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ローカル

小池都知事の「みんなでラジオ体操」は、マジ迷惑なんで勘弁してください

投稿日:

出典:スポーツTokyoインフォメーション

東京都は、3年後の東京オリンピック・パラリンピックの開催期間にあたる来週月曜の7月24日から9月6日まで毎日、東京都庁で午後2時55分からラジオ体操を実施する「みんなでラジオ体操プロジェクト」をスタートする。

これは7月14日の小池都知事の定例会見で発表されたものだ。小池都知事は

「(ラジオ体操は)皆さんがご存じで、日本人のDNAに刻み込まれている体操。都民、国民がひとつになれるスポーツを活用し、大会に向けた機運醸成の場としたい」

「都でも、都庁の職場で毎日、午後2時55分になれば、どこにいても体操を始められるようにしたい。フラッシュモブのような形に」

と述べており、どうやら虚構新聞でも季節外れのエイプリルフールでも無かったようだ。

このニュースを読んだ人の大半は「アホらしい」「都庁の人は可哀想」「まあ、私には関係無い」と感じただろう。だが、プロジェクトは「都内の企業や都民の皆さん、そして広く全国にラジオ体操の実施を推進します」となっており、私たちの会社も巻き込まれる恐れが高い。そう、

ところがどっこい‥‥‥‥ 夢じゃありません‥‥‥‥! 現実です‥‥‥! これが現実‥!


みんなで、同時に、ラジオ体操、というセンスの無さトリプルスリー

「みんなでラジオ体操プロジェクト」のアホらしさは、その名前にほとんど詰まっている。

①「みんなで」するセンスの無さ

まずラジオ体操を、「みんなで」する事が組織のトップとしてセンスがない。

プロジェクトの目的は「東京2020大会への気運醸成と都民の健康増進」との事であるが、ラジオ体操をしたから「おし、オリンピックとパラリンピックに向けてやる気がみなぎってきたぞ」という職員・都民が何%いるものだろうか。

まあ何人かはいるだろうが、ぶっちゃけ、東京都全体で100人もいない気がするんだが。逆に言えば、大多数の職員・都民にとってはラジオ体操をしてもオリンピックに向けてのモチベーションは上がらないし、むしろ「こんな面倒な事させられるんならオリンピックなんて要らないよ」と思ってしまうかもしれない。

「みんなで」ラジオ体操は、何のデータにも基づかないトップの勝手な思い込みを部下に強いる、典型的なバカ殿様政策である。

②「同じ時間に」するセンスの無さ

ラジオ体操は、重点期間中、平日毎日14時55分から都庁内職場で実施するとの事だ。この「同じ時間に」する事もセンスが無い。

当然だが、17万人いる東京都庁の職員は、同じスケジュールで仕事をしている訳では無い。デスクワークをしている職員は14時55分になったら直ぐにラジオ体操に移行できるだろうが、会議をしていたり、外回りをしていたり、手作業をしている職員は直ぐにラジオ体操をする準備ができていない。

こうなると、14時55分にラジオ体操が開始できるように、14時40分、50分といった少し前から作業を中断し、ラジオ体操をする準備をしなければいけない。

「1日の中、どこか空いた時間でラジオ体操を」と指示されれば無駄は生じないが、「同じ時間に」と指示される事で非常に無駄な時間が生じてしまうのだ。

これもまた、現場を知らない典型的なバカ殿様政策である。

そういえば、プレミアムフライデーとかゆう活とかも同じ発想で失敗したよなあ。

③「ラジオ体操」が日本人のDNAというセンスの無さ

小池都知事はラジオ体操を「日本人のDNAに刻み込まれている体操。都民、国民がひとつになれるスポーツ」と絶賛しているが、なかなか珍妙な知識である。

確かにラジオ体操は小中高と散々にやらされてきたので、体には染みついている。2番までなら楽勝だ。しかし、ラジオ体操第1の制定は1951年、ラジオ体操第2の制定は1952年である。日本人のDNAと呼べる程の歴史は無いし、私の母親が1949年生まれであるので少なくとも私のDNAには刻まれていなさそうだ。

私は小中高の行事、運動会、夏休みには散々ラジオ体操をした。しかし、私が部活動で真剣に取り組んでいたソフトテニスの準備運動やトレーニングでラジオ体操をした事は一度も無い。皆さんも見た事は無いだろう、強豪校のスポーツ選手が試合前にラジオ体操をしている所を。

