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地方自治

都民ファーストの会規約を読んでわかった、憲法違反の疑い

投稿日:

出典:都民ファーストの会Facebookページ

「都民ファーストの会規約を読んだが、代表選考はブラックボックスだった」の記事に書いた事であるが、突然の都民ファーストの会の代表交代に不信感を抱いた私は、東京都の情報公開制度を利用して都民ファーストの会規約の写しを入手した。

そうして、代表交代の詳細が「細則」として全く具体的になっておらず、小池都知事の好き放題になっていることがわかった。さらに前回の記事をまとめた際、都民ファーストの会規約を一通り見たのだが他にも大いに問題がある事に気付いていしまった。

本当は都民ファーストの会規約は全文公開し、その判断を読者の皆様に仰ぎたいところである。しかし、2014年に「規約に著作権を認める」という判例ができており、私が独断で全文公開すると著作権侵害の疑いがある。

そこで、私が「ここがヘンだよ都民ファーストの会規約」と思った箇所を解説しながら、引用という形でできるだけ紹介していきたい。

都民ファーストの会入りした小島敏郎氏の役職の記載が無い

つい先日の9月19日、豊洲市場移転混の大戦犯と言って良い東京都顧問の小島敏郎氏が都顧問を辞職し、都民ファーストの会の政務調査会事務総長に就任する事がわかった。

これは、小島氏は「プライベートでも勉強会」と言い訳していた行動も含めて、これまでずっと小池都知事の意のままに動いていたという事である。

小島氏が東京都顧問という立場を超えて小池都知事の個人的利益のために豊洲市場移転を弄び、都民ファーストの会を影から動かしていたのは想像していたが、こうもあからさまにしてくるとは。厚顔無恥とはこの事だ。

しかも、この小島氏が就任する「政務調査会事務総長」。都民ファーストの会規約に記載が無いのだ。規約に記載があるのは、

<政務調査会>

第15条 政務調査会は政策の調査研究及び立案ができる、

2 政務調査会長は政調会長代理、副政調会長を置くことができる。

だけである。

都民ファーストの会は、こんな正体不明な役職に小島氏を就かせ、今後も豊洲市場移転を弄ぶのを容認するのか。

東京都民、いや日本国民にとってこんなにバカにされた話があるだろうか?1兆円消えるんだぞ。

都民ファーストの会代表の すごい 権力

また、都民ファーストの会規約を一通り読んで気付いたのは、代表のもの凄い権力である。

<役員>
第7条 本会に、次の役員を置く。
代表、代表代行、幹事長、総務会長、及び政務調査会長

第8条 代表については代表選考委員会を設置し選考する。代表選考委員会については細則で別に定める。

2 代表以外の役員は、代表の指名により選出する。

3 各役員の任期は2年とする。但し再選を妨げない。

<細則>
第26条 代表は、本規約の実施に必要な事項について、別途細則を定めることができる。

これは前回の記事にも書いた事であるが、代表選考委員会は細則で決める事、その細則は代表が決める事で、都民ファーストの会の代表選考は代表の好き放題にできる形になっている。

さらに細則は規約に書かれていない、他のあらゆる党運営に影響を及ぼすことができる。例えば、正体不明な役職に小島氏を就かせた事もこの細則で正当化するだろう。これは事実上の「独裁スイッチ」である。恐ろしい条文だ。

さらに、これに「役員は代表が指名する」事を加えると恐るべき権力集中が明らかになる。というのは、代表が指名した役員が集まって開催する役員会がもの凄い権力を持っているからだ。

<役員会>
第13条 役員会は代表が招集し、予算、決算、綱領、本規約の変更、基本政策、議会人事、活動報告、活動方針、細則、各級選挙の候補者への公認又は推薦、その他代表が必要と認めることを決定することができる。

2 役員会は、代表、代表代行、幹事長、総務会長、及び政務調査会長で構成する

3 役員会の定足数は役員の1/2とし、出席役員の過半数をもって決定し、可否同数の場合は、代表がこれを決定する。

4 代表が必要と判断した場合、役員会の出席者を増やすことができる。ただし、決定権は2項の構成員に限る。

5 代表が必要と判断した場合、役員及び各役員代理(9条3項、10条2項、14条2項、及び15条2項に基づき置かれる補佐職及び副会長職を含む。)、並びに代表が指名する者から構成される役員連絡会を開催することができる。

党員の意見を一切聞かずに、代表が独断で決める事ができる役員を集めたに役員会で、綱領、規約、政策、人事、およそ政党活動における全てを決める事ができるのだ。

特に政党を律する「規約」を党員に諮らず勝手に変える事ができるのは凄い。規約とは、政党にとっての憲法である。憲法の改正も最後は国民投票であるように、これを少数の人間によって勝手に変える事ができてしまうとガバナンスなんて成立しない。

少なくとも規約の変更については、「総会で決定する」と言った民主的手続きが必要だ。例えば、自民党の党則では「本党則の改正は、党大会の議を経て行うものとする。」となっている。これは民主主義に基づく政党としては、当然過ぎる要求だ。

都民ファーストの会の代表は、ドラゴンボールの神龍のように「なんでも願いを叶えてくれる」存在だ。その気になったら、「叶える願いを無限にしてくれ」と言う願いすら叶える事ができる。こんな非民主的な独裁政治が「都民ファースト」なのだろうか。

荒木新代表の すごい 独裁

事実、荒木新代表は意図してかしないでか、もの凄い独裁人事を敢行している。9月11日に発表された都民ファーストの会の新役員は、

代表:荒木千陽

代表代行:不在

幹事長:増子博樹

総務会長:荒木千陽(代表と兼任)

政務調査会長:山内晃

となっている。荒木新代表は以前から総務会長であったのだが、代表に就任しても兼務している。

んっ?役員4人の内半分の2人が荒木新代表だから、役員会の議決は荒木新代表が賛成しただけで2/4。他の2人が反対しても可否同数だから、代表である荒木新代表が決を取れる。

つまり、現在の都民ファーストの会の役員会は、荒木新代表1人の考えで全てを決定する事ができるのだ。

このように、荒木新代表は自分が都合の良いように規約を変更する事も、綱領を変更する事も、政策を決める事も、都議会の人事を決める事も、自由自在である。

こんな独裁体制、悪名高い北朝鮮でもやってないんじゃ。

都民ファーストの会の すごい 憲法違反

そしてまた、荒木新代表は自らの都合の良さを自分の利益ではなく別の誰か個人、例えば小池都知事の利益のために使用する事も可能である。

荒木新代表は小池都知事の秘書を務めていた側近である。小池都知事の特別秘書を務めている野田数前代表から直々に権力を譲り渡されたのは、荒木新代表も小池都知事の言いなりに動く存在であるからだろう。

これはつまり小池都知事が、都議会第1党の都民ファーストの会の全てを思いのまま支配できていると言う事だ。

この状態は憲法93条「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」で定められた、地方自治の二元代表制に違反している。

荒木新代表を選出した人事は、都民ファーストの会の規約には違反していないが、憲法違反なのではないか。

荒木新代表や小池都知事は「規約にのっとっているから問題無い」と答えているが、最早そんな次元の問題では無くなってしまった。都民ファーストの会は、憲法違反の疑いという重大な問題を抱えてしまっている。一刻も早く、東京都議会の第1党として恥ずかしく無い規約に改訂し、全国民に開示しなければいけない。

参照:産経新聞自民党 機構図・党則THE PAGE

                   
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author : 宮寺達也



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