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小島敏郎・東京都特別顧問は地方公務員法に違反している

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出典:東京都Webサイト

小池都知事の側近である、小島敏郎・東京都特別顧問が築地市場で勉強会を行った件が波紋を呼んでいる。

小島氏は「市場問題プロジェクトチーム」の座長であり、豊洲市場移転のキーマンである。そんな小島氏が都民ファーストの会の西郷歩美都議(築地市場がある中央区で当選)と一緒に、築地市場の仲卸業者に市場移転問題の詳細を語り、「将来、築地に帰還する前提での豊洲市場への移転」を説得していた。

小島氏はこの行動を個人の立場と説明しており、小池都知事も

「小島氏が、プライベートな立場で市場関係者の勉強会に招かれておられたということでございます。そのご自身が有する知識や経験などに基づいて個人の見解を述べるということは自然なことではないかと、このように思うわけでございます」

と庇っている。しかし、自民党の山崎一輝都議が非難したように、どう考えてもプライベートの域を超えている。

私も小島氏の主張には以前から問題を感じていたので、今回の行動にも疑問を覚えた。そんな中、厳しい都議選を何とか当選された自民党の川松真一朗都議が小島氏の勉強会の議事録を全文公開された。

小島敏郎氏による市場関係者への説明会発言録

この議事録を読んだところ、小島氏の行動に大変な問題を発見した。小島氏は地方公務員法に違反している!


公私に関わらず、地方公務員法の「守秘義務」違反

まず、小島氏には公人であろうが私人であろうが逃れられない義務がある。それが地方公務員の「守秘義務」である。東京都特別顧問は法的には

地方公務員法第3条に規定されている「非常勤」の特別職

と定義されている。そして地方公務員法第34条第1項では、

「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」

と定められている。勉強会の議事録は

(参加者)「築地を守る、豊洲は活かす」について東京都はまだ説明会を開催する事すら拒んでいる。

小島先生には、なぜこういう経緯・経過になったのかをご説明頂きたい。

との説明から始まっている。つまり、小島氏は「東京都が説明会を拒んでいる」、つまり秘密であるはずの「築地を守る、豊洲は活かす」の詳細についてベラベラ喋っている。

(小島)1年かけて「築地を守る、豊洲をいかす」という基本方針を決めた。この基本方針は変わらない。

(小島)市場内流通は築地に、転配送と市場外流通は物流なので豊洲。

(小島)築地再開発は民間会社が建設し運営する。特定目的会社である管理会社と、東京都の間で運営基本協定を結ぶ。

(小島)オリ・パラが終わってアスファルトをはがして、すぐ工事にかかる。今、頭にあるのは2022年9月

(小島)とにかくオリ・パラは協力すると言ってしまう。

(小島)ここからは知事が言わなかった事だが…

(小島)小池さんが言ったらもう結論だと、そうしてもらわないと困る。言ってしまったらそれで行くしかない。だから、次はかなり慎重にしないと。

(小島)調整は全くしていない。知っているかと言われれば知っている。

と、各種報道では公開されていない、都職員しか知り得ないはずの情報がてんこ盛りである。これらの発言は明確に地方公務員の守秘義務違反である。

小島氏は「公人」である可能性大

そして、次に問題になるのは勉強会に参加した小島氏が「公人」か「私人」かである。川松都議も「小池都政の鍵を握る顧問は私人か公人か」とブログに書かれており、重要な問題だ。

「公人か私人か」とは靖国参拝訴訟などで良く問題になっている。その訴訟の判例や、政府統一見解、辞書の定義によると公人である条件とは、

・公費(東京都のお金)に基づいて行動している時は公人

・費用とは別に、公職の名刺を渡したり、公職を付記して署名する場合は公人

・神社、仏閣等への参拝のような宗教心のあらわれであり、優れて私的な性格を有する場合は私人(公人で無い)