ラジオ体操自体は、みんなが程良く体を動かせる良い体操だ。しかし、それを職場でやったくらいで「オリンピックへのモチベーションアップ」「健康増進」とは流石に過大評価であろう。

特に「フラッシュモブのような形に」との下りには都庁職員に同情を禁じ得ない。恐らく、都庁内でラジオ体操をしている様子はニュース番組で報道されるだろう。スベったフラッシュモブに参加する事は、生涯忘れない恥として魂に刻まれるだろう。

個人当たりの負担は小さいので反対しにくい

しかし、「ではなぜこんな下らないプロジェクトにOKが出たのか?」と疑問に思う人は多いだろう。

実際、どこの大企業でも朝のラジオ体操とか、意味の無い朝礼・昼礼とか、みんなで掃除とか、全社員集まっての意見交換会とか、無意味な施策はあるあるだ。

今回のラジオ体操も、発案は小池都知事だったのかもしれないが、強硬な反対意見が出なかったからこそ実行に移されたのだ。

こういう無意味なプロジェクトの特徴としては、「個々人当たりの負担は小さい」事が特徴である。

今回のラジオ体操ならば、1人当たり、1日5分の時間を割くだけである。「8時間も就業時間があるんだから、5分くらい平気だろう」と言われれば、なかなか言い返しにくいものだ。

しかし、1日5分とはいえ、チリも積もれば山となる。都庁職員17万人を合わせれば、1日約1万4200時間。時給を2000円とすると、1日で2833万円の損失である。

さらにこれが7月24日から9月6日まで32日間続くので、合計9億666万円の損失である。

豊洲市場問題で2兆円を溶かそうかという小池都知事にとってははした金なのかもしれないが、その原資は都民の税金である。そんなお金があれば保育所の一つでも作ってくれよというのが都民の本音では無いか。

無論、こんな数字は簡単に計算できるので、「みんなでラジオ体操は、都庁全体で9億円の損失です。止めましょう」と主張した職員もいただろう。

だが、こういう場合、「全体の事は一職員のあなたが考える事では無い。全体を考えるのはトップであるアテクシだ」と言われて、一蹴されるものだ。

つくづく、バカ殿様の下で働く職員には同情を禁じ得ない。

トップの自己満足プロジェクトが多発する部署の士気は確実に低下する

こうして、「1人当たりの負担が少ない」「でも、全くの無意味」な施策が、今日も日本中の会社や組織で行われ続けている。

私が勤めていた事務機器メーカーでも、「ITのスケジュール管理システムがあるのに、磁石を使った行き先掲示板」とか、「センター長が各部署を回って不満を聞く会(でも、決して改善策は実行しない)」とか、枚挙にいとまが無かった。

こういうトップの自己満足プロジェクトは確かに個人当たりの負担は少ない。全体では大きな負担となったとしても、確かにトップがその負担を承認しているんだったら口を出す筋合いも無い。

しかし、このような自己満足プロジェクトが確かにもたらす弊害は、トップへの不信感と組織への忠誠心の低下である。要するに、やる気が無くなるのだ。

どんな会社の、どんな仕事であっても、そこに従事する社員はプライドを持って取り組んでいる。求めているのは、自分をもっと信頼して、もっと自由に、もっと大きく今の仕事に取り組む事ができる環境だ。一言で言うなら、特別視して、尊敬して欲しいのだ。

そういう社員のプライドを尊重し、権限を与える事がモチベーション向上の秘訣だ。

「みんなでラジオ体操」のような愚策は、各社員に「お前のトップはバカだから、お前らは皆んな同じに見える」「5分くらいお前の仕事止めたって、どうでも良い」「お前の仕事はラジオ体操以下」というメッセージを暗に与えてしまう。

こうやって、単に5分の時間を失う以上のモチベーション低下を発生させてしまうのだ。

というわけで、東京都の「みんなでラジオ体操プロジェクト」は本当に酷い愚策である。巻き込まれる東京都庁職員(大学時代の友人もいる)には同情を禁じ得ない。

それ以上に恐ろしい事に、東京都はこの「みんなでラジオ体操」を都内の企業や都民の皆さん、そして広く全国に推進しようとしている。

私を含め、まかり間違って、今の職場で採用されるかもしれないとビクビクしている人も多い。

東京都へ、「みんなでラジオ体操プロジェクト」は最悪自分たちでやる分には仕方ないですが、関係の無い市民を巻き込むのはマジ迷惑なんで勘弁してください。

参照:日刊スポーツみんなでラジオ体操プロジェクト

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-ローカル

author : 宮寺達也




                                                                                                 
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