政治

音喜多氏に説明して欲しい都民ファーストの会を離党した「本当の理由」

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出典:おときた駿公式サイト

7月の都議選で圧勝し、この世の春を謳歌していたはずの都民ファーストの会(以下、都民ファ)がもう崩壊寸前だ。

10月3日、上田令子、音喜多駿の両都議が都民ファから離党する事が明らかになったのだ。2人はファーストペンギンと呼ばれる都民ファの結党メンバー3人に含まれる。都民ファの中でも小池都知事の側近と見なされていた2人だ。

(ちなみに、私も記事を投稿させていただいているアゴラのメンバーでもある)

しかも、都民ファを率いる小池百合子氏が国政政党・希望の党を立ち上げ、まさに衆議院選挙に打って出ようとしている時の発表である。都民ファの幹部が「これから衆院選で希望の党を支援しようという時期に、最悪だ」と憤ったらしいが、まさにそれを狙って発表したんだろう。

さて、私はこの1年あまりの小池都政を見てきて音喜多氏には大変に失望してしまっていた。遅すぎるとは思うが、離党というアクションを起こした事は良いと思う。

しかし、どうにも音喜多氏は離党の本当の理由を隠しているように思えてならない。この1年の都政混乱の責任の一端を担う立場として、また政治家として再起を図るためにも、「なぜ都民ファーストの会を離党するのか、その本当の理由」をしっかりと説明して欲しいと思う。


ずっと矛盾していた音喜多氏の政治信念と小池都政

私が音喜多氏の離党を手放しに歓迎しないのは、これまで小池都政を支えてきた総括が必要と考えているからだ。

例えば音喜多氏はずっと「若い政治家に投票しよう」「天下りを無くそう」と主張してきた。しかし、2月の千代田区長選では、都民ファが推薦した「5選・75歳・天下りの石川雅己候補」を積極的に応援していた。

私は非常に失望して「音喜多氏は4つの嘘をついている」という記事をアゴラに寄稿した。すると音喜多氏はこれにブログで、

政治家を続けていけば、次々と新しい政治判断を迫られることもあるでしょう。

そこで有権者に「組織の言いなりになる信念のないヤツ」と見放されるか、あるいは自分の心が折れるか、それとも乗り越えて成長できるか…。

政党としての最終決定には従わざる得ないことはあるとしても、そこに至る党内議論において、少なからず自分の影響力を発揮できるという自負はあります。

返してくれた

私はそこまで言うのならばと思っていたが、それからも期待を裏切られっぱなしであった。

小池都政の最大の問題点は、科学的にも法律的にも間違っている「豊洲市場の移転延期」で間違いない。この豊洲市場移転について、音喜多氏はずっと推進派であった。

あるインタビューで自分を「豊洲の守護神」とまで言い切り、移転推進派である事を明言している。しかし小池都知事が豊洲市場移転を延期し、一向に移転する気配が無い中、徐々に発言が変化して言った。

「地下ピットは問題無いが、誤った環境アセスメントは問題だ」 ←後に環境アセスメントの追加実施は不要と判断

「豊洲市場は科学的に安全だが、『安心できない』『今後もどうなるかわからない』と感じる方が出るのは仕方ない」

と小池都知事をアシストする発言にシフトして行った。

極めつけは豊洲市場移転を巡る百条委員会で、病気を押して出られた石原元都知事、浜渦元副知事に対して「土壌Xday」などの珍言を繰り広げ、ただただいたずらに過去の都政に携わった人を愚弄した。

2兆円の損失が出るとんでもない「豊洲・築地併用案」に対しても賛成してしまう有様で、もはや豊洲市場の破壊神という状況だった。

はっきり言って、全く影響力を発揮してくれ無かった。失望したの一言である。

今のタイミングで離党する事に大義はあるのか、本当の理由を語っているか?