となっている。そして議事録には、

(参加者)また、今日は中央区選出の都議会議員の西郷さんにも来て頂いた。西郷さんには、小池知事とも都民ファーストの会としてパイプ役になって頂けるという事だ。

(西郷歩美・現都議)私は23日から都議会議員に就任する。皆様の意見を沢山頂き小池都知事へパイプ役として繋げ、頑張っていくので、今後ともよろしくお願いしたい。

と参加者が説明している。ここではっきりしている事は、西郷都議は明確に肩書きを名乗っており、公的な行動のために参加しており、公人であるという事だ。

そして小島氏について。議事録からは公費を使用しているのかわからないし、「東京都特別顧問」と名乗っている事も無い。名刺を渡したか、肩書き付きで署名したかもわからない。

しかし、東京都がまだ説明していないはずの「築地を守る、豊洲は活かす」の詳細の説明を求められ、回答している。そして、豊洲市場移転を渋る仲卸業者に移転を促している。

都議と一緒に神社に行ったとか、場外市場で海鮮丼を食べたとか、温泉に行ったとか、「優れて私的な行動」とは明らかに違う。今後の東京都政に影響を、しかも小池都知事に有利な方向に及ぼそうとしている。個人の見解を述べたとは明らかに違う、「優れて公的な行動」である。

何よりも勉強会の参加者が小島氏が東京都特別顧問という公的な立場で説明していると認識しているはずだ。現に川松都議のtwitterによると、

これはある勉強会参加者が小池知事の「小島顧問は私人として参加」という発言に憤りを感じて自民党に持ち込まれたものだ。

であり、勉強会の参加者は小島氏を公人と認識していたことがわかる。

はっきりと公人を宣言した西郷都議と並んで、東京都を代理する公人と認識されながら否定する事なく勉強会を続けた小島氏は、公人の可能性が非常に高い。

築地の仲卸業者を脅す小島氏。こんな「黒いネズミ」は許されない

もっとも、私は小島氏が公人か私人かは、どちらでも良いと思っている。小池都知事が都議会で「プライベートな立場」と回答したから問題になったが、どちらであっても地方公務員の守秘義務違反であるし、何より築地市場の仲卸業者に「小池都知事の方針への服従」を迫っている事が超問題だ。

(小島)ものすごく厳しいが、どうしたら生き残れるか。既に基本方針は決定した。この基本方針に対して積極的に乗るかどうか、これは戦略の問題だ。

(小島)役所というのは、懐に飛び込んできた人の話は聞くが、反対している人の話は聞かない。今、懐に飛び込むかどうか、そういう交渉をするかどうか。ずっとアウトサイダーで要求だけしている人となるのか、協力をするからこれをやってほしいというネゴをするのか、今はその分岐点

これは明らかに嘘と脅迫である。

「築地再開発は早くて4~5年後に着工。それは不可能と同じ意味」にも書いたが、築地再開発は5年後の2022年には工事が着工する事すら怪しい状態だ。何より、築地再開発は検討のための補正予算は通ったとしても、都議会でまだ審議すらなされていない。言わば、小池都知事の妄想であり、口約束にもなっていない。

そんな怪しい築地再開発の方針を「基本方針は決定した。変わらない」「オープニングセールが2022年9月」などと嘘で固め、「将来、築地に帰って来れるから、安心して豊洲市場に移転しよう」と豊洲市場移転を渋る仲卸業者を安心させている。

私は豊洲市場の早期移転には賛成だ。築地市場の仲卸業者には覚悟と希望を持って決断して欲しい。しかし、「将来、築地に帰って来れる」という嘘で誤魔化して移転したら、必ず将来の経営危機に繋がり禍根を残す。

小島氏は築地市場の仲卸業者が倒産しても構わないので、小池都政の障害を除ければそれで良いと言ってるようなものだ。地方公務員の守秘義務違反だけでなく、刑法の脅迫罪・詐欺罪が適用できるんじゃないかとすら思えてしまう。

こんな非人道的な政治がかつてあっただろうか?

こういう陰でコソコソと非道な政治を行う事を、小池都知事や都民ファーストの会は「都政の闇」「ブラックボックス」、果ては「黒いネズミ」として批判して来たではないか。

今回の勉強会で機密を暴露し仲卸業者を脅迫した小島氏はもちろん、それを庇ったり見て見ぬ振りをした小池都知事と都民ファーストの会こそが「黒いネズミ」そのものではないか。

参照:日刊スポーツ東京都顧問について地方公務員法政府統一見解

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author : 宮寺達也

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