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キャリア 政治

本当に酷いパワハラとは、豊田真由子議員のような暴言・暴力だけじゃ無い

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出典:イラストAC

6月22日、自民党の豊田真由子衆院議員が元政策秘書の男性に「このハゲーーっ!」「おまえの娘が交通事故でひき殺されて死んでさぁ」などと聞くに堪えない暴言を浴びせた事が発覚し、世間は大騒ぎである。(参照:産経新聞

実際に豊田議員が「このハゲーーっ!」と絶叫する音声がツイッターで公開され、そのインパクトは絶大だ。号泣議員に匹敵するとの声まである。

元政策秘書の方には心から同情するし、豊田議員を庇う余地は一片も無い。今後、議員辞職なり、刑事事件と言う形で責任を取っていただきたい。

ただ、私は豊田議員のパワハラを批判する声が圧倒的に大きい中で、ちょっとした違和感を感じている。それは、豊田議員の暴言・暴力は確かに悪質なパワハラである。しかし、世の中にはそれ以上のパワハラが行われているのに、スルーされている事が幾つもあるからだ。


パワーハラスメントとは

厚生労働省のサイト(https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/definition/about)に「パワーハラスメントの定義」と言うページがあり、そこにはこう記載されている。(奇しくも厚生労働省は豊田議員の出身官庁・・・)

職場のパワーハラスメントとは

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

豊田議員の場合は、議員事務所のトップ、秘書という部下という上下関係を背景に、暴言・暴力という明確な精神的・身体的苦痛を与えている。パワハラの最も典型的な例と言えよう。

ただ、私は本当に悪質なパワハラとは、「職場の人事権を乱用して、回復できない損害を部下に与える事」だと思っている。

例えば、私はメーカー勤務時代に

・無謀なプロジェクトへの参加を打診されたので会社を思ってプロジェクトの欠点を指摘したら、一切の仕事を奪われ、半年後に部署を追い出された

・吸収合併した会社の役員が退任するとき、元の会社の部下を一斉に昇格させ、生え抜き社員の私たちの人事評価を滅茶苦茶にした

などというパワハラを経験した。

参照:「草彅くん主演ドラマ「いいひと。」に思う。現実は「いいひと」がパワハラをする」

私にパワハラをした上司は、いずれも家族愛に溢れる温厚な良い人であった。私は暴言を振るわれたわけでも、暴力を振るわれたわけでも無い。人事権の濫用も違法とまでは言い難く、この上司らは今ものんきに暮らしているだろう。

しかし、これらの上司による人事権の濫用によって、私はメンタルを病んだり、転勤を余儀なくされたり、人生が滅茶苦茶になった。

本当に悪質なパワハラとは、小池都知事の懲戒処分である

豊田議員の暴言・暴力は間違いなく悪質だ。擁護する気持ちは一切無い。

しかし、パワハラの悪質度を「将来に渡って、回復できない損害の度合い」と考えた時に、もっと悪質なパワハラがあると思っている。

その一つが、小池都知事による豊洲市場の盛り土問題での懲戒処分である。

詳しくは「豊洲市場問題。小池都知事の懲戒処分は違法だ!」に書いたが、豊洲市場の盛り土が一部なされていなかった事は、単なる連絡ミスの問題である。決して懲戒処分の対象となる職務違反、職務怠慢、非行といった行為では無い。

6月16日に開催された第4回市場のあり方戦略本部でも、盛り土が無かった事によって、安全には影響していないと結論が出されている。

しかし、中西充元市場長を始め12人が減給処分となり、退職者6人についても減給相当額の自主返納を求めている。(参照:朝日新聞

懲戒処分は、成果のアピールが難しく、年功序列で昇級・昇格していく公務員にとっては一生に渡ってつきまとう重大な処分だ。しかも、退職ではなく減給ならば、違法な懲戒処分といっても裁判に訴えるまでの勇気は出しにくいだろう。しかし、この懲戒処分により、思い描いてたい昇進・昇格は確実に不可能になっただろう。

