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任天堂も「リアルマリオカート」を準備している

投稿日:

出典:YouTube 今日は19台が連なる楽しそうなレンタル公道カートの「マリカー」

前回の記事で、任天堂が株式会社マリカーの商標「マリカー」に異議申し立てをしていることを書いた。その際に「マリオカート」「マリカー」の商標を検索したところ、面白いことがわかった。

任天堂が新たな「マリオカート」の商標を追加で出願しており、最新の商標を読むと「リアルマリオカート」を準備している可能性があるのだ。


どんどん拡大する「マリオカート」の商品・役務(サービス)

マリオカートシリーズは1992年のスーパーマリオカート(スーパーファミコン)に始まり、2017年も最新作マリオカート8 デラックス(Nintendo Switch)がリリースされる。歴代販売本数2000万本を超え、発売から25年経っても大人気の超ビッグタイトルである。

任天堂がそのマリオカートを商標として初めて申請したのは、1996年9月27日、シリーズ2作目のマリオカート64(NINTENDO64)の発売前のことである。

その商標:第4222218号では、適用する商品・役務(サービス)は家庭用ビデオゲーム機、ROMカートリッジ、遊園地用機械器具といった、あくまでゲームとしてのものであった。

しかし、それから任天堂は7回もマリオカート関連の商標の追加出願を行い、マリオカートの商品・サービスの範囲を拡大していった。

1998年出願の商標:第4340262号では、貴金属、紙、衣服、コーヒー・ココア・お茶といった飲料、スポーツ、映画などと、一気に範囲を拡大した。

それから、2004年出願の商標:第4880591号ではメトロノーム、アイロン、消火器、溶接機など、2005年出願の商標:第4939594号では手品用具、スキーワックス、釣り具などと、どんどん範囲を拡大していった。

さらに、2008年出願の商標:第5156824号ではマスク、かばん、布団、乳製品、カレー・シチュー、スープのもと、お茶漬けのり、ふりかけ、ビールなどと拡大しており、全ての商品・サービスでマリオカートを使用する勢いだ。

そして、商標:第5156824号では注目すべきポイントがある。「但し、二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品を除く、但し、乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカーを除く、但し、ハンドル,ハンドルカバー,自動車並びにその部品及び附属品を除く」と、後に「マリカー」の商標が指定する商品・サービスをわざわざ除外しているのだ。

株式会社マリカーの商標「マリカー」が指定する商品・サービスの範囲は「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー」などとなっている。「公道でリアルマリオカート」のサービスであるから当然ではあるのだが。このとき、任天堂が商標で自動車なども押さえていれば、今回の問題は起きなかったかもしれない。

最新の商標で、リアルマリオカートの可能性有り

その後、任天堂は「マリオカートチャンネル」「マリオカートアドバンス」といった商標を取得したが、マリオカートの商品・サービスの拡大は行っていなかった。

しかし2015年12月22日、前回の出願から7年以上経ったころに突然、新たな「マリオカート」の商標を出願(商願2015-126420号)した。

その商品・サービスに、「ゴーカート競走の企画・運営又は開催、小型自動車競走の企画・運営及び開催、遊園地の提供、カートコース施設の提供、カート(遊具)の貸与」などが含まれているのだ。

これは、任天堂が実際にミニカーやゴーカートでリアルマリオカートを体験するアトラクションを準備していると期待できる。

2015年の商標出願の目的は、時期的に株式会社マリカーへの対策である可能性が高い。任天堂が商標を出願した2015年12月は、2014年5月29日発売のマリオカート8(Wii U)から1年半も空いているし、次回作のリリースも発表されず、何とも中途半端な時期だ。しかし、株式会社マリカーがサービスを開始した時期であり、商標出願をした時期(2015年5月13日)でもある。

任天堂は、商標やSNSから「公道マリカー」の情報を察知し、前回の記事で推察したように「今後、公道マリオカートで交通事故が発生し、マリオカートのイメージが悪化することを危惧した」のではないだろうか。

そして、危険な公道マリカーではなく、任天堂が提供する安全・安心なリアルマリオカートを目指して、商標の範囲をゴーカートや小型自動車などに広げようとしていると考えられる。

ちなみに、2015年になって「尾田 久敏」という人物が「マリオカート」「リアルマリオカート」の商標出願を幾つか行っている。株式会社マリカーの関係者かは全くわからないが、審査されているので出願手数料は支払っているようだ。目的は不明だが、もしも商標ビジネスを考えているのであれば、困った人だ。

任天堂が目指すリアルマリオカートは、公道マリカーでは無い

ただし、任天堂は「公道マリカー」を目指している訳では無さそうだ。「公道マリカー」を任天堂が提供したり、ライセンス供与するのであれば、商標の範囲に「自動車、二輪自動車、自転車、乳母車、人力車、そり、手押し車、荷車、馬車、リヤカー」と言った、株式会社マリカーの商標が押さえている商品・サービスを含めるだろう。

任天堂は「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」という任天堂の理念に基づいて、あくまでも安全で安心なリアルマリオカートを遊園地やサーキットで提供するのだろう。

だが、それはそれで面白そうだ。

任天堂は家庭用ゲーム市場の縮小で業績が伸び悩んでいるが、2016年にポケモンGOの超絶大ヒットで証明したように、魅力的なキャラクターを多数保有している。

全国の遊園地やサーキットにキャラクターのライセンスを給与し、リアルマリオカートを体験する施設が続々登場すれば楽しそうだ。

特に2020年には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにスーパー任天堂ワールドがオープンすることが予定されている(参照:TechCrunch)。スーパー任天堂ワールドにリアルマリオカートが登場する可能性は高いだろう。

さらにはF1やSUPER GTを始め、様々な自動車レースとタイアップし、迫力あるリアルマリオカートを観戦することも面白い。

前回も書いたが、リアルマリオカートは、大人としての節度とマリオへの愛を胸に、安全に楽しむべきだ。任天堂が公式「リアルマリオカート」を発表する日が待ち遠しい。


※この記事は、2017年02月27日にアゴラに投稿・掲載された記事を再掲したものになります。

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author : 宮寺達也




                                                                                                 
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