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千客万来施設の協定違反で、万葉倶楽部は小池都知事に損害賠償請求できる

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出典:東京都報道資料

豊洲市場に建設予定の観光施設である「千客万来施設」。その運営会社である万葉倶楽部が「都の方針が変わり、事業の継続性が見通せない」として撤退を検討している事が明らかになったのが、7月11日のことである。

万葉倶楽部は小池都知事が「築地は守る、豊洲を活かす」の方針を発表した6月20日の直後、6月22日には東京都に説明を求める文書を送っている。だが、それから2ヶ月経っても明確な返答は来ていない。

そのため、ついに万葉倶楽部は我慢の限界を迎え「東京都の具体的な内容が年内に示されない場合、事業から撤退し、都に損害賠償を請求する」と検討している事が明らかになった。

しかし、小池都知事は9月1日の定例記者会見で、

去年、都と事業者とで基本協定が結ばれていて、これをしっかりと守っていくことが豊洲の一角のにぎわいを確保することになる。仮に事業者が都に損害賠償請求するとしたら、何をもって損害とするかは法的にチェックしないといけない

と発言し、あたかも万葉倶楽部に責任があるかのような発言を行った。

これは信じ難い無知であり、無責任な発言である。小池都知事の「築地は守る、豊洲を活かす」は明確に募集条件を違反しており、東京都には損害賠償を支払う責任がある。


千客万来施設が困難になった場合の損害賠償について、契約が存在する

さて、損害賠償請求の鍵になるのが小池都知事の発言に出てくる「基本協定」だ。

千客万来施設の契約条件書では、万葉倶楽部は東京都と基本協定を締結しなければならない。さらに、締結後はお互いに基本協定を遵守し、解除する場合には責任がある方が損害賠償を支払わなければいけない、と予め定められている。

具体的な基本協定については公開されているものが見つからなかったが、基本協定の基本的事項は公開されている。そのポイントをまとめると、

・万葉倶楽部は、事業の安定性や継続性に問題が発生した場合、東京都に対して直ちに報告し、協議すること

・万葉倶楽部が基本協定等の義務を果たさず事業が困難になった場合、東京都は契約を解除し、損害賠償を請求する事ができる

・東京都が基本協定等の義務を果たさず事業が困難になった場合、万葉倶楽部は契約を解除し、損害賠償を請求する事ができる

である。

小池都知事は「何をもって損害としていくのか」と呑気な事を言っているが、そんなもの簡単である。義務を果たさなかった方が、賠償を支払うのだ。

千客万来施設の募集条件は、築地市場から完全に移転した豊洲市場

この双方が果たすべき義務であるが、募集要項からまとめると、

万葉倶楽部の義務

・事業に必要な費用を全て負担する

・募集内容の通りに、千客万来施設を建設する

・豊洲市場の開設後、速やかに千客万来施設を開設する

東京都の義務

・豊洲新市場基本計画(平成16年7月)等を踏まえ、築地市場から豊洲市場に中央卸売市場を移転する

・立地に関する条件を守る

といった内容である。万葉倶楽部については費用は自ら負担しているし、建設も開始している。豊洲市場がまだ開設していないので、最後はどうしようもない。

やはり、問題は東京都である。ここで重要なポイントになるのが「豊洲新市場基本計画」と「立地に関する条件」である。

募集要項の立地に関する条件では、

道路:東京都市計画道路 環状第2号線 幅員50m

とある。さらには豊洲新市場基本計画にも建設予定地の立地特性として、

交通環境:南北に、都心と臨海副都心を結ぶ晴海通り、環状2号線が延伸

とある。環状2号線は築地市場を閉鎖して跡地に通す予定であるが、まだ築地市場から豊洲市場への移転が完了していないので、当然、完成の目処は立っていない。

この環状2号線の未開通が、まず東京都の義務不履行である。

さらには、小池都知事は「築地に食のテーマパーク」「豊洲市場を総合物流拠点に」と記者会見で説明したが、もちろん基本協定を締結した時の豊洲新市場基本計画には記載が無い(もちろん、現在も無いのだが)。

豊洲新市場基本計画には、豊洲市場の役割として、

○生鮮食料品を供給するための、首都圏のハブ機能

○コストを削減する、効率的な流通システム

○高度な衛生管理を可能とする、安全・安心の市場づくり

○加工・パッケージなどの付加価値機能を拡充した、顧客サービスの向上

○排ガス・騒音・ごみの発生を抑制する、環境への配慮

○にぎわいの創出などまちづくりへの貢献

が定められている。

どこにも「築地に食のテーマパーク」「豊洲市場を総合物流拠点に」と記載されていない。

また立地特性でも「機能、経営面で現市場との継続性が保てる位置」と記載されている。「築地に食のテーマパーク」を建設し、「豊洲市場を総合物流拠点に」してしまうと、全く継続性は保てない。

このような変更を東京都の都合で勝手に行うのは条件を変えるのは、万葉倶楽部にとって十分に契約を破棄できる内容だ。

ちなみに、万葉倶楽部の高橋会長は「当初見積もった総投資額180億円から、工事の延期などですでに20億?30億円上振れしている。新しく人を採用したり、テナント募集も進めたり、多方面で努力してきたのに…」と激おこである。損害賠償の額は数十億円の巨額になりそうだ。もちろん、負担するのは都民の皆様である。

絶対に謝罪してはいけない小池都政24時

万葉倶楽部と東京都で交わされた基本協定は明らかになっていないものの、これまでに公開されている募集要項や契約条件書から、契約で決められた内容を一方的に破ったのは間違いなく東京都である。

したがって万葉倶楽部には契約を破棄して損害賠償を請求できる権利があると考えるのが自然だ。

だが、万葉倶楽部が撤退して千客万来施設が実現しないと、本当に困った事になる。豊洲新市場基本計画ににぎわい施設について書かれているよう、千客万来施設は豊洲市場に絶対に必要な施設だ。

また江東区は「にぎわい施設とセット」で豊洲市場の移転を受け入れいている。このまま万葉倶楽部が撤退してしまうと、豊洲市場移転そのものが大ピンチになってしまう。

「千客万来施設の危機。小池都知事と都民Fが合意の重みをごまかしてきたからだ」にもすでに書いたように、全責任は根拠なく豊洲市場移転を延期し、さらには築地市場の再開発というイミフな方針を発表した小池都知事と都民ファーストにある。

そんな危機的状況において、小池都知事は「仮に事業者が都に損害賠償請求するとしたら、何をもって損害とするかは法的にチェックしないといけない」と他人事のような、それこそ万葉倶楽部が悪いかのような物言いである。

アッキーさんがつぶやいたように、まるで「絶対に謝罪してはいけない都政24時」を見ているかのようだ。

そんなつまらない番組を見る気は誰も、さらっさら無い。こんなつまらない番組は一刻も早く放送終了し、豊洲市場移転と万葉倶楽部への謝罪のニュースを見せて欲しい。

参照:NHK NEWS WEB小池知事「知事の部屋」スポーツ報知ダイヤモンド・オンラインFNN news千客万来施設事業(6街区)整備・運営事業者の募集について千客万来施設事業(6街区)事業予定者の決定豊洲新市場基本計画産経新聞

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author : 宮寺達也

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