政治

都民ファーストの会規約を読んだが、代表選考はブラックボックスだった

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出典:都民ファーストの会規約

9月11日、突然に都民ファーストの会の代表が野田数氏から荒木千陽都議に交代した事が発表されたが、多方面からバッシングの嵐である。

そもそも6月1日に特別顧問だった小池都知事が「二元代表制が機能しない」との批判もどこ吹く風で代表に就任したと思ったら、都議選直後の7月3日に「二元代表制に懸念がある」との理由で代表を再び野田数氏に戻したばっかりである。

そんなコントみたいな代表交代の直後に、また代表を交代するのである。しかも55人の都議を要する公党でありながら、またもや代表選挙もせずに密室で決めるやり方である。

これに対して、荒木新代表や小池都知事は「規約にのっとっているから問題無い」と答えている。

しかし、都民ファーストの会の規約はウェブサイトで公開されていない。音喜多都議によると「所属都議にも規約が示されたことはない」との事だ。ならば、本当に代表選出は規約にのっとっていたかどうかもわからない。

そこで私は東京都の情報公開制度を利用して、都民ファーストの会の規約の写しを入手した。

その写しを見ながら、都民ファーストの代表選出は正当なものか、検証したい。

都民ファーストの会の規約は全11ページ。最新は2017年8月10日改定の第5版

都民ファーストの会の規約は、東京都の情報公開システムに内容を「都民ファーストの会の規約、これまでの全て」、請求先を「東京都選挙管理委員会」で申し込んだ。

そして開示OKの連絡が届いたら東京都庁33階の東京都選挙管理委員会に赴き、手数料110円を払って受け取った。開示請求は東京都民で無くてもOKだ。

さて、受け取った規約は全11ページで初版から第5版まで存在した。初版は2016年9月12日付であり、都民ファーストの会設立時のものだ。それから2016年10月、2017年1月と改訂されているが、内容はほぼ同じでそれぞれ1ページであった。

それから2017年4月4日付の第4版で内容が大きく変わっており、内容も3ページに増えている。これは都議選を睨んで都民ファーストの綱領を発表した時期と同じであり、地域政党として基盤が固まったという事だろう。

さらに都議選後の8月10日にも改訂され、最新版(第5版)となっている。今回の代表交代もこの第5版規約に基づいているはずだ。

では、その代表選出を規定した規約を見てみよう。

都民ファーストの会 規約 2017/08/10改訂

<役員>
第7条 本会に、次の役員を置く。
代表、代表代行、幹事長、総務会長、及び政務調査会長

第8条 代表については代表選考委員会を設置し選考する。代表選考委員会については細則で別に定める。

2 代表以外の役員は、代表の指名により選出する。

3 各役員の任期は2年とする。但し再選を妨げない。

<細則>
第26条 代表は、本規約の実施に必要な事項について、別途細則を定めることができる。


・・・あれ、代表選考委員会について、具体的な事が何も書いてないんだけど。

党規約によると、代表が勝手に次の代表を決める事ができる。ものすごい独裁

荒木新代表の選出は、「規約に基づいて増子博樹幹事長、山内晃政務調査会長、特別顧問の小池氏からなる代表選考委員会を開き、全会一致で荒木氏の選出を決めた」との事だ。

これに批判が集まった事について小池都知事は

最初は、この規約を定めたころは、まさしくベンチャーで、もうわずかの人数で始めたということから、その規約もそういう形でつくられたわけでございます。その規約づくりにかかわった方も、今も議員として何人かおられるわけでありますけれど。ですから、規約に則って決めたというのは、まさしくそのとおりです。

と「都民ファーストの会発足時の、都議が3人しかいない少人数時代の名残であり、仕方がない」と言っている。荒木新代表も同様の言い訳をしている。だが、この言い訳には矛盾がある。

まず、都民ファーストの会の代表選考は、代表選考の詳細を規約に書いておらず、代表の好き放題にできる形になっている。これは人数の多い少ないの問題ではない。

実際、都民ファーストの会の最初の代表選出(会長)を決める規約は、

都民ファーストの会規約 設立時

第六条 役員の選出及び任期について、次の各項に定める。
一、役員は総会において選出する。

となっている。

都議が3人しかいないベンチャー時の方が「総会で決める」になっているので、よっぽど民主的である。現在の代表選考の方が退化してるじゃないか。

都民ファーストの会の代表選考の規約は「細則で別に定める」とあるが、それは全く公開されていない。今回は3人の幹部によって決めたとしているが、それを定めた規約は無い。その気になれば代表1人で、自分が好きなように決めても問題無い。

所属都議が規約を見ていない事が問題とされたが、そもそも見たところで全く意味が無かったのだ。

しかも、都議選で55人が当選してから1ヶ月経った後に規約を改訂しているが、それに「細則を定めた第26条が追加されている」のだ。

これは都議選後に代表選考委員会に関わる細則を明確にするチャンスがあったのに、あえて無視したという事だ。これは都議会第1党の公党として多いに問題である。

現在の都民ファーストの会の規約は、小池都知事が二元代表制を無視して都政と都議会を独占支配する事のできる内容だ。実際、野田数元代表、荒木新代表の2人とも小池都知事の秘書を務めた側近である。

小池都知事は現在、散々批判してきた「都議会のドン」に自らがなっている。しかもその立場を維持できるよう、あえて都民ファーストの会の規約を変更しなかったと推測してしまう。

都民ファーストの会の規約は、都民ファーストの綱領に違反している。直ちに改訂を

都民ファーストの会の代表交代が問題になってから1週間以上が経過したが、未だに都民ファーストの会から規約が公開される気配は無い。

「情報公開」を大原則とする都民ファーストの会にしてはおかしいじゃないかと思っていたが、情報公開請求で取り寄せた規約を見て納得した。都民ファーストの会の規約は、代表選考について実質的に何も定めず、小池都知事とその側近の好き放題になっている。

つまり、現在の東京都議会は小池都知事による独裁になっており、同党が散々批判してきた「のり弁」「ブラックボックス」「都議会のドン」がそのまま都民ファーストの会と小池都知事に当てはまっている。これを批判されるのが嫌なのでは。

しかし、これは「小池ファースト」「情報隠蔽」であり、「都民ファースト」「情報公開」を大原則とした都民ファーストの会の綱領に違反している。自己矛盾そのものである。

まあ、豊洲市場移転やオリンピック準備で散々な都政を見させられてきたので、今さら驚きは無い。しかし、こういった独裁の実態を隠して都議選を戦った事は都民に対する裏切りでは無いのか。

どんなに美辞麗句を並べ立てようが、口では何とでも言える。短い選挙戦だけなら誤魔化す事も出来たかもしれないが、代表交代のように徐々に行動に矛盾が生じてきて、正体はバレていく。

今、都民ファーストの会に必要なのは薄っぺらい言葉ではなく、真摯な行動である。まずは規約の開示と、公党として相応しいものへの改訂である。

参照:産経新聞・9/11産経新聞・9/13毎日新聞情報公開の窓・東京都都民ファーストの会THE PAGE小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成29年9月15日)



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author : 宮寺達也



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