政治

米山隆一・新潟県知事から学ぶ「勘違いエリート」の傾向と対策

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出典:新潟県・知事公式ホームページ

新潟県知事の米山隆一氏に批判が殺到している。

きっかけは中国出身の評論家である石平(せき へい)氏のツイートを米山知事が猛烈に批判し、twitterバトルが繰り広げられた事である。様々な有識者が参戦し、マスコミも取り上げる程になってしまった。

新潟・米山隆一知事が石平氏投稿に「吐き気を催すほど醜悪」とツイート「差別発言」の批判相次ぐ

東京新聞女性記者非難で反響呼んだ石平氏に「醜悪」と噛み付いた米山新潟県知事が大量の批判浴びる

【炎上】新潟県知事の米山隆一氏が帰化済みの石平氏への差別的憎悪発言で批判殺到!辞職事案か

そんな中、私が気になったのは米山知事の発言そのものではなく、いつまでたっても謝らない事である。政治家にとって言葉がどれ程重いか、今回の発言がいかに致命的か、東大出身の米山知事に理解できないはずが無い。

しかし、米山知事の華麗すぎる経歴を見て納得した。この人は「自分が正しいと信じて疑わない」勘違いエリートのお手本のような存在なんだろう。そんな勘違いエリートにならないよう、米山知事を参考に傾向と対策を練っていこう。


灘高→東大理Ⅲ→医者→弁護士。華麗で天才過ぎる米山隆一・新潟県知事

米山知事の経歴は本当に凄い。新潟県の田舎に生まれ、新潟大学付属中学を卒業後、日本屈指の進学校・灘高に進学し、現役で東大・理Ⅲ(医学部)に合格している。医師免許を取得後も東大大学院で経済学と医学を学びながら、司法試験に合格している。その後もハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院の研究員になり、医学博士号を取得している。

東大医学部合格、医師免許、弁護士資格、ハーバード大の博士号。まさに日本の学歴社会の頂点に立つ存在と言って良いだろう。

さて、改めて石平氏との米山知事のtwitterバトルを振り返ってみる。最初は石平氏が東京新聞の望月衣塑子記者をtwitterで

「それでも私は権力と戦う」という東京新聞望月記者の台詞を鼻で笑った。私は今まで、本物の独裁政権と戦った勇士を数多く見たが、彼女のやっていることは、何のリスクもない民主主義国家で意地悪質問で政府の記者会見を妨害するだけだ。そんなのを「権力と戦う」とは、吐き気を催すほどの自惚れだ!

痛烈に批判した事である。

これに全く無関係なはずの米山隆一・新潟県知事がなぜか猛烈に反応し、twitterで

適不適の判断はさておき、いずれにせよ望月記者は自国の政府に対し直接対峙している。一方石平氏は今や、祖国を離れ、独裁政権と批判する中国政府と直接対峙することなく日本人向けに中国政府批判を展開しているに過ぎない。闘う望月記者の歌を闘わない石平氏が笑う事は吐き気を催すほど醜悪だと思う。

石平氏を批判し返した

ここから石平氏と米山知事のtwitterバトルになるのだが、ほとんどの意見は米山知事を批判するものであり、形勢は明らかに米山知事に不利である。何より、米山知事が明らかに人種差別的な発言をしているのがマズい。早々に撤回して謝罪しないと、政治生命を失いかねない。

米山知事は間違いなく天才である。こんな簡単な事はたやすく理解できるはずだ。

なぜ発言を撤回し、謝罪しないのか。このレベルのクラスの天才は流石に珍しいが、富山県No.1の進学校・富山中部高校時代に何人か会ったことがあるので、思い出しながら考えてみる。

高校時代、特に印象的だったのは1個上のM先輩であった。彼は誰もが認める天才だった。M先輩は「センター試験って、マークシートだから答えが書いてあるだろ。なんで間違えるのかわからない」と言うような人であり、実際にセンター試験で794点を取り、東大理Ⅲに現役合格した。

そんなM先輩を思い出すと、米山知事の考えが何となく見えてくる。米山知事は自分が間違ったとされた経験が極めて少なく、現在も「自分が間違っている」と言う状況を認識できていないのでは。

勘違いエリートは「周りはいつかわかる」と思っている。だから意見を聞かない

勘違いエリートの特徴は、M先輩の「センター試験をなんで間違えるのかわからない」という言葉がまさに示している。天才すぎる人は、自分がわかっている事は当然正しく、周りも当然わかってくれると思っている。

仮に周りが理解していないとは感じていても、「天才である自分がわかっている事は正しい事である、だから時間を掛ければ周りもいつか理解してくれる」と思っている。

これが「1+1=2」のような普遍的な事ならば問題は起きない。また議論が分かれる問題においても、そうそう的外れな回答を出す確率も低いので問題は起きにくい。

そうして常に自分の考え・答えが正しい環境に居続けると、道徳や宗教のような答えの無い問題や、正義や悪といった個人の価値観でどうとでも答えが変わる問題においても「自分の答えが正しい、それ以外は間違っている」「周りはいつかわかってくれる」と思うようになる。そのため、「あなたは間違っている」という意見に耳を貸さない。

米山知事は今回の発言で大勢の人から批判されているが、「自分は正しい事を言っている、周りは批判しているが、それは自分の考えがちゃんと伝わっていないため」と思っているのでは。だから政治生命の危機かもしれない状況で、訂正する・謝るという発想が出てこない。

これもM先輩で思い出す。富山中部高校の体育大会では白虎団の伝統として、マゼンダ・イエロー・シアンの3色のパネルと学ラン(黒)でフルカラーの人間大ドット絵を表現するWAVEという応援がある。