さらに、退職者については、懲戒処分の旨を再就職先に連絡して、再就職先を辞めざるを得なくなったという話も入っている。

職場の上下関係を利用して、相手が反撃して来ないギリギリの範囲で、違法な懲戒処分を与える。懲戒処分を喰らった職員は、筆舌に尽くし難い屈辱を味わっているだろう。仕事へのモチベーションも大きく下がり、大きな精神的ダメージだ。

これが悪質なパワハラで無くて何と言えば良いのか。当の小池都知事は東京都議選の応援演説で「暴行する女性候補いない」と言ったそうだが、どの口が言うのかと呆れてしまった。

前川喜平・前文部科学事務次官の天下り斡旋も悪質なパワハラだ

また、加計学園の内部文書を告発して、ワイドショーに引っ張りだこの前川喜平・前文部科学事務次官が行なった組織的な天下り斡旋も悪質なパワハラだ。

前川氏が主導した天下り斡旋では、文科省が管轄する早稲田大へ同僚(吉田元局長)を天下りさせ、補助金・交付金をもらうためのパイプ役にするというものだ。

また、加計学園の獣医学部新設の影であまり報道されていないが、千葉県成田市の国際医療福祉大学の開校が認可されている。

この国際医療福祉大学は、現在6人の高級官僚が学長、理事といったポストに天下っており、過去には文科省トップの事務次官経験者も天下っていた実績もあるとの事だ。(参照:J-CAST

文部科学省が推進した大学院重点化により、研究界には就職口の無いポスドクが溢れている。私は大学院から無事に就職できたが、私よりも遥かに優秀な研究者が、研究職にありつけず、非常に少ない収入で日々を過ごしている事をこの目で見てきた。

大学の許認可権を持つ文科省、その事務次官という立場を悪用して、真面目な研究者の悲鳴を無視して、何の実績も無く大学の教授職に天下って高給を貪る。

これもまた、職務上の優位性を悪用して、多くの研究者に精神的苦痛を与えている悪質極まりないパワハラだ。

オララララオラ 悪質なパワハラを裁くのは『有権者の意志』だッー!!

繰り返すが、私は豊田議員の暴言・暴力といったパワハラは一切擁護しない。

しかし、正義の面を被って、声を上げる事の難しい弱者を痛めつけている小池都知事や前川元事務次官のような行為こそ、本当に悪質なパワハラであり、裁かれるべきだと思う。

しかし、こういう行政の陰で行われているパワハラは、裁くのが非常に難しい。最初から被害者が薄く広くなるようにしているので、1人1人は被害を実感しにくい。さらに、裁判に訴えるにしても労力と対価のバランスが取れない場合が多いからだ。

何とも巧妙だ。まさにジョジョで空条承太郎が言う所の、「吐き気のする悪」だ。

だがこんなおれにもはき気のする「悪」はわかる!!

「悪」とはてめー自身のためだけに弱者を利用しふみつけるやつのことだ!!

おめーの「スタンド」は被害者自身にも法律にも見えねえしわからねえ・・・

だから おれが裁く!

オララララオラ

裁くのはおれの『スタンド』だッー!!

とまあ、漫画ならこんな感じで承太郎よろしくスタンドでぶっ飛ばす事が出来るのだが、現実には出来る事は少ない。

会社の場合は私のように、退職してその意思を伝えるしかない。

また、行政の場合は有権者として、選挙を通じて否定の意思を伝えるしかない。

いずれも被害者を直接救済したり、パワハラを行なった人物を裁くといった結果に結びつけるのは難しい。しかし大勢の意思が集まれば、ほんの少しずつでも確実に現状を変える事ができる。悪質なパワハラを裁くのは有権者の意志、この事を少しでも多くの人に意識して欲しいと願う。

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author : 宮寺達也




                                                                                                 
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