくれるのは自分の国だけという事だ。

子どもの頃、世界が平和になる事は世界が1つになる事だと漠然と信じていた。しかし、実際は平和になる事は世界がバラバラになるという事だった。

まるで長年連れ添った夫婦が、お互いのちょっとした習慣や癖が気になって我慢できず、熟年離婚をするのに似ている気がする。

なので今後もし世界が一つになるとしたら、それこそSF作品にあるように宇宙人が攻めて来たとか、世界支配を企む独裁者が誕生したとか、わかりやすい外敵が現れた場合なのかもしれない。

そう考えると、カタルーニャ州などの独立運動は平和の副作用と言って良いのかもしれない。厄介な問題ではあるが、戦争が起きてまとまるよりはよっぽど良いと感じる。これもまた平和の一部と認識しながら、粘り強く解決策を模索していくのが、21世紀の世界に必要な事なのだと思う。

しかし、24世紀になっても世界は軍隊を捨てておらず、ソレスタル・ビーイングの登場によって地球連邦が誕生したガンダム00は名作だったなあ。

参照:Wikipedia カタルーニャ独立運動Wikipedia カタルーニャ州BBC東洋経済オンラインWikipedia 独立主張のある地域一覧Wikipedia 戦争一覧

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author : 宮寺達也

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