1997年、WAVE団長だったM先輩はWindows95で自作プログラムを作成し、WAVEの音楽、ドット絵、200人全員のパネル動作を作成した。本当、高校生とは思えないスキルだった。しかし、あまりにもハイレベルに作成されたWAVEプログラムに私を含む200人のメンバーはミスを連発した。結果として、酷い出来であった。

M先輩には、あの難しすぎるプログラムも「練習すれば、いつかできる」と思っていたのだろう。失敗を繰り返す私たちの前で、ノートPCのシミュレーションだけは優雅に成功していたのを思い出す。

なお、1998年、WAVE団長として宮寺がリベンジに挑むのであるが、それは別のお話である。

勘違いエリートは「自分がわからない」事がわからない

話を戻すが、米山知事の中には「権力をしっかりと批判する」というのが「正義」としてあるのだろう。「権力の批判」の重要性は私も否定はしないが、米山知事はあまりに知識が足りていない。そして、米山知事はそれを自覚できていない。

まず、米山知事は権力批判を繰り返す望月記者を高く評価しているが、肝心の質問の中身は知らないようだ。

望月記者は北朝鮮のミサイル発射について、

「金委員長の要求に応えるように、まあちょっと冷静になって対応するようにと、そういう働きかけは日本政府はやっているんでしょうか?」

と菅官房長官に質問し、「その内容については北朝鮮の委員長に聞かれたらどうですか」と返され、大勢の失笑を買っている。その他にも北朝鮮の代弁者とも呼ばれる低レベルの質問を連発し、「記者会見を邪魔している」ともっぱらの評判だ。

石平氏は、低レベルな質問をするだけで政府と戦っていると思っている望月記者を「勘違いしている」と指摘しただけである。また、このような望月記者の批判意見はネットにありふれている。米山知事は望月記者の発言の詳細も、ネットでの評判も知らないのでは。

さらには、石平氏が中国から帰化している事、石平氏が実際に中国で民主化活動をしていた事、中国籍のまま批判をしていた事、中国の激しい言論弾圧の実態、などなどほとんど知らないようだ。

だが、米山知事は「自分が間違っているかも」という発想が出てこないため、「自分の知識が足りないかも」という発想もまた出てくるチャンスが無いのだろう。

米山知事の経歴を見るに、独裁国家の言論弾圧の歴史は明らかに専門外だ。また新潟県知事に就任してから、明らかに新潟県政に関係の無い発言を連発している。これもまた、自分があらゆる分野で正しい意見を言えるという考えが透けて見える。どんなに天才であっても知らない事では遅れを取る。そんな簡単な常識を身につけるチャンスが無かった不幸に感じる。

勘違いエリートにならないために、努力しても勝てない経験を

さて、ではどうすれば勘違いエリートにならないかであるが、やはりもっとレベルが高い人と出会い、「上には上がいる」事を知るしかない。

ちなみに記事に出てくるM先輩は超天才ではあるが、勘違いエリートとはちょっと違うと思っている。天才過ぎて周りとはズレている場面は多々あったが、M先輩は高校時代に数学オリンピックに出場したり、「上には上がいる」事を知っている人だった。

米山知事のような天才は、高校や大学時代に「どんなに努力してもダメだった」とか「あいつには絶対に勝てない」という経験はなかなか難しいだろう。多感な少年・少女時代がそんな勝利経験ばかりでは、「自分が常に正しい」「自分は周りより優れた存在」と思っても仕方がないかもしれない。

しかし、そんな痛い考えのまま大人になり社会に出てしまうと、周りを見下したり、周りを信用せず何でも1人でやったり、周りを否定してばっかりでうまく仕事ができない「勘違いエリート」の誕生である。

それを避けるためには、やはり高校時代まで、できれば大学時代までに「どんなに努力してもダメだった」「あいつには絶対に勝てない」経験を積んでおきたい。

私の場合というとおかしいかもしれないが、中学・高校・大学とソフトテニスに熱中してきた。スポーツは苦手だったが、ソフトテニスは好きでずっと続けてきた。そこで泣きそうな敗北やライベルへの劣等感、それでもひたすらに努力を重ねる、そういった日々が自分が優れた人間だなんて勘違いを早々に捨てさせてくれた。

スポーツに挑戦するでも、恋愛に熱中するでも、生徒会長選挙に立候補するでも何でも良い。勉強の才能だけでは敵わないチャレンジは、自分を大きく成長させてくれる。

もしそれができないなら、徹底して上を目指すのも手だ。日本の大学に満足できなかったら海外の一流大学に留学したり、起業に挑戦するのも良いだろう。狭い世界でトップに立ち続けるより、よほど広い見識を与えてくれる。

世の中には本当、上には上がいる。私は社会人になってから特許で実績を積んできたが、数を重ねる毎に偉大な発明家の凄さが実感でき、その距離は近づくどころか遠ざかっているように感じている。ま、幽☆遊☆白書の台詞のパクリだが。

(浦飯幽助) 戸愚呂の恐ろしさがわかるのはオメーが強くなったからだ 桑原。敵の強さがわかるのも強さのうち。あのヤローの受けうりだがな

(飛影) 強くなる程貴様が遠くなっていく気がするぜ化物め。一体貴様どんな妖怪でどんなツラしてやがるんだ?

参照:月刊日本石平 (評論家) Wikipedia米山隆一 (政治家) Wikipedia産経新聞・9/9産経新聞・9/11BuzzNews.JPNAVERまとめ

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author : 宮寺達也

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  1. yuji shinoduka より:

    政治なんかの情報は学もないしで 見やすかったり、解り易かったりだと助かります で、自分はちょっと世界が違ってこちら方面になります

    https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=K7QvGguD&area=1

    趣味でやってますが、イラストACではRENTAROUというハンドル名・・こないだはアゴラでコメをわざわざすみませんでした お礼迄になります

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