政治

小池都知事の「希望の党」に、政策が無いことを証明する

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出典:fnn-news

安倍首相が衆議院の解散「国難突破解散」を発表した9月25日、その機先を制するように小池都知事が新党「希望の党」を立ち上げ、自らが代表に就任することを発表した。

希望の党は、小池都知事側近の若狭氏と元民進党の細野氏が中心となって設立し、小池都知事は共同代表、もしくは重要な役職に就くといった観測が流れていたが、一段踏み込んだ新党立ち上げだった。

小池都知事は「リセットして、私自身が立ち上げる。直接、絡んでいきたいと思っている」と述べ、「お前、都政に専念するって言って都民ファーストの会の代表を降りたばっかりじゃん」というツッコミもどこ吹く風だ。

そして代表就任だけでなく、希望の党の政策「希望の政策」まで発表した。だが、この政策がどうも胡散臭い。「しがらみのない政治」とか「徹底した情報公開」とか、「都議選でも同じことを聞いたぞ」「なんか薄っぺらいな」という感想を覚えた人が多いはずだ。

それは当然である。なぜなら小池都知事の掲げた「希望の政策」は政策では無い。単なるスローガン、掛け声でしかない。それは「政策には逆にしても必ず成立するが、希望の政策を逆にしても成立しない」からである。

今から希望の政策を逆にして、政策では無いこと、すなわち希望の党には政策が無いことを証明しよう。


希望の党の政策「希望の政策」を逆にしてみる

小池都知事から発表された希望の党の政策「希望の政策」は、

<希望の政策>

・希望の政治
①しがらみのない政治

②議員定数・議員報酬の縮減

③行政改革:徹底した情報公開

④真の地方分権の確立

・希望の社会
①女性政策など、ダイバーシティ社会の確立

②多様な教育(奨学金、高度研究、生涯教育)

・希望の経済
①消費税対応 実感できる景気回復の実現

②ポストアベノミクスにかわる成長戦略 不動産の有効活用 AI 金融

・希望を守る環境・エネルギー
①原発ゼロとゼロエミッション社会への工程作成

②フードロス対策など

・憲法改正
希望あふれる日本の礎

さて、書いていても中身ペラッペラッな事はわかるが、逆にする事でしっかりと証明しよう。

絶望の政策>

絶望の政治
①しがらみのある政治

②議員定数・議員報酬の増大

③行政改革:徹底した情報隠蔽

偽の地方分権の確立

絶望の社会
①女性政策の廃止など、画一的な働き方社会の確立

画一的な教育(奨学金、高度研究、生涯教育の廃止

絶望の経済
①消費税に対応しない 実感できる不景気の実現

②ポストアベノミクスにかわるマイナス成長戦略 不動産の塩漬け 人海戦術 財政

絶望を守る環境・エネルギー
①原発新設環境汚染社会への工程作成

②フードロス拡大など

・憲法を護る
絶望あふれる日本の礎

さあ、どうだろうか。希望の政策を逆にしたところ、ほとんどアリエナイ感じになっちゃった。

真の政策は必ず逆にしても成立する。逆にしたらおかしくなるのは、当たり前の事だから

希望の政策の中で、逆にしても成立したのは「金融→財政」「原発ゼロ→原発新設」「憲法改正→護憲」くらいだろうか。そもそも、希望の逆が「絶望」なんだから、その時点で終わってる。

政策(もしくは方針)とは政治家、政党が目指すゴールを実現する「手段」である。例えば経済成長を目指すのならば、減税して企業活動を活発にするのか、増税して社会福祉を充実して個人消費を促すのか、そういった「同じゴールを目指す中で、どんな手段が良いか」を示すのが政策である。

これは例えるならば、プロ野球チームの監督に「今年のチームの方針は?」と質問して「優勝です」と言ったらバカだと思うだろう。優勝を目指すのは、どのチームも同じだからだ。

