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地方自治

豊洲市場の環境アセスメントは法律の対象外だから、延期の根拠にできない

投稿日:

出典:東京都中央卸売市場Webサイト

8月31日である。豊洲市場の移転延期が小池都知事の独断で決まってから、ちょうど1年が経過した。

移転延期当初は「盛り土」「ブラックボックス」がどうので騒いでいた。だが、6月20日に結局は豊洲市場に移転する事を発表し、ただただ無駄な時間と関係者への迷惑を掛けただけの結果になっている。

だが「移転延期は仕方ない」と主張する人は、「盛り土前提で環境アセスメントを実施したので、このまま移転するのは大きな問題だ」と言う根拠で正当化している。

これについても8月28日、東京都の環境局は「環境への著しい影響はない」として、環境アセスメントを新たにやり直す必要はないと判断した。結局、豊洲市場の移転延期は小池都知事が思いつきで難癖をつけただけという事である。

そんな中、小池都知事を支持(絶対服従?)する都民ファーストの音喜多都議が、

「豊洲市場の環境アセスやり直し不要も、移転延期は妥当だった理由」

と言うブログを更新し、「延期決断の時期として結果論であったとしても、延期の妥当性については疑いないものと考えています」と、この期に及んでもまだ健気に、小池都知事への盲目的な擁護を繰り返している。

しかし、この音喜多都議の主張には大きな間違いがある。豊洲市場の環境アセスメントは、法律で義務付けられたものでは無い。東京都の条例で義務付けられたものであり、しかも手続きに違反は存在しない。

豊洲市場は環境影響評価法の対象外

音喜多都議はブログで環境影響評価法を引用している。環境影響評価法とは、環境アセスメントを義務付けた法律である。音喜多都議は豊洲市場に盛り土が無く、地下ピットであった事実は第3条違反であると主張している。

第三条  国、地方公共団体、事業者及び国民は、事業の実施前における環境影響評価の重要性を深く認識して、この法律の規定による環境影響評価その他の手続が適切かつ円滑に行われ、事業の実施による環境への負荷をできる限り回避し、又は低減することその他の環境の保全についての配慮が適正になされるようにそれぞれの立場で努めなければならない。

豊洲市場の環境アセスメントで、建物地下部分を最初に盛り土と報告して、後に地下ピットに修正する事は、

とても適切かつ円滑な手続きによって行われた状態とは言えず、間違った環境アセスのまま豊洲市場を開設していてこれが事後に発覚した場合、法令違反になった可能性が充分にあります。

と書いている。なるほど、確かに法令違反になっていたならば大問題である。

だが、笑止千万である。

豊洲市場は、環境影響評価法が定める対象事業では無い!

環境影響評価法が定める対象事業は、道路、河川、鉄道、飛行場、発電所など、13の事業である。豊洲市場が該当するならば、工業団地造成事業(工場が立地するのにふさわしい土地を造成する事業)になるだろう。

しかし、環境影響評価法は工業団地造成事業について、面積100ha以上の場合に必ず環境アセスメントを行う事となっている。面積75〜100haの場合は環境アセスメントが必要かどうか、個別に判断する事となっている。総面積約44haの豊洲市場は対象外である。

総面積約44haでも実施する必要がある事業は、廃棄物最終処分場と埋立て・干拓である。全く豊洲市場とは違う。

さらには仮に環境影響評価法に基づいていたとしても、第31条で「軽微な変更は環境影響評価その他の手続きを経る事を要しない」と定められている。「環境への著しい影響はない」変更が法律違反になるとは思えないし、そもそも問題が発覚したら内容を修正して報告しているのだから、十分に「適切かつ円滑な手続き」である。

豊洲市場はそもそも法律で義務付けられた環境アセスメントを実施する必要は無く、第3条違反になるなんてあり得ない。

豊洲市場は東京都の条例によって環境アセスメントを実施した

では何のために豊洲市場は環境アセスメントを実施したかと言うと、東京都の条例で定められているからである。

東京都は、「東京都環境影響評価条例」によって環境影響評価法が義務付けていない事業についても環境アセスメントを義務付けている。

別表の対象事業において、「十六 卸売市場の設置又は変更」と明記されている。東京都はこの条文に基づいて、環境アセスメントを実施したのである。

さて、では盛り土から地下ピットへの変更は、東京都環境影響評価条例に違反するであろうか?

条例では第37条で「対象計画の変更の届出」について定めている。

第三十七条 事業者は、次の各号に掲げる対象計画の種類ごとに当該各号に定める時期において、第十一条第一項第一号若しくは第二号に掲げる事項を変更しようとするとき、又は対象計画の策定を中止し、若しくは廃止しようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。ただし、軽微な変更その他規則で定めるものについては、この限りでない。

環境影響評価法とは違って、義務付けられているのは「知事への届け出」だけである。「適切かつ円滑」といった単語も出てこない。つまり盛り土から地下ピットへの変更は環境アセスメントの再実施が不要であるので、知事に届け出さえすれば条例の義務を完全に果たしており、何の違反にもならない。

音喜多都議は「豊洲市場の開設後に発覚した場合、法令違反になり大問題」と書いているが、全く的外れである。

(もちろん、私は環境アセスメントの専門家では無いので、解釈に間違いがあるかもしれません。専門家の方のご意見をおまちしております)

豊洲市場移転延期で、1兆円の損失を出そうとしている小池都知事と都民ファーストの責任は重い

このように、豊洲市場移転延期を支持する人たちが根拠にしていた「環境アセスメントに重大な問題があった」は全くの勘違いである。

豊洲市場移転の延期は、結局はお金と時間を超絶に無駄にしただけでなく、豊洲市場移転に努力してきた関係者をズタズタに切り裂いて、最初の計画に戻ってきただけである。

具体的には、無実の都職員を違法に懲戒処分し、移転延期による補償や環状2号線の工事中断、無謀な築地再開発で、1兆円とも2兆円ともいう、超巨額な損失を出そうとしている。

これだけのお金があれば、全国の待機児童をゼロにできるくらい保育所が建てられるだろうし、小学生全員にランドセルをプレゼントするのも簡単だ。

この事態を招いた小池都知事と都民ファーストは、

「なんの成果も!!得られませんでした!!」

と謝罪するしかない。ま、されても許せないだろうが。日本史に残るダメ政治だ。

しかし、音喜多都議の今回の稚拙な擁護ブログや「カップラーメンは贅沢品」と言って大炎上したのを見ると、ファーストペンギンを閑職に追いやり、1回生だけでなく2回生にまでSNS・ブログを禁止したのは野田数代表の名采配だったんだなあと思う。

音喜多都議には是非とも、野田数代表の愛の説教部屋に行って反省して来て欲しい。

かずさ愛の説教部屋

か(ぴこっ)「どあほ、今日は何で呼ばれたかわかっとるんか」

お「え~、わかんない」

か「カップラーメンが贅沢とか言うからや」

お「だって、相手は舛添だし~別にいいかなって」

か(ぴこっ)「年収1400万円が何言っとるねん」

お「かずさだって1400万円じゃん」

か(ぴこっ)「俺は関係ないやろ。豊洲市場の擁護も中途半端で、何がしたいねん」

お「カップラーメンの炎上、挽回できるかなって」

か(ぴこっ)「火に油注いどるやないかい」

参照:NHK WEB NEWS(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170828/k10011115411000.html)、産経新聞・8/28産経新聞・8/21環境アセスメント入門、東京都環境局(https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/assessment/index.html)、東京都環境影響評価条例



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author : 宮寺達也

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