したがって、音喜多氏が小池都政、都民ファに失望するならばもっと早いタイミングが幾らでもあったはずだ。

今この時期、小池都知事は国政に掛かりっきりであり特別に新しい問題が発生したわけでは無い。希望の党にダメージを与えると言う意味では効果的だが、それもある意味都政には関係無い。

音喜多都議は7月の都議選で56,376票を獲得し、北区でトップ当選を果たした。その都民の一票を裏切るのであるから、都民のために離党する大義が必要である。

音喜多氏のブログによると離党理由は、

◯小池知事の政治姿勢への疑念

◯「都民ファーストの会」運営方針への不一致

◯国政政党「希望の党」に対する不信感

との事だ。これはどれももっともかもしれないが、良く見ると「なぜ、今なのか」の理由にならない。

小池知事の政治姿勢は今更である。問題にするなら、やはり6月の「豊洲・築地併用案」であろう。なぜ今なのか?

都民ファの運営方針とは、代表が突然に野田数氏から荒木千陽氏に変わった事であろう。だが、良くも悪くもこれは都民ファの規約通りである。

問題にするなら、都議選の翌日に小池都知事が代表を辞任した事の方だ。これは都民ファだけでなく、有権者への裏切りである。これを音喜多氏は「政治家の出処進退は自ら決めるものであり、この決断については十分に理解し、支持するものです。」と擁護したのだ。

都民ファの代表交代はとてもお粗末なのは確かだが、小池都知事の交代をスルーして、荒木代表を問題視するのは矛盾している。

さらに国政政党「希望の党」については私も問題だと思うが、都政にも都民ファにも大きくは関係無い話のはずだ。このように、どれも「今、離党する」理由になっていない。

報道では「音喜多氏は希望の党から衆院選出馬を希望していたが、出馬できない事がわかって離党したのでは」と都民ファの幹事長代理の小山有彦都議が答えているが、これが本当の理由じゃ無いかと思うとしっくりくる。

これに対して音喜多氏は「私に対しては複数回に渡って、衆院選出馬への強いオファーがありました。しかしながら、しかるべき方に出馬はきっぱりとお断りする旨を自分から申し伝えています」と否定しているが、明らかに小山都議の言い分と矛盾している。

希望の党は東京15区(江東区、音喜多氏が住んでいると言われてる)の候補者として、元民進党の柿沢未途氏を公認した。音喜多氏は柿沢未途氏と犬猿の仲との噂がある。こう言った個人的な感情で離党するのならば、一票を投じてくれた都民への裏切りである。

音喜多氏は本当の理由を語り、謝罪し、都政混乱の収束に力を

このように、音喜多氏の離党はどこか薄っぺらく感じてしまっている。

都議会第1党の都民ファを離党した後はまた「かがやけTokyo」を名乗るようだが、都議会議員としての政治力は低下する。これは都民ファとしての音喜多氏に期待し、一票を投じた有権者に対する裏切りである。

また「舌鋒鋭く、正論をどんどんブログで発信する」スタイルでブレイクした音喜多氏だが、自分の信念と異なる行動を散々やった後に「これからは信じてね」と言われても無理な話である。

一度信頼を失った人間が、また信頼を勝ち取るのは難しい。だが、一つ一つ積み重ねていけば不可能では無いだろう。

そのためには、まず音喜多氏は離党の本当の理由を余す事なく発表する事だ。どんなに自分勝手な理由でも良い。「こいつは嘘をつかない男だ」と思って貰わなければ、信頼回復はありえない。なぜなら音喜多氏自身が「『常にオープンであること』『嘘をつかないこと』が最大の自衛手段である」と書いたからである。

そうして信用できる男であるとアピールしながら、これまで小池都政に肩入れする中で不条理にバッシングしてきた方への謝罪、豊洲市場移転の延期・オリンピック準備の遅延と問題山積みの都政の混乱を収束する事に力を発揮して初めて信頼が回復するだろう。

最後に私のメッセージを持って、エールを送りたい。

音喜多さんよ。

僕はあんたの事は嫌いだが、凄えとも思ってるんだ。ブログを書いてるからわかるが、毎日更新してあれだけのアクセスを集めるのは並みじゃ無いよ。

これからまた都知事を批判するのに力を注ぐんだろう。その力には期待している。

でも、己の罪をしっかりと償ってからにして欲しいんだ

参照:朝日新聞セミヂカインタビュー おときた駿選挙ドットコム産経新聞日刊スポーツ

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author : 宮寺達也

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