「我がチームは、打撃が弱いので投手力で勝負する。とにかく失点を減らす」

「いや、我がチームはとにかく打撃力だ。どんなに点を取られても、取り返す」

と、このように「ゴールに至るために、何かを捨てて、何かを選ぶ手段」が方針・政策である。

ここら辺は過去記事「あたりまえ体操で見抜くリーダーの資質」にも書いてあるので、読んで欲しい。

さて、希望の政策には「成長戦略」なんて出てくるが、成長を目指すのは当たり前である。他にも「しがらみのない政治」とか「情報公開」とか「真の地方分権」とか「ダイバーシティ社会」とか「成長戦略」とか「フードロス対策」とか、それは逆が存在しない、誰もが賛同するゴールである。つまり、政策じゃあ無い。言ってもしょうがない。

また、「優勝のために、走・攻・守全てをハイレベルに」なんて何も捨てていない手段も方針では無い。希望の政策では、「多様な教育(奨学金、高度研究、生涯教育)」とか「原発ゼロとゼロエミッション社会」なんて出てくるが、こんなもの何も捨てていないので政策では無い。

多様な教育ができれば良いに決まっているが、その財源はどうするのか。原発ゼロができれば良いが、代替エネルギーはどうするか。例えば石炭発電が増えれば、環境負荷は増し、ゼロエミッションは遠のく。そう言ったトレードオフから目を逸らさず、ベストと考える選択肢を提供するのが政治家の仕事であり、政策である。

例えば、民主党に政権交代した2009年の総選挙では、「子ども手当ての創設」「高速道路の無料化」「郵政民営化の見直し」と、「児童手当の継続」「高速道路の有料化の継続」「郵政民営化の維持」と逆で成立するマニフェストであった。その後のグダグダはさておき、それなりに政策であったからこそ政権交代が実現したのだ。

さらに前回、2014年の総選挙では安倍首相率いる自民党は「消費税増10%増の2017年4月への延期」を打ち出した。これも「予定通り2015年10月に消費税増10%増」と逆でも成立する政策であった。

希望の党には政策が無い事をO.E.D. まあ、だからこそ有象無象が集まるのだろうけど

このように、希望の党の政策「希望の政策」には逆が無い、つまり政策では無い。Q.E.D.

なお、「逆でも成立する」きちんとした政策を打ち出した場合、政策の良し悪しが問題にはならない。政策が悪いと思えば、その政党に投票しなければ良いからだ。

特に2005年の郵政選挙がわかりやすいが、郵政民営化に賛成ならば自民党に、反対ならば民主党に投票すれば良かった。そして、賛成が多かったから自民党が圧勝した。

しかし政策が無い希望の党には投票する判断材料が存在しない。そうすると本来ならばこのような無責任な政党には誰も投票せず、候補者は全員落選するはずだ。

しかし、現実としてこのような薄っぺらい政策モドキだからこそ、「なんか良い事言ってる」と支持する層が存在するのだろう。希望の政策とそっくりな政策を打ち出した都民ファーストの会が、都議選で圧勝したのが記憶に新しい。

そして、このような政策が無い状態は、候補者にも都合が良いのだろう。現在、新党入りを噂されている政治家は、非常に右寄りの日本のこころの中山恭子氏や、ただ落選が怖いだけの自民党の福田峰之氏、特に政策とか聞いた事無い若狭勝氏や、リベラル色の強い旧民進党を離党した細野豪志氏、笠浩史氏、後藤祐一氏、鈴木義弘氏と、闇鍋のようなごった煮である。

これも政策が無いからこそ、候補者間で揉める事が無いので実現できるのだろう。しかし、これは大変に有権者をバカにした行為である。先ほども書いたように、2009年の民主党はマニフェスト選挙と銘打って、長い時間を掛けて自らの政策を国民に訴え、支持を拡大して来たからこそ政権交代を果たしたのだ。

選挙に挑む政治家が政策を出すのは、義務であり、絶対の条件である。ましてや政権政党、総理大臣を選ぶ衆議院選挙で、実は政策なんてありません、議員になりたいだけです、なんて許されない。

有権者はこんな政策モドキに騙される事なく、しっかりとした政策の提出を求め、内容を吟味し、投票の判断材料にしなければいけない。

参照:fnn-newsNHK NEWS WEB産経新聞毎日新聞

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author : 宮寺達也

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