政治

都民ファの言論統制は、指示した野田数代表より従っている議員の方が悪い

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出典:YouTube tokyonews jp

小池都知事が代表を「務めていた」都民ファーストの会が50人立候補して49議席獲得するという悪夢のような都議選から1ヶ月半が過ぎた。

あれだけの圧勝にも関わらず、都民ファーストの議員からは特に目立った発言や活動が聞こえてこない。都議選の前には「都民ファーストの候補者は素人や問題を抱えた人物ばかりなので、当選しても必ずボロを出す」という予想が多かったが、裏切られた形だ。

それもそのはず、小池都知事の特別秘書である野田数・都民ファースト代表が「議員への取材には原則、都民ファースト事務局の許可が必要」という取材制限を継続しているからだ。

ついにはブログやツイッターを含むSNSの発信まで制限している事が明らかになった。この言論統制に対して多くの有識者が野田数代表を批判している。

しかし私の感想はちょっと違う。所属議員を言論統制する野田数代表を好ましいとは思わないが、それ以上に黙って従っている議員の方がもっと悪い、と。

都民ファーストの会は、都議会議員の雇用主では無い

野田数代表は都民ファーストの取材制限について、

「(広報部署が対応する)民間企業では当然のことで、企業並みの統治を目指す」

と各メディアに回答している。まあ、確かに私も民間企業で働いていた時は、広報や上司を通さずに勝手に取材に対応するような事は禁止されていた(そんな機会は無かったけど)ので、一応理屈は通っているようにも見える。

だが、政治関係者からは非難轟々だ。アゴラでも新田編集長が「都民Fの議員“口封じ”、野田数の統制が田舎臭すぎる」という記事で散々に批判している。みなさんの批判の内容をまとめると、

「都議会議員は都民からの信託を受けて当選した一国一城の主であり、公認を受けたとはいえ都民ファーストに雇用されているわけでは無い。民間企業の従業員のように、雇用関係で行動を束縛するのは間違いだ」

というものだ。私もこの理屈には賛成である。

民間企業に勤めていた時、雇用主は会社であり、会社から給料を貰っていた。だから、会社の命令に従った。しかし、都議会議員の給料を払っているのは東京都の税金、つまり雇用主は都民である。断じて都民ファーストの会では無い。

これを民間企業に例えるならば、雇用主である会社(都民)が「取材OK」と言っているのに、就職面接で推薦した大学時代の教授や高校時代の先生が「取材はNGだ、私の許可無く勝手に喋るな」と言っているようなものだ。確かに的外れである。

都民ファーストの会を守るためには合理的な言論統制

しかし、私はこの批判を承知で野田数代表は言論統制を強いていると思う。なので野田数代表を批判しても蛙のつらに小便というか、ほとんど意味が無いと思う。

また、「メディア出身の小池都知事がこんな指示をするとは考え難い」という意見も見たが、小池都知事も承知の上だと思う。この1年余りの小池都知事を見ていると、とにかく特定の側近の意見を重視している。野田数氏もその1人だ。なので、言論統制は都民ファーストの会としての意志であると言って良いだろう。

事実、都民ファーストの言論統制は小池都知事が代表を務めていた都議選前から行われてきた。都議選中も「候補らへの取材には原則、都民ファーストの会事務局の許可が必要」としていたのだ。これは明確に小池都知事の指示であり、意志である。

ではなぜ批判を覚悟で言論統制をするのか。言論統制しないともっと批判されるからだろう。良いか悪いかは置いておいて、合理的な考えではある。

都民ファーストの候補者はとにかく素人、スキャンダルを抱えた問題児が多数いる。

OLを強姦した容疑で逮捕され起訴猶予処分になった者、部下の職員を大声で恫喝したパワハラ疑惑がある者、秘書時代に事務所のデータを流出させ、また横領した疑惑がある者、パンツを被って奇行に及んでいたビデオが発掘された者、江東区で当選したのに豊洲市場の事を全く知らないと答えた者、まあ枚挙にいとまが無い。

これらの問題は都議選前にはマスコミも含めて周知の事柄であった。都議選圧勝の熱に乗って、各議員に取材が殺到すれば、大方の予想通りに確実にボロを出したはずだ。

また、過去には日本維新の会の橋本徹共同代表が「慰安婦制度は必要だった」と発言して批判にさらされ、直後の参院選で伸び悩んだ一因になった。最近では「浪速のエリカ様」と異名を持つ上西小百合衆議院議員が、数々の問題発言で日本維新の会を除名処分になった。

大量の素人の寄せ集め集団である都民ファーストにとって、各議員の問題発言でマスコミを騒がせる事は最も警戒するべき問題だ。言論統制をしてでもそれを防ごうとする考えはわかる。

言論統制は都民ファーストの会の綱領違反なんだから、無視すれば良い

しかし、私は都民ファーストの議員が言論統制に従い続けるべきとは思っていない。

先に書いたように都民が雇用主である都議会議員を、第3者が勝手に縛って良いはずが無い。何よりも、言論統制は都民ファーストの綱領に違反しており、都民ファースト所属議員は「言論統制を守っては駄目」なのだ!

都民ファースト綱領

そのための大原則を「都民ファースト」「情報公開」「賢い支出(ワイズスペンディング)」とする。私たちが自らの名に「都民ファースト」を冠するのは、都政の第一目的は、都民の利益を最大化すること以外にないと考えるからである。一部の人間、集団の利益のために都政があってはならない。

都民ファースト所属議員は、代表の指示よりも綱領を守る義務がある。まさしく一部の人間の利益のためでは無く都民を最優先に、情報公開を徹底しなければいけない。

これも民間企業に例えるならば、上司が「パワハラ」や「横領」のような違法な行動を支持したのと同じだ。上司に指示されて部下をいじめたり、会社の金を横領した場合、上司だけが悪いとなるだろうか?

裁判になれば、上司の責任がより重く問われるだろが、指示に従った部下も無罪放免とはいかない。違法な指示については、部下にもそれをきちんと断る責任がある。

なので、都民ファーストの議員には言論統制を指示されても、それを無視しなければいけない義務がある。「野田数代表、あなたの言論統制は綱領違反なので無視します。私は取材に応じます」と堂々と宣言し、行動すれば良いだけではないか。

都民ファーストの言論統制は、黙って従っている議員の方に問題があるのだ。不満を漏らしている議員がいると書かれているが、だったら無視しろとしか思わない。

ちゃんと発言して野田数代表を納得させろ。でも音喜多は罠だから

というわけで、都民ファーストの議員は堂々と言論統制の指示を無視すれば良い。自分の意思で取材に応じ、ブログ・SNSで発言すれば良い。そこで失言やスキャンダルにつながる事無く、その内容で野田数代表を納得させれば良いのだ。

だが、自分で書いておきながら私はその期待は薄いと思っている。都民ファーストの素人議員は選挙活動の時からまともに喋っているのを見た事が無い。明らかに都政について知識不足だし、喋ればボロが出る事を自覚している様に思う。

実際に、3ヶ月以上これだけの数の議員がこんな綱領違反の指示を守っている事実が裏付けている。私には大半の議員が「都政の事なんか全然わからないから、正直、取材NGとかラッキー」くらいに思っている様に感じる。

都民ファーストの言論統制は、周りが勝手に心配しているだけで実は所属議員とWIN-WINなのかもしれない。

しかし、積極的にブログ・SNSで発言してきた2回生以上の議員は不満だろう。だが、2回生以上の議員こそ焦って発言しない方が良いと思う。

豊洲・築地併用案、千客万来施設からの万葉倶楽部の撤退、AI発言、特別秘書の給与黒塗り、開かれない豊洲市場問題特別委員会、小池都政は確実に2回生以上の議員が過去に批判してきたよりも漆黒のブラックボックス都政である。

本音では2回生以上の議員はこのブラックボックスを批判したいだろう。しかし、ここで余計な事を発言して、うるさそうな2回生以上の議員を切り捨てる事こそ野田数代表の言論統制の真の狙いに思える。

最近、ふと自分のブログを読んでいたらこんなリンクを見つけてしまった。

「開かれない都議会の豊洲市場問題特別委員会…」

8月8日に自民党、共産党、民進党、維新の各会派が豊洲市場問題特別委員会の設置を求めたが、都民ファーストが数の力で却下した。てっきりこの事を批判した自民党都議のブログかと思った。しかし、空けてびっくり。却下した都民ファーストの音喜多都議のブログ(ただし1年前)であった。

音喜多都議はついこの間も小池都知事のAI発言をアクロバティック擁護してフルボッコにされていたが、これからはこの様に過去のブーメラン発言を責められ続けるだろう。そこで勢い余って小池都知事と都民ファーストの会を批判してしまう事に、はらたいらさんに3千点である。

そうして、野田数代表は嬉々として音喜多都議を除名するのは。言論統制にブログ・SNSが含まれているのは露骨な音喜多狙いと言われているが、身内を批判する鬱陶しい議員が消える事はまさに狙い通りだろう。今の議席数なら1人や2人減っても痛くも痒くも無い。

だがまあもしかしたらであるが、言論統制は音喜多都議が過激な発言によって孤立するのを防ごうとする野田数代表の親心の可能性かもしれない。書いててキモくなったが。

参照:読売新聞・東京都議選2017東洋経済ONLINE朝日新聞LITERA時事ドットコム



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author : 宮寺達